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【営業部門】求められるのは、経営視点。多くの人に向きあうからこそ本質的な課題解決ができる。

高山 隼領
2016年入社

新卒で人材紹介事業を展開するスタートアップに入社。
入社3年目で拠点の立ち上げを任され、マーケット開拓やメンバーの採用など、幅広い業務を経験。
2016年にセルムに入社。関西支社を経て、東京に異動。2023年から自らの営業Unitを立ち上げた。

企業と学生の架け橋に。自分にしかないできない方法を模索。

――前職に関して教えてください。

新卒人材紹介事業を展開するスタートアップでした。東京で2年、新卒人材紹介関連の仕事に挑戦し、3年目からは大阪の拠点の立ち上げを任されました。顧客の新規開拓はもちろん、拠点メンバーの採用など幅広い業務を経験しましたね。

――当時の顧客層は?

7~8割は中堅、中小企業でしたね。新卒マーケットでは求人媒体を持つ大手企業の影響がとても大きいです。しかし、掲載するだけでも高額で、結果的に採用できるかも不明。そのような課題も踏まえて、「自分たちの思いに共感してくれる人材を求めている企業」と、「イキイキと働き輝ける舞台を求めている学生」のマッチングが図れるよう努力しました。自分が介在することでしか生まれない価値を生み出そうと奮闘していました。

入社後すぐに顧客に向き合い 仕事ができる分、成長のスピードが桁違いです。

――転職を考えた理由は何ですか?

前職に入社する際から、「いい人材が企業に入れば、企業が強くなる」と信じていました。更にそれだけではなく、いい人材が「良い環境で、正しく働けること」も肝要だと考えるようになり、人材紹介以外の業界を考えました。

――転職の際に大切にしたことはありますか?

「企業の競争力を高められる仕事」という軸はぶらさずにいきたいと考え、そのために自分が持ちうる「引き出し」をもっと増やせる場所を探しました。しかし、明確にどの企業、どの仕事と決めていたわけではなかったので、戦略系やIT系のコンサルティングファームなど、色々な企業を見ていました。

――セルムとの出会いは?

転職活動をする中で、候補として紹介されたのがセルムでした。実は新卒の際に選考を受けており、存在は知っていました。当時のセルムの関西支社は「人材でもない。戦略でもない。お客様のためなら何でもやる。」という発信をしており、このスタンスに惹かれました。

――入社の決め手は何ですか?

若手であっても「戦略コンサルのパートナー経験者と仕事ができる」「大手企業の上位層と協業できる」と聞いて、成長のスピードが桁違いだと感じ、入社を決意しました。また、入社して感じたことなのですが、セルムの魅力は「顧客とのリレーションを自身が直接作ることができる点」です。例えば、コンサルティングファームであればアナリストからスタートし、徐々にポジションをあげていきますが、入社してからシニアに昇格するまでは顧客とのリレーション作りの責任を持つ機会は少ないと思います。どのフェーズであっても顧客接点を通じて成長していきたいと考える自分にとって、セルムで自ら顧客とのリレーション作りの責任を負う機会に恵まれていることは、成長に大きなインパクトがあると捉えています。

顧客との境界線が溶けていく。自分らしい提案を行い、社会にインパクトを与える。

――入社後の仕事内容を教えてください。

まず関西支社に5年間所属し、メーカー、ハウスメーカー、インフラ企業に向き合いました。その後、2021年に東京の営業組織に異動。通信、食品、エネルギー、金融など、様々な業界企業を担当しています。

――セルムの営業は、どんな特徴がありますか?

3つあります。1つ目は、国内有数の大手企業に向き合う点です。このため、自分の仕事の「社会的なインパクト」が実感できます。2つ目は「インサイダーになれること」でしょうか。1社ごとに本当に深く入っていくので、顧客とベンダーという境界線が溶けていく感覚が強いですね。最後の点は、企画・提案していく際の「深みと幅」。顧客の内部を理解すればするほど見え方が変わってきますし、それに連動して提案方法も変わってきます。自分らしい設定や提案が常に模索できるので、飽きることもありません。

――記憶に残っているプロジェクトを教えてください。

総合電機メーカーでの組織変革に関わる全般的な支援を担当しました。背景として、ある事業部が海外の企業に買収されることになったのです。それをきっかけに、「仕事の進め方を抜本的に変えたい」という相談を受けました。

――課題や問題はどんなものでしたか?

その事業部はそれまでとても苦しい状況にありました。そのなかで、新しい取り組みよりもコストカットなどの合理性が重要されていたのです。しかし、海外企業による買収で180度、求められることが変わりました。買収した企業にとっては、この事業が経営の軸。より挑戦的に、成長していく組織変革が求められたのです。現場の実態や、複雑な人と組織の関係性も理解したうえで、「意識変革」「組織カルチャーの変革」につながる施策を提案し、顧客も手応えを感じる結果へと導くことができました。

困難から逃げない。どんな状況になっても最後まで向きあう。

――前職時代との違いはありますか?

やはり、向き合う企業すべてが大手という点でしょうか。さまざまなステークホルダーがいますし、事業部人事(HRBP = Human Resource Business Partner)もいれば本社人事もいます。そして、人事と事業部門の関係性も様々です。関係性などを考慮して、スムーズにいくためのコミュニケーションが必要です。

――大手企業に向き合う営業の大変な点はありますか。

シンプルに、逃げることができません。前職時代は新規開拓をして、顧客を自分で見つけていましたし、どの顧客と付き合っていくかも自分次第でした。大手企業の深耕営業では担当顧客に向き合い続ける胆力が必要です。大手企業を担当できることの面白さは無数にありますが、この点は合う、合わないが分かれるかもしれません。

――外部のプロフェッショナルタレントとの関係性も重要でしょうか。

セルムの営業一人の力で課題解決を全て図ることは難しいため、外部のプロフェッショナルの方の力をお借りします。一人ひとりがスペシャリティを持ち、とても個性が強い方々です。重要なことは、企業の課題解決はもちろん、外部のプロフェッショナルの皆さまの実現したいことも叶えるということ。顧客、外部プロフェッショナル、セルムの三者が同じゴールを目指しながら、各々の目標を達成できるよう牽引することが重要です。

本質的な課題解決に近道はない。様々な接点からの情報収集が生命線。

――経営視点での提案がより必要になっていますか。

そうですね。経営課題を理解していないと、提案をするにせよ、何を実現するべきかが分からなくなると思います。例えば、「営業の数字が伸びない」と顧客から相談を受けたとします。
この場合、例えば「営業ロールプレイングで受注率をあげましょう」という提案を最短で行うことも可能に思えます。しかし、「販売している製品の価値」「その事業部の方向性」などを知っていくと、「営業の動き方自体を抜本的に変えることの方が課題解決に直結する」といったように、本質的課題から逆算して組み立てると提案の深みが変わっていきます。

更に、全社方針を俯瞰的に見ていくことも重要です。例えば、全社の中でのその事業部の位置付けや、「“今は赤字のため余計なコストは出さない”という方針がある」という点が理解できれば、「短期的な営業改善のための研修などは提案しない」という決断になることもありえます。担当者に刺さる提案だけではなく、真に顧客の課題に食い込む提案とは何か?という視点が重要です。

――こういった提案で重要な点は何ですか?

とにかく情報収集ですね。公開情報だけでなく、人事部門以外の現場の方、経営層など、様々なポジションのリアルな意見を徹底的に収集することが欠かせません。課題設定の起点をどこに置くのかで大きく変わってくるので、あらゆる情報をつなげていく自身の活動が生命線といっても過言ではありません。

――この観点で参考になりそうなプロジェクトを教えてください。

ある企業から経営人材候補のアセスメント(評価)の相談がありました。「よいツールを提案してほしい」というものです。更に聞いていくと、その企業が「サクセッションプラン(後継者育成計画)策定」を進めており、全体の戦略をとあるコンサルティングファームが担っていることがわかりました。そして、「グローバルな他社事例を正解として進められていることへの不安」や「上層部での意思決定プロセスの課題」など、様々な問題がでてきたのです。

もともとはサクセッションプラン策定のプロセスの中の「アセスメント」だけを切り出してご相談があったものですが、見えてきた課題をもとにより踏み込んだご提案を行いました。その中で、我々の泥臭い部分も含めた伴走や、実務的で柔軟に対応できる点をご理解いただき、元々セルムに依頼する予定だった範囲より幅広いスコープで起用いただくことになりました。顧客の社内で起こる衝突や、不条理な状況なども含めて理解し、真の課題を掘り下げることができたからこそ、よりよい方向へ導くことができました。

グループ経営のあり方に新しい考えを。セルムだからこその価値を創っていきたい。

――今後の目標を教えてください。

2023年4月から、自分の営業Unitを立ち上げました。取り組みたいミッションは、「グループ経営の価値を最大化する」。例えば、ホールディングス(持株会社)とその傘下に事業子会社がある場合、ホールディングスと各事業子会社の関係性が重要です。私は特に「遠心力」と「求心力」のバランスが重要だと考えています。各事業子会社に権限移譲して遠心力を効かせつつ、グループのブランドや一体感などの求心力も必要となる。権限移譲の度合い、ブランディングの方向性、グループガバナンスといった点は複数の事業を抱える大手企業では、事業戦略と組織戦略を同期させるうえで重要な課題です。

この課題に対して、グループガバナンスを強く効かせるだけではなく、「グループ共通のルールやパーパスの策定」、「事業会社の裁量の設計(自立性の高い経営を行う)」といった取り組みがより重要視されています。また、個社固有の企業としての在り方が問われるこの課題には、セルムの価値発揮ポイントも多くあると考えています。これから新しい挑戦をしていきたいですね。

謙虚でありつつも高い視座を持つ。最終的な目的をぶらさない。

――この仕事で活躍するために、必要なことは何ですか?

「謙虚さ」だと思います。その一方、経験や専門知識は、あまり重要ではないかもしれません。プロジェクトで協業する外部のプロフェッショナルタレントのように、専門性を持った人材は世の中に沢山います。セルムのメンバーとして求められるのは、本質的な課題を顧客から引き出し、その解決方法を外部のプロフェッショナルも巻き込んで考えることです。多くの関係者の架け橋となり活躍するため、常に謙虚な姿勢で、学び、聞き、話すことがとても重要だと思います。

――セルムではよく「オーナーシップ」という言葉を聞きますね。

この姿勢は欠かせないですね。さきほど「顧客から逃げない」と言いましたが、プロジェクトを進める中では、様々な予期せぬことが発生します。時には、自分以外の要因で上手くいかないこともあるのです。そのときに他責にするのは簡単です。しかし、どんなことが起きても逃げずに向き合う、自分が起点となって考えるのが大事なスタンスです。

――そのほかに必要な視点はありますか?

人・組織の課題を常に経営・事業課題とつなげて考えることだと思います。研修に参加した方の変化や、喜ぶ姿には感動します。ですが、その場面の手ごたえで自分が満たされるだけでは意味がありません。最終的な私たちの目標は、人を変え、組織を変え、企業を変え、社会を変えることです。そのために、謙虚でありつつも高い視座を持ち、挑戦していきたいです。

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