販売開始のたびに即完売。高価格帯ながら多くの支持を獲得してきた「TAKANOME」は、いよいよ世界に挑戦します。新たな船出の準備を進める2022年4月。佳境に入るタイミングで、平野さんの話を伺うことができました。
平野さんの鋭くも純粋な眼差しには、世界に挑む覚悟と事業にかける情熱が表れていました。事業設立のキッカケとForbulの様子、今後の挑戦について取材させていただきました。
Forbulを立ち上げたキッカケを教えてください。
大学の時にフィリピンやアメリカで生活した経験があり、日本のことを客観的に見られる機会がありました。経済的に余裕がある日本の独特の文化・食・国民性は大きなポテンシャルがあり、恵まれた国であることを再認識しました。
現在は経済の伸び悩みや人口減少が危惧されていますが、まだまだ日本にはチャンスが溢れています。特に日本食は、海外でも日本食レストランが人気であり、私自身も海外にいる際は週に一度は日本食を食べないと落ち着かないような気持ちになるほどで、非常に可能性を秘めたものだと思っています。
日本に帰り、様々な文化体験をする中で、こうした日本食の魅力やポテンシャルに惹かれて会社を設立したのが4年少々前のことです。
日本食から、さらに日本酒に絞った理由は何でしょうか?
日本でインターンをしていた際に、当時の職場の上司に居酒屋に連れて行ってもらったことがキッカケです。店名が私の名字と同じ「ひらの」という名前で、そのお店は日本酒とビールしか置いていないお店で、そこでたまたま手に取ったのが地元・栃木の銘酒である『鳳凰美田』でした。名前だけは知っていた状態でしたが、口にした瞬間、その味のインパクトや広がる香りに感動し、日本酒に強い興味が湧くようになりました。
調べていくと日本酒には様々な種類があること、日本酒業界は中小企業が多く、ビジネスの面では発展途上であることがわかってきました。日本酒を広く伝えていく活動を通じて、業界を活性化できればと思い立ち上げた次第です。
社員の皆さんの印象を教えてください。
COOの小林さんは熱量があって、いつも元気を与えてくれる存在です。私とは生い立ちも役割も対極で、私はどちらかというとアウトサイダーに進んできましたが、彼は大手銀行出身の王道という感じで、表と裏の関係性だと思っています。
ヨウヘイ(岩崎さん)とは4年前からの友人です。元々ヨーロッパでサッカーをしていたこともありバイタリティに溢れ、フットワークが軽い印象です。私は一度調べて、様子を見てから動くところがありますが、彼は積極的に動いて人と関わっていけるので非常にエネルギッシュです。
菊谷さんとはリモートでのやり取りがほとんどですが、やさしい笑顔が印象的で、ホスピタリティに溢れた方です。お願いした仕事を隈なくこなし、また細かな気遣いができるのでいつも助けられています。
「社員」という感覚はあまりなく、皆さんそれぞれが独立し、それぞれがリーダーとして自発的に動いています。その日の活動も各々に任せていて、オフィスに来ても良し、リモートでも良し。裁量も大きいので個の経験やスキルを発揮するには充分な環境です。
Forbulとして、これから挑戦したいことを教えてください。
「TAKANOME」という日本酒をローンチして以降、多くのお客様に楽しんでいただき、軌道に乗ることが出来ました。今後はさらに日本酒の魅力を広めるべく、世界に発信していきたいと思っています。5月(2022年4月取材)にはカンヌ国際映画祭で「TAKANOME」をゲストに振る舞う機会をいただいています。Forbulにとっては世界への大きな一歩で、今から非常に楽しみにしています。
「お客様に最高の体験を味わっていただく」ことは現在も変わらない大きなテーマです。製造から流通、在庫管理、ECや広告やPR、カスタマーサポートまで、「お客様の口に入るまで」を最高の形でお届けしたいと思っています。
また、利益の使い方も重要です。私たちが取り組んでいるのは、職人やアーティスト、クリエイターへの支援です。たとえばRed Bulはスポーツ産業に投資し、エクストリームスポーツの隆盛に貢献しています。ブランディングとしても効果が得られていますし、そこで新たな需要や雇用を生み出しており、社会全体が豊かになるサイクルを実践しています。同じように、私たちも陶芸や工芸、ファッションなどの日本のものづくりをサポートし、「TAKANOME」を一端とした経済の循環を生み出していきたいと考えています。
メンバーの募集はその足がかりです。「文化で日本を豊かに」を目指す私たちのビジョンに共感し、共に走ってくれる方と仕事をしたいと考えています。