今回はエルバークグループ代表の山下さんにインタビューしました。エンジニアから社長となった今、ご自身のキャリアについて振り返ります。さらにエルバークグループのミッションや、なぜ未経験エンジニアを採用するのかなど、たっぷりとお話しを伺いました。
エンジニアから社長に就任。6年間で5社を設立し、今やグループの代表に。
──社長になるまで、どのようなキャリアを積まれてきたのでしょうか。
CGデザイン専門学校出身で、将来はWEBの仕事に携わりたいと卒業後はWEB系企業をターゲットに就職活動をしました。ですが、未経験で雇ってくれる所は皆無でなかなか就職は順調にはいきませんでした。そんな中で出会ったのが、製品のテストや検証、評価をするテストエンジニアの仕事。仕事をしていくうちに業務の面白さを実感しながら周囲からの評価も得られるようになり、テストエンジニアとしてのキャリアアップを考えるようになったんです。
もともとマネジメントやコンサルティング、管理職にも興味があったので、テストエンジニア業界でそのポジションを目指したいと思うようになりました。その後、キャリアアップのために同じ業界の別会社へ転職し、さらに2010年に知人の紹介で兄弟グループであるセキュアズグループに転職。
その後、エルバーククオリティの前身であるセキュアクォリアランスの社長に就任しました。
──キャリアアップのために個人として取り組んできたことはありますか。
任された目の前の仕事に実直に取り組むことはもちろんのこと、様々な現場に参画する中で、いかに周りより成果をだしていくのか、チームでいい関係性を築いていくのか、常に積極的に動くことを意識していました。その積み重ねの中で経験やスキルを認めていただき、評価につながっていったのではないかと思います。
──社長を任された時は、どんな気持ちでしたか。
お声掛けをいただいた時は、任されたからには尽力しようと思い、「やります」と即答しました。もともと、グループが組織全体の成長を見据えて、若い人に社長を任せるという風潮があったため、周囲には同じようにキャリアアップしていく人が多い環境でした。そんな周囲の様子を見て、社長というポジションに就くことが自分の成長にもつながるだろうと思うようになっていきましたね。経営はもちろん初挑戦でしたし、社長に就任してからは今もなお、勉強の毎日です。
──2014年に株式会社エルバーククオリティの社長に就任し、2016年に株式会社エルバークエイム、2018年に株式会社エルバークギア、2020年には株式会社エルバークJohnと立て続けに会社を設立されました。スピード感のある環境ですね。
ベンチャー企業なので、会社設立も含めスピード感を大事にしています。各会社、事業内容についてはSI事業、SES事業をメインとしており、そこまで相違はありません。現在、ITを活用したアパレル製品を提供する株式会社ウェアラブルを含め、私は5社の社長とエルバーググループの代表を務めていますが、ゆくゆくは他の人に経営をバトンタッチして自分は会長などのポジションにシフトしようかと考えています。そこに到達するまでには、今はコロナ禍で世の中も変わってきていますし、これまでのようにスピード重視ではなく、慎重に事業を進めていくということも大切だと思っています。
整備された教育環境で未経験から一人前のエンジニアに。実現したいのは、ITによる豊かな暮らし。
──組織づくりや会社が掲げるMVVについて教えてください。
ビジョンとしては、自社開発のサービス提供をしていく会社を目指しています。これまでは、SES事業で技術力と売上を上げ、会社の基盤づくりに注力してきましたが、これからは次のステップとしてSI事業に注力し、これまで以上に技術力と売上アップを図っていく予定です。
我々には、これまで培ってきたシステム開発やアプリ開発の知見やノウハウがあります。そういった資産をエルバークグループの商品開発に生かしていければと考えています。ITと新しいものを掛け合わせて、新しい価値を生み出す。そのアイデアの一つを形にしたのがウェアラブルという会社であり、ブランドです。今後も引き続き、グループが掲げる理念「ITで暮らしを豊かに」の下、暮らしにまつわるものをITと掛け合わせて、さらに価値のあるものを展開していきたいと思っています。
──エルバークグループの組織としての強みはどんな所にあるのでしょうか。
今似たようなスタイルの会社は徐々に増えてきていますが、もともと完全な未経験者を採用して一人前のエンジニアに育てるという点が会社の最大の強みでした。なぜ未経験者採用するのかというと、どの企業も採用を希望するのは経験者が主です。他社がやっていないことをやるからこそビジネスは成立しますし、そういった状況であれば、我々は未経験でもITに携わりたい人を採用しようと考えたわけです。
──未経験者採用となると教育が重要になってきますが、どのような教育体制をしかれているのでしょうか。
入社後2週間は基礎的なITとビジネスマナーの研修を行い、その後未経験者でもできる簡単な仕事から業務をスタートしてもらいます。実際に仕事を経験しながら弊社で用意したカリキュラムに取り組んでいただき、それをクリアしたら次のステージへ進んでさらに難しい仕事を行う。実践と学びを同時に行いながら一人前のエンジニアになるまでステップアップできる体制を整えています。
カリキュラムは弊社のエンジニア陣が作ったもので、現場で役立つ必要なスキルを学べる内容になっています。開発、インフラ、テストといった各分野別に用意されており、分野によって内容も難易度も異なります。テストエンジニアが一番やさしくて3か月から半年程、次にインフラは半年から1年、そして一番難易度の高い開発は1年から1年半程の学習期間を要する内容となっています。ですが、開発でも速い人は1年でカリキュラムを終わらせて、実践で経験値を積むという形で進んでいきます。
業界としても難易度の高い仕事程、対応できる人材は少ないという状況なので、エンジニアの持っているスキルによって、案件の難易度や会社としての売上も上がっていきます。将来的に自社商品開発を行うためにも、エンジニアの方にはスキルアップをしてもらうことが重要だと考えています。
──未経験者がスキルアップを図るために、他に実施していることや取り組みはありますか。
各エンジニアには、仕事をサポートするマネージャーのような担当者がつき、キャリアアップのためのアドバイスをもらうことが出来ます。また、プロジェクトリーダーやマネージャーが技術面でのサポートをしてくれます。その他、リーダー陣が中心となって毎週土曜に開催している勉強会もあるので、スキルアップのサポートや、更に上のキャリアを目指せる機会というのは複数ある環境となっています。
──同じくキャリアアップとして、社長を目指せる環境でもあるようですね。
私自身がそうだったように、いちエンジニアから社長になれる体制が社内にはあり、日頃の業務における現場評価や管理職になる人間に必要なマネジメント力など、総合的なスキルや能力を見て「この人なら任せられる」と判断した場合、社長をお願いすることがあります。
昨今は、フリーランスや起業を目指すエンジニアも増えていますが、経営に興味があり、やる気のある人には、社長になるために必要なアドバイスもしますし、より多くの経験が積めるようにポジションアップを図る機会も用意しています。新会社設立についても、やる気と実力さえあれば誰でも実現できる環境です。
目指すのは自社商品開発。そのために必要なのは、未経験でも志あるエンジニア人材。
──今後、エルバーググループとして、どのような事業展開を考えていますか。
今後3年から5年かけて、SI事業を拡大し、SES事業と同じくらいの売上アップを目指しています。現在、会社の売上の9割がSES事業によるものなので、その半分程には上げていきたいですね。それを実現したら、先程お伝えしたように自社商品の開発、販売に進んでいきたいと思っています。ウェアラブル事業については1,2年以内の海外進出を検討しており、まずはITの聖地であるシリコンバレーに乗り出していく予定です。そこで結果を出すことがウェアラブルのブランド価値を上げることにつながっていくと考えています。
──そんな今後の事業展開を見据え、どんなメンバーに組織にジョインしてもらいたいですか。
将来の目標、ビジョンを持っている人です。そうした働くための原動力を持っている人の方が長続きしますし、結果を出して上に行くことができます。事前にITスクールなどに通い、基礎を身に着けて転職に挑む方もいらっしゃいますが、そういう下地がなくても挑戦できる業界、職種だと思います。
本気でエンジニアを目指すのであれば、将来どういうことを実現したいのか、作りたいのか。そこまでのビジョンを持っている人であれば、誰でもなることができます。エンジニアはなるのが難しいというイメージを持たれがちですが、そうではないんだよということを伝えたいです。弊社の目指すことに共感を持ってくれる人を一人でも多く増やしていきたいので、『自分の掲げた目標の実現のため、会社とともに成長したい。』そんな人とぜひ仕事がしたいと思っています。