株式会社一井は2021年8月10日に、旅館「浜の雅亭一井」(以下、一井)の事業を承継しました。旅館にかかわるすべての資産と従業員を引き継ぎ、新しい経営陣のもとで旅館の事業再生に取り組んでいます。
2月1日から一井に新しく加わったゲストサービス部リーダーの西内仁美さんにこれまでのキャリアや働く価値観、これからの一井について考えていることについてインタビューをしました。インタビュアー:片桐陽(グッドハイブ株式会社 コンサルタント/株式会社一井 業務推進アドバイザー)。
人柄と熱意に惹かれて
片桐:西内さん、今日はよろしくお願いします!
西内:よろしくお願いします!
片桐:さっそくなんですが、まずは西内さんとお会いしたときのことを振り返ってみようかなと思います。はじめて西内さんにお会いしたのは、食事の席でしたね。
西内:そうですね。そのときは既に岡本さん(株式会社一井 代表取締役)とは会っていて「一井の再生チームメンバーとぜひ話を」ということで食事をしたときが、片桐さんとは初めまして、でしたね。もともと岡本さんのお父さんと私が知り合いで「息子がこんなことやっていて、絶対楽しいよ〜」って話を今から1年前くらいから聞いてました。
片桐:結構前から一井のことは知ってたんですね。
西内:最初は全く本気にしてなかったんですけどね(笑)
片桐:そうですよね(笑)飲みの席で聞いた話、みたいな感じですよね。
西内:そうそう。それでしばらく経ってから、もう1回その話を聞いて、そこで「あっ、本気だったんだ」って思って、じゃあ会って話聞きますよってことで岡本さんに初めて会いました。それで一井でどんなことをやっているかを詳しく聞きました。
片桐:なるほど。
西内:その後にジョインするしない関係なく、一井に1回泊まりに来てみて、率直な意見を聞かせてほしいってお願いされて、一井に試泊しに行きましたね。そのときはまだジョインしようって決めてたわけではなかったです。
片桐:西内さんの試泊の率直な感想を聞いて、みんな凹みました(笑)
西内:笑。そのあとも館内リニューアルの写真を共有したりしてもらってました。
片桐:うんうん。それで一井にジョインする決め手になったきっかっけってあったんですか?
西内:その後、岡本さんに、もう1回会って話がしたいって言われて、会ったときに「西内さんとやりたいことリスト1期2期3期」みたいな資料を作ってきてくれて、一井にジョインしてほしいって熱烈なプレゼンをしてもらいました。
片桐:その熱意が決め手になったと。
西内:そうですね。岡本さんの人柄と熱意が決め手になりました。
海外での生活から日本へ、そして東京から地方へ
片桐:次に西内さんのこれまでのキャリアについて聞いていきたいです。
西内:話すと長いですよ(笑)
片桐:じゃあ、重要なとこをメインに、ざっくりでお願いします!
西内:わかりました。高校卒業まではカナダ、メキシコ、チリで生活していました。なので日本のことをほとんど知らなくて、日本のことをもっと知りたいなと思って、日本に帰国しました。
片桐:なるほど。帰国子女なんですね。
西内:日本に帰ってきて、映画とか舞台とか演劇に興味があったので、日活芸術学院という専門学校に通いました。そこで演劇の勉強をしながら飲食店でアルバイトをしてました。専門学校を卒業してからは、汐留の高単価な創作和食居酒屋で働いて、その後はテレビ局でアルバイトをしていたつながりから、子どもたちがTV番組の制作体験をできる事業とかの立ち上げをやったりしてました。
片桐:既にすごい情報量ですね。
西内:それからは、海外の高級ブランドの現場の立て直しとかをやりました。そのときはすごく充実してて、楽しかったんですけど、東京の生活はもういいかなって思うようになりました。それで海外に転職するか、地方にいくかで迷ってました。
片桐:地方に興味を持ったきっかけは?
西内:たまたま仕事の空き時間に神社学を学んだことがあって、それがきっかけですね。「日本の地方に、まだまだいいところがいっぱいあるんじゃないかな」と思って地方に移住するのを決めました。
片桐:なるほど。それで地方で働いて生活するようになったんですね。
西内:それから色々なご縁があって、三重に来て、伊勢志摩のホテルで働いてました。
片桐:それで岡本に出会って今に至ると。
西内:そうそう。今までの経歴が多すぎて、履歴書の経歴欄に入りきらないんですよ!笑
片桐:笑。西内さんの多角的な視点は、これまでのいろいろな経験の中で培われたんだなってよくわかりました。
事業再生の現場に直面して
片桐:西内さんはこれまでに、海外の高級ブランドの立て直しとかもやってきたわけじゃないですか。そういった経験も踏まえて、今の一井の事業再生について感じていることを教えてください。
西内:一井でいちばん難しいのは、経営状況が悪かった昔の常識に染まってしまっている従業員を、新しい体制や、やり方にどうフィットさせていくのかだと感じてます。昔の常識があるのは、本人たちが悪いわけではないので、そこを否定しないようにしながら、再生させていくのは難しいなと。
片桐:なるほど。
西内:今まで私がやってきたは場合は、0から採用して、育ててみたいなことが多かったので、自分が思い描いているものを共有しやすかったんですが、一井ではそこが難しいと思います。
片桐:そうですね。どれくらいアクセルを踏み込みかってのも難しいところですよね。
西内:本人たちは悪くなくて、そうしてしまった昔の会社が悪いので、そこがやっぱり難しいところです。今までのやり方がおかしかったり、悪かったりといった意識がないので、今までの常識を変えていくのは大変だなと。
片桐:よくわかります。その中でやりがいや楽しいと感じるところはありますか?
西内:やりたいことをやらせてもらえているのは、すごく実感しています。私は正論をズバズバ言ってしまいがちなところがあるんですが、この会社ではそれに正面から向き合ってくれるし、試させてくれるじゃないですか。とりあえずやってみよう、って。それって意外と普通の会社だとできないことも多いんじゃないかなって思うので、ありがたいなと感じています。
片桐:たしかにそうですね。社長の岡本とも直接あれこれ議論できる空気がありますね。
西内:あとはいろんなバックグラウンドを持つ人が集まっているので、それが楽しいです。私は根っからの人好きで、いろんな考え方や価値観の人と出会うのが好きなので。自分が理解できないことが多い方が、面白いし楽しいなって思います。
仕事は楽しく自由であるべき
片桐:西内さんなりの仕事への向き合い方とか、働く価値観みたいなものはありますか?
西内:理想の働き方は、仕事は楽しく自由にですかね。
片桐:楽しそうに働いているようにみえますよ。
西内:あ、でも、自分が楽しいよりも周りが楽しい方が私はうれしいです。どうしたら周りのみんなが楽しく働けるかなっていつも考えてます。自己犠牲じゃないんですけど、自分の下についてくれているメンバーを自分の子どものように思うんですよね「うちの子たち」みたいな。なので、うちの子たちのために頑張る!みたいな感覚なんです。
片桐:なるほど。今後の一井で実現していきたいことはありますか?
西内:私もなんですけど、みんなも仕事もプライベートも充実できるようになるといいなって思ってます。やっぱりこの業界の働き方ってけっこう大変じゃないですか。朝早くから夜遅くまでってなったりすることもあるし。それを変えていきたいな。
片桐:僕たちもそれは変えていきたいと思ってます。業界の当たり前になってしまっている働き方を変えたいなと。
西内:お互いに思いやりのある組織にしたいですね。
どんな人と一緒に働きたいか
片桐:今後の一井でどんな人と一緒に働きたいですか?
西内:元気で楽しくお仕事できる人、かなぁ?あとはスピード感のある人、自分で考えて動ける人は今の一井にもっと必要ですよね。
片桐:同感です。
西内:あとは楽しいことが好きな人。ワクワクすることを一緒に考えられる人がいいなって思います。
片桐:そういう方が今後もジョインしてくれると嬉しいですね。今日はいろいろとお話を聞かせてくれてありがとうございました。これからも一緒に一井をいい宿にしていきましょうね。
西内:はい!ありがとうございました!
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