なぜSALT2が、ブートキャンプを行うのか
なぜ、企業のAI戦略や開発を手がけるSALT2が、学生・社会人向けのブートキャンプ
を行うのか。
その背景には、企業へのAI実装に取り組む中で、私たちが何度も感じてきた課題があります。それは、「AIを使えること」と「AIと一緒に完成まで届けられること」は、
同じではないということです。
SALT2は、「AI時代に、社会へのインパクトを最大化する」をMissionに掲げ、
AI戦略の策定から、AIエージェントやLLMを活用した開発、
企業の現場への実装までを担うAIプロフェッショナルファームです。
私たち自身も、日々の仕事でClaude Codeなどのコーディングエージェントを活用しています。ただAIにコードを書かせるのではなく、要件や設計をドキュメントとして残し、
AIが守るべきルールを定め、途中の成果物を確認しながら開発を進めています。
生成AIの登場によって、開発の入口は大きく変わりました。
プログラミングの経験がなくても、AIに指示を出せばコードが生成され、
短い時間で「動くもの」を作れるようになっています。
しかし、実際に使われるプロダクトを完成させるには、何を作るのかを整理し、
要件を定義し、データベースや認証、セキュリティ、インフラを考え、
本番環境へ公開しなければなりません。
AIが出した成果物が本当に正しいのかを判断することも必要です。
AIに何を任せ、どこを人が判断し、どう品質を担保するのか。
こうした仕事の進め方は、一度説明を聞いただけではなかなか身につきません。
私たちの経験では、自分で作り、失敗し、原因を調べ、直し、
最後に人へ見せるところまで実践することで、AIに任せるべき部分と、
人が考えるべき部分が少しずつ見えてきます。
そこで、SALT2が企業のAI実装で培ってきた知見を、
学生や社会人が実践できる学習プログラムとして形にしました。
それが「AI駆動開発ブートキャンプ」です。
これは、AIツールの使い方を覚えるためだけの講座ではありません。
AIを開発チームの一員として動かし、自分のアイデアを実際に使える形まで届けるためのブートキャンプです。
2カ月で、ゼロから本番環境まで
AI駆動開発ブートキャンプの期間は、約2カ月です。
学生・社会人のどちらも対象で、開発経験は問いません。
メンターのサポートを受けながら各自で開発を進め、
各Sprintの最後には成果発表を行います。必要時間の目安は週20〜25時間です。
参加費は無料ですが、Claude CodeのProプランと、
利用状況に応じたLLM APIの費用は別途必要になります。
「未経験でも、本当に2カ月で作れるのだろうか」と感じる方もいるかもしれません。
実際、週20〜25時間を確保し、最後まで取り組むのは簡単ではありません。
分からないことをAIやメンターに聞きながら、自分で考え、手を動かし、
期限までに一つの成果物を完成させる。
そのための時間と、本気でやり切る意思が求められます。
開発経験の有無よりも、最後まで作り切りたいと思えるか。
私たちが大切にしているのは、その姿勢です。
3つのSprintで、開発の全体を経験する
カリキュラムは、3つのSprintで構成されています。
Sprint 1:まず、動くものを作る
最初のSprintでは、開発の基礎を学びながら、実際に動くものを作ります。
初めからすべてを理解している必要はありません。AIやメンターへ質問しながら、
自分の手で一つのアプリを形にする。
まずは「自分にも作れた」という経験を持つことが、その後の学びの土台になります。
Sprint 2:チームで、本番水準のシステムを作る
次のSprintでは、チームで開発に取り組みます。
アプリの設計、インフラの設計、実装などを分担し、動くものを「人が使えるもの」へ
近づけていきます。自分の担当だけを完成させれば終わりではありません。
ほかのメンバーが作ったものとつなぎ、認識のずれを解消し、
全体として成立させる必要があります。
個人で試作するときには見えにくかった、
要件の曖昧さや、設計を共有する難しさにも向き合います。
Sprint 3:AI agentと、AIが働く環境を作る
最後は、AI agentです。自律的にタスクを進めるAI agentの構築と、
コーディングエージェントが安定して働くための環境整備に取り組みます。
AIにその都度長い指示を書くのではなく、必要な前提、ルール、作業手順を環境側に
持たせる。どの仕事を任せ、どの時点で人が確認するのかを設計する。
自分でコードを書くことだけでなく、AIが力を発揮できる環境を作り、
その仕事を監督する側へ進むことが、このSprintの狙いです。
架空の演習ではなく、実案件をベースにする
このブートキャンプでは、SALT2が実際に取り組む企業案件をベースに開発を行います。具体的な案件内容は、入会時に秘密保持契約を締結したうえで開示しています。
演習用に整理された課題であれば、
正しい手順をなぞることで完成まで進めるかもしれません。
しかし、実際の仕事では、最初から要件がすべて決まっているわけではありません。
誰が使うのか。どの情報を扱うのか。例外が起きたときにどうするのか。
曖昧な部分を一つずつ判断する必要があります。
AIへの指示が曖昧なままでは、期待したものにならないことがあります。
途中で動かなくなったり、想定と異なるものができたり、
ときには前の工程へ戻ることもあります。
その手戻りも含めて経験することが、
実務を意識した開発の視点を養うことにつながると考えています。
作って終わりにしない。発表とフィードバックまで行う
各Sprintの最後には、自分が作ったものを発表します。
何を作ろうとしたのか。どのように設計したのか。どこで苦戦し、どう解決したのか。
そして、自分が作ったシステムがどのように動いているのか。
成果物を見せるだけでなく、その背景を自分の言葉で説明します。
SALT2の現役エンジニアからは、コードや設計だけでなく、
AIへの指示の出し方についてもフィードバックを受けます。
また、同期の発表を見ることで、同じ期間でも異なる設計や工夫があることに気づきます。自分一人で作業しているだけでは得られない視点を持ち帰り、次のSprintで試す。
この繰り返しも、ブートキャンプの大切な学習プロセスです。
参加者が実感した、受講前後の変化
ここまでプログラムの内容を紹介してきましたが、
実際に参加した人たちは、何を難しいと感じ、受講前後で何が変わったのでしょうか。
これまでの参加者も、最初から開発に慣れていた人ばかりではありません。
「Sprint3でのAWSの構築には非常に苦戦しました。」
そう振り返るのは、東京大学工学部の笠井奏良さんです。
参加した時点では、開発について全くの初心者でした。
AWSに関する言葉や見慣れない技術用語が出てきても、それがいま作っているシステムのどの部分を指すのか、最初は結びつかなかったといいます。
それでも、Sprint 1から3までの実践を重ねました。受講後は、それぞれの技術や用語が何を指し、いま作っているシステムのどの部分に関わるのかを結びつけて理解できるようになったことを、大きな成長だったと振り返ります。
変わったのは、コードをどれだけ覚えたかだけではありません。バラバラに見えていた
技術が、一つのシステムを動かす仕組みとして見えるようになりました。
出発点が違っても、似た変化が見られます。
早稲田大学法学部の須之内太陽さんは、もともとAIやLLMについて独学していましたが、その知識を社会へ実装するためのエンジニアリング力に課題を感じていました。
最初はClaude Codeの環境構築にかなり戸惑ったといいます。
メンターのサポートを受けて環境を整えた後は、要件定義から実装までを進め、
顧客のニーズを考えながらアイデアを形にするところまで経験しました。
シニアコンサルタントの中村佳貴さんは、受講前にWebアプリを一から作った経験が
なく、「要件定義とは何か」というところからのスタートでした。
自分では明確に伝えたつもりでも、実装を始めるとAIやエンジニアが判断できない条件が残っている。前の工程へ戻って修正する大変さを経験したことで、最初に何を決めるべきかを考えられるようになりました。
現在は、その経験が業務改善の提案にもつながっています。
3人の出発点は異なります。
しかし、共通しているのは、AIの使い方を覚えたことだけではありません。
自分で開発の全体を経験したことで、「何を決めなければ作れないのか」「AIへ何を伝えればよいのか」「出てきた成果物をどう評価するのか」が見えるようになったことです。
AIネイティブとは、AIに任せきることではない
私たちが考えるAIネイティブな人材とは、AIへすべてを丸投げする人ではありません。
実現したいことを考え、要件と設計へ落とし込み、AIが働ける環境を用意する。
途中の成果物を確認し、必要であれば軌道修正し、最後まで価値のある形へ持っていく。
AIに任せられる部分が増えるほど、人には目的を定める力と、
結果を判断する力が求められます。
エンジニアを目指す人だけでなく、コンサルタントや事業企画、チームを動かす立場の人にとっても、一度自分で開発の全体を経験することには意味があります。
少なくとも、これまでの参加者からは、AIやエンジニアへの依頼や、
成果物を見る視点が変わったという声が届いています。
もちろん、2カ月ですべての開発技術を身につけられるわけではありません。
修了後も、作るものが変われば、新しく分からないことに出会います。
ブートキャンプで持ち帰ってほしいのは、すべての正解ではなく、
分からない状態からAIや周囲の力を借り、自分で完成へ近づけていくための土台です。
開発経験より、「最後まで作り切りたい」という気持ち
たとえば、Claude Codeなどを使い始めたものの、自己流の開発から抜け出せずにいる方。ローカルではアプリを動かせても、本番環境への公開で止まっている方。
開発経験はないけれど、自分のアイデアを実際に使えるプロダクトへ変えてみたい方には、この2カ月が大きな一歩になるはずです。
また、AIやエンジニアへ仕事を任せる立場の方にも参加してほしいと考えています。
自分で一度開発してみることで、依頼前に決めるべきことや、完成した成果物を確認するときの視点が変わるからです。
一人で正解をなぞるのではなく、仲間やメンターからフィードバックを受け、
次のSprintで試し直す。そうした学び方を楽しめる方に向いています。
知識や経験が足りないことは、参加を諦める理由にはなりません。
ただ、2カ月間、分からないことを放置せず、完成まで取り組む時間は必要です。
最初からできることよりも、最後まで作り切ろうとする姿勢を大切にしています。
次回のブートキャンプについて
次回のAI駆動開発ブートキャンプは、2026年10月から11月にかけての開催を予定しています。詳細な日程は現在調整中です。
参加したい気持ちがあれば、開発経験は問いません。
なお、応募者が多数の場合は、運営による選考を行います。
プログラムの詳細や最新の日程は、ブートキャンプ特設サイトをご確認ください。
👉 SALT2 AI駆動開発ブートキャンプ
https://events.salt-2.com/
SALT2では、一緒に働く仲間を募集しています
SALT2は、AI戦略の策定からAIエージェント・LLMを活用した開発、企業の現場への実装までを担うAIプロフェッショナルファームです。
AIを使いながら自ら手を動かし、仕事の進め方そのものを一緒につくりたい方は、
SALT2の採用情報もご覧ください。
👉 SALT2 採用ページ
https://salt-2.com/careers