なかなか長くなってきたデザインキャリアの中で、これまで多くの企業やブランドをデザイナーという立場から支援してきました。
経験を重ねる中で、自分なりの判断軸やスキルも少しずつ身についてきた実感がありました。一方で、自分自身が資金を出し、ブランドの運営側に入ってみると、それまで培ってきた経験や感覚だけでは判断できない場面に、数多く出会うことになりました。
もちろん、ある程度は想像していた世界でしたが、実際に飛び込んでみると、その何倍もの「知らなかったこと」や「これまでとは違う感覚」がありました。
売上は日々変化し、うまくいかなければ事業そのものが立ち行かなくなる。一方で、うまくいけば人生を変えるほど大きな成果につながる。
そんな環境の中でデザインの意思決定をすることは、外から事業を支援していたときとはまったく違うものでした。デザインが良いかどうかだけではなく、それが売上や顧客、現場のオペレーションにどう影響するのか。分かったつもりでいましたが実際に事業の中に身を置いてみなければわからないことが、たくさんあるのだと実感しています。
そして、もうひとつ大きな気づきがありました。
デザインに限らず、事業に関わる仕事はすべて深くつながっているということです。マーケティング、セールス、販売、オペレーション、人事。どれかひとつだけが独立して存在しているわけではなく、それぞれが影響し合いながら、ひとつの事業を形づくっています。
だからこそ、将来どんな仕事をしたいのか、まだ明確に決まっていない人にこそ、一度事業の中に飛び込んでみてほしいと思っています。
一見すると自分の専門とは違う仕事でも、事業をつくるという視点で見れば、すべてがつながっています。そこで得た経験は、決して無駄にはならず、きっとその人自身のこれからを形づくる力になるはずです。
MM Caneléは、まだ始まったばかりのブランドです。
大きな組織のように、部門ごとに仕事が明確に分かれているわけでもありません。みんなで考え、悩み、試して、失敗して、またやり直す。そうやって少しずつ前に進んでいます。
だからこそ、ここでは販売だけ、マーケティングだけ、営業だけ、という仕事の境界を越えて、ブランドや事業そのものを考える経験ができます。
それは、ひとつの専門性だけではなく、これからのキャリアを支える「包括的な力」になっていくと思っています。
そして最近やたら耳にする「ブランディング」という言葉についても、MM Caneléを始めてから少し捉え方が変わりました。
ブランドは、見た目をつくって完成するものではないこと。
日々の一つひとつの判断や、お客様との接点、商品、店づくり、働く人たちの姿勢。そうしたものが時間をかけて積み重なり、少しずつブランドになっていく。(これも理論では分かっていたことですが実際に体感できたこと)
今、MM Caneléはまさにその道中にあります。
これからどんなブランドに育っていくのか。その過程を中から見て、考え、つくっていけることは、自分自身のキャリア、ひいては人生にとっても大きな経験になると感じています。
まだ何者でもないからこそ、一緒につくれる。
そんなフェーズだからこそ面白いと思っています。
ぜひMM Caneléにジョインして、このブランドが育っていく時間を、一緒に楽しんでもらえたらと思います。