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【社長インタビュー後編】コミットについて

前編の記事はこちらから。

【社長インタビュー前編】コミットについて | 代表インタビュー
■プロフィール1968年長野県生まれ、青森県育ち。高校卒業後、就職。OA機器販売の営業として、入社9ヶ月目で手取り60万円超えを達成。その後友人の経営するシステム製作の会社に転職も、倒産。フリーランスエンジニアを経て、2003年コミット創業。 ...
https://www.wantedly.com/companies/comit/post_articles/463822

「恩送り」という文化は創業の時からの想い。

2003年に起業をしたものの、最初の2年間は会社としてやっていけるのかを判断するために、社員を採用せずに1人で活動していました。その後3年目にフリーのエンジニアに声をかけて入社してもらい、創業5年目の2007年には新卒採用を始めました。

新卒採用は大変なのは分かっていましたし、「中途の方が儲かるよ」と言われていましたが、そもそも私が起業をした理由は、人を育てたい、そのことによって業界に貢献していきたいという理由だったため、新卒採用を始めることに躊躇はありませんでした。ビジネスなのでお金儲けももちろん大事ですが、それだけのために事業をやっているのではありません。自分の稼ぎを採用や教育に回し、一流のエンジニアに育て上げるという気持ちでやっていました。

こう思うのも、自分がエンジニアをやる中で、多くの先輩方に助けてもらったという原体験に起因しています。フリーで働き始めたとき、業界の先輩方に様々なことを教えてもらい、助けてもらいました。これからの人生でその先輩たちに恩を返したいと思ったんです。

起業を考えた際に、当然その先輩たちと同じ会社に所属するわけではないので、恩を返せないと悩んでいたのですが、先輩たちから「それは後輩に返せばいい。自分たちに返すのではなく業界全体に返していけばいい」と言っていただいたんですよね。そこから「恩送り」をしよう、新卒として社会に出てくる人間をしっかり育てて社会に貢献できる人材にしていこう、という文化が始まりました。

「お客さま第一」をどうしたら実現できるか。

2023年で創業20年になりますが、創業以来「お客さま第一」を大事にしてきました。お客さまに喜んでもらえればリピートに繋がりますし、仲間になっていくことができます。お客さまも我々と仕事をして良い未来、良いシステムを作って行きたいと考えており、目指すべき方向性は同じですから、パートナーとして貢献できることを考え続けることが、長くお客様のパートナーとして働き続けるための秘訣だと思っています。

とはいえ実際には難しいです。責任は取りたくないとか、大変だったら嫌だなとか、そういう弱い自分がいると思います。私の中にもいます。でも、それを乗り越えて、どうやったら課題が解決できるかを考え続けることで、新しいアイデアが出、そのことで課題の解決ができ、そして仕事が楽しくなる…。その繰り返しでお客さま第一が実現できるようになるのだと思います。

私がエンジニアとしてお客さま第一を実現するために気をつけていたのは、今だけではなく長期的に考えること。その仕事のその先を考えるんです。次の工程や、サービスを開始した時には1年後、2年後、3年後…。そうやって先のことを考えていく中で、「今はこのやり方で良いのかもしれないが、未来はそれで良いのか」「(今あるシステムについても)これで良いのか」と常に問い続けることにつながります。そうすることでよりよいシステムの開発につながり、結果的にお客様第一になる。

ただ、気をつけなければいけないのは、目の前のシステムだけ見ていてはダメだということ。外部環境や自分の業務外まで含めて、俯瞰的に考え、周りを巻き込んでそれを実現していく…。そういう姿勢を大事にしています。

コミットが大事にしている考え方について。

コミットは会社のバリューとして、

  • 目的思考
  • 準備万全
  • 孝行承継
  • 恩送り

の4つを掲げています。

1つずつ説明していきますが、まず目的思考。お客様第一はもちろんそうなのですが、テスト1つ取ってもその目的は何なのか、目的の実現のためにどのような行動をすればよいのか考える必要があります。ただ言われたからとか、なんとなくとか、好き/楽しいからという理由で手順を“こなし”ていては、成果に繋がらないと私は考えています。

2つ目の準備万全はまさしく文字通りで、計画を緻密に立て、物事を進めることです。やるべきことを整理し、そこに向かって1つ1つ積み上げていく。場当たり的に進める仕事もまた、成果に繋がらないと考えます。

3つ目は孝行承継。これは私の造語なのですが、考え方を残すような仕事をするということです。現場で指示をいただく際、「手順書があるからそれを見てやると良いよ」と言われることが多かったのですが、何故その通りにやれば良いのかの理由や目的が分からないことがありました。そうすると、改善しようと思った際に背景がわからないため、どう改善していいかが当然分からない訳です。チームで仕事をする環境であるからこそ、背景を分かった上で仕事をすることで、より業務がスムーズに進められ、成功や成果に繋がると考えています。

最後は恩送り。これもコミット独自で、育ててもらった先輩が後輩を育てることで恩を送っていく。それによって若手が活躍できる場所を作っていきたいという考え方です。昔先輩に、「成功したかったら100人応援して、100人の人を成功させなさい。そして自分が101人目になった時に、やりたいことを伝えたら、100人の成功者が応援者になってくれるよ」と言われたのですが、そうやってお互いがお互いの応援者になることが、会社の成長につながるのではないかと考えています。

私たちの仕事は、基本的にチームで仕事を行うため、チームワークはもちろん大事なのですが、違う意見がぶつかり合うことで、1人ではできないことが実現できると考えています。コミットは新卒採用を積極的に行っていること、そして先輩が後輩を教える文化が根づいていることで、和気あいあいながらもプロとしての仕事ができており、そのことが直近5年の新卒定着率92%といった実際の数字にも現れています。

コミットの行っている事業について。

コミットが最も得意とするのはシステムインフラの開発です。具体的には銀行や官公庁の大規模システムの、コンピュータの環境設計およびアプリケーションが動作するような方式の設計・その構築および運用を担っています。

日本最大のSIer、NTTデータのパートナーとして国民に影響を与えるようなプロジェクトを一緒に行っており、その技術力とチームワークを強みとしています。

もう1つの柱となるのはGrooowというクラウドPCの自社サービスです。元々Grooowは、2008年に自分自身もエンジニアとしてプロジェクトに参画している際に、セキュリティを大事にしながら会社の仕事も行いたいと思ったところから始まりました。

ローカルのPCの中身をまるごとクラウドに載せ、会社にあるサーバーやアプリケーションも全て載せることで、テレビのように使えるサービスです。これによって、場所にとらわれず働くことができるだけではなく、パソコンそのものには業務データを一切置かないため、会社の重要な情報資産を守ることができます。また、働く人の労働時間の管理も可能なので、テレワークによる働きすぎの防止を実現や、IPO(新規上場)を目指す起業のセキュリティ管理、労務管理に役立てることが可能です。

可能性のある事業。これからもっと成長させていきたい。

クラウド化やAIの発展という動きの中で、これから更に技術的な発展が見込めると考えています。Grooowについても働き方や働く場所の多様化により、情報セキュリティや労務管理はより重要になると考えます。

GrooowではAVD(Azure Virtual Desktop)などのMicrosoftの新しい技術を積極的に取り入れていくことで、よりコストを下げ、多くの方に使ってもらえるようにしていきたいと思っています

システム開発においては、プロジェクト管理者を育成するような教育プログラムを開発し、ゆくゆくは社内だけでなく、業界全体に広めて多くの方々に広く使っていただきたいと考えています。技術的な部分で言えばjavaの各種資格、CCNA、LPICというように資格として体系的に身につけるべき知識の型は整備されていますが、システムの流れはプロジェクトの中で覚えていくしかないんですよね。個々のノウハウになってしまっている。

コミットはこれまで20年間大手SIerと一緒に大規模システムの要件定義からテスト保守・維持まで携わってきました。そのノウハウを体系化し、教育し、より業界で活躍できる人材を輩出していきたいと考えています。

現在転職活動をしている方へ向けて。

会社は学校ではありません。もちろんコミットは同規模の会社と比べ、研修は充実しており、成長のための手助けはいたしますが、「全部教えてくれて、教えられたことをやれば良い」という考えの方は当社には向いていないと思います。

これから先、皆さんは50年以上働き続けることになると思います。その中で起きている時間のほとんどは仕事に費やすわけです。その時間が楽しくないと、人生楽しくないですよね。仕事の時間を楽しむために自分自身を成長させるだけではなく、仲間を増やし評価されるような人間関係も構築していく必要があります。

私の考える就職活動のポイントとしては、3つあります。1つ目は、その業界やその会社のあり方について興味を持てるかということ。興味がないことに対して努力したり楽しんだりすることはしんどいです。

2つ目は、働く仲間が自分と合っているか。家族より長い時間を過ごす人たちなので、その仲間が自分と気が合うか、合わせていけるかは非常に重要です。社会に出ると50歳、60歳の人たちとも、同じ空間で同じ目標で頑張らないといけないわけです。そこで自分が出せないとうまくやっていけないと思います。

最後は、名前で就職したり、条件で就職したりを極力しないほうが良いのではと思います。条件は自分が頑張れば変わる。頑張れないと条件は変わらないです。その会社なら給料が高いということはあるかもしれませんが、それ以上に興味・関心があって楽しみがあれば、安い給料の環境を変えたりもできます。夢もあれば、やっていて楽しいんです。楽しいを第一に考えて会社選択をしてもらえると良いと思います。

頑張ってください。

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