口コミは商品を評価しているようでいて、実は「買った理由」を書いている。
「店員さんが親切だった。」
「友達に勧められて。」
「包装がかわいかった。」
「種類が豊富で選ぶのが楽しかった。」
「天井が高く開放感ある空間がおすすめ。」
書かれているのは、味の話ばかりではない。
特にカフェは面白い。
お店はスペシャルティコーヒーへのこだわりを打ち出していても、口コミには「居心地がよかった」「長居できた」「店員さんが優しかった」など、コーヒーについての書き込みはあまり見られない。
人は、自分が何に価値を感じたのかを、案外正直に言葉にしている。
だから口コミは、商品の感想というより、そのブランドの答え合わせなのだと思う。
ブランドをつくる側は、
「うちはこういう店です。」
「ここを大切にしています。」
と発信する。
でも、それがお客さんにどう届いたかは、自分たちでは決められない。
答えは口コミの中にある。
「手土産にちょうどいい。」
「また会いたくなる接客だった。」
「並んでも買いたい。」
もし、自分たちが伝えたかったことと、お客さんが感じたことが重なっていたら、それはきっとブランドになっている。
逆に、どれだけ発信しても、その言葉が口コミに現れなければ、まだ伝わっていないということなのだろう。
店をやっていると、つい数字が気になってしまう。
何回いいねされたとか。
何件保存されたとか。
もちろん、それは嬉しい。
でも、それだけではブランドにはならない。
一度買ってもらえる理由と、もう一度買ってもらえる理由は違う。
商品のジャケが素敵で手に取ることはある。
話題だから並ぶこともある。
でも、二度目は中身で選ばれる。
口コミを読んでいると、そのことを何度も教えられる。
ブランドは、自分たちが「こうありたい」と決めるものではない。
お客さんが、「この店ってこうだよね」と語り始めたとき、初めて少しずつ形になっていく。
だからSNSの数字よりも、シビアな口コミが重要に思う。
そこには、自分たちが思うブランドではなく、お客さんの中に残ったブランドが書かれている気がするからだ。