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キーエンスで営業、コンサルティングエンジニアとして活躍されていた三輪亮介さんが入社されました!
中南米で過ごした幼少期時代から感じていた「JAPANブランド」。誇りを感じていた日本のモノづくりが海外に押され、ゆっくりと衰退している現状に対し、もう一度モノづくり日本を盛り上げたいと感じていた三輪さん。
モノづくりへの思いや、前職の経験や背景などをインタビューしました!
モノづくりへの熱意から選んだ、キーエンス
──まずは三輪さんのこれまでの歩みについてお伺いできればと思うのですが、元々、日本のモノづくりに強い憧れを抱かれていたのだとか?
はい。私は中学生まで、外交官である父の仕事の都合で中南米で生活していたのですが、印象深かったのは現地の人たちが日本に対して強い憧れを抱いていたことです。(現地の製品と比べて)日本製の洗濯機などの電化製品は品質が良く故障しにくいし、プレステは憧れの的でした。
そんな環境で育ったこともあり、幼い頃から「日本のモノづくり」に関しては自然と誇りを感じていたと思います。
──新卒では、計測機器などの開発や販売を行う㈱キーエンスに入社されたんですよね?
はい。最初は友人のすすめで受けてみたのですが、選考を受ける中でキーエンスの高い利益還元率とそれを担保する仕組みに興味を持ちました。根底にはモノづくりへの関心があったのかもしれません。
入社してすぐは仙台に派遣され、自動化検査用の2次元/3次元カメラ、ラインカメラの営業をしていました。その後は愛知に異動となり、大手自動車メーカーなどを対象に、2次元カメラの営業、販売、プログラミングを担当しました。
──具体的にお客様に対して、どのような価値を提供していたのでしょうか?詳細を教えてください。
当時は、中部地方のほとんどの大手事業者やメーカーさんと取引があり、検査に使用するカメラ提案から取り付け、検査のプログラミングに関するサポートに至るまで、すべての分野をひとりで担当していました。他にも次世代の電気自動車の開発に関わっていたため、「モーターや電池、インバーターなどの検査方法をどのように設計すればいいのか」という質問に対しての意見を求められることも多かったです。
その後は、キーエンス社内で実施される技術力を試される社内テストをクリアしたことで、大阪本社にある3次元カメラ専門の新部署で、プログラミングサポート職として配属されました。
──プログラミングサポート職というと、具体的にはどのようなことをされるのでしょう?
CASE(Connected、Autonomous、Shared & Services、Electricの頭文字をとった造語)案件の自動化検査用3次元カメラの販売・プログラミングに関わるサポートがメインですね。ただ私の場合は、その前段階である装置全体のサポートに関わることが多くありました。
──「装置全体のサポート」というと…?
装置がどのように動くのか、また、どういう検査があれば効率よく不良を弾くことができるのか……など、装置をつくる前工程の段階でサポートをする仕事です。「そもそもこの検査はなぜ必要なのか?」という前提から考え、不良率を下げたり、生産自体の質をあげるためにはどうすべきかを常に考えるような仕事でした。
3次元カメラで高さ製品を検査する際は、OK/NGの基準(公差)があります。ある面を基準として、高さが〇〇μ以上高い、体積が〇〇㎣以上ある、などです。でも、よくよく担当者さんと話してみると、お客様は「そんなに高い基準じゃなくてもいい」と実は数字自体に明確な理由がないことも多いということを知って。これまでがそうだったからと、積み上げられただけの基準であったことがわかったんです。
元々は2000万円くらいの予算を提示していた案件も、顧客の希望を必要最低限に満たせることを前提においた提案に切り替えて、200万円くらいで抑えられた例も実際にあります。
製造業の精密さと、精密さに甘えない志に感銘を受けた
──様々な場所に配属され、活動されていた三輪さんですが、働いていて自分のステージが変わったなと感じる経験などはありましたか?
大阪本社に配属されてからの経験は、ステージが変わったなと感じることが多くありました。それまでは各社個別のお客様の従来のやり方に対して改善提案することが多かったのですが、本社に配属されてからは自動車業界全体に対して検査の提案をすることが増えたため、個別に提案するのとはまた違ったプレッシャーがありましたね。
特にパイロット部品などに関しては、従来の検査方法ではなく、これから5年先でも主流になるような未来の検査方法を提案することになったため、当然ですが責任感も増しました。
──壁にぶつかることはありましたか?
検査項目の数が膨大な場合に、どこまで検査をするべきかなどの基準を決めたり、「ひとつのカメラだけで、できるだけ多くの部分を検査したい」といったお客様の要望に応えるために奮闘したり、悩むことも多くありましたね。
そんな時は、実際に現場に足を運んで、丸一日検査の工程を見るようにしていました。するとお客様が設計図や理論上、必要だと判断している検査も、「現場においては不要なのでは?」と気づくこともできました。その改善ポイントを指摘し、丁寧に説明することで、最終的には検査の項目範囲をお客様の要望に沿って増減させるなど、本当に必要かつ価値のある提案ができるようになったと思います。
──現場主義の働きかけですね。踏み込んで提案するとなると時に摩擦が生まれるリスクもあるような気がするのですがそのようなことはなかったですか?
私自身はあまり感じませんでした。丁寧な説明と、時間をかけてポイントを整理し伝える努力をすれば、相手も理解してくれると信じています。また、現場では少なからず「今の状況を改善したい」と感じている人が多いので、理解を示してくれることのほうが多かったです。お客様には「ほんとにいつも現場にいるよね」と言われていましたが、それも結果に影響したのかもしれません(笑)
──ありがとうございます。今、前職を振り返ってみてどうですか?
キーエンスでの4年半、目の前のことをしっかりやり続けていくその過程で、どんどん製造業を好きになりましたね。
製造業って本当にたくさんの人達が関わって、ひとつのものが出来上がっていくじゃないですか。自動車なんてその最たる例だと思うのですが、いろんな場所で多くの人が関わり、生まれた部品がピタッとハマってひとつの自動車が完成するのは、まるで壮大なストーリーを見ているような気持ちでした。
また、実際に検査のプログラムを組む上で、ちょっとでも危ないと判断するものは弾く設定にしているのですが、1日で5000もの生産数を生み出す24時間フル稼働の製造工場でも1年を通してはじかれる不良は、実は2,3点ほどなんです。
これほど低確率であるという事実にも関わらず、現場の方たちは全員「より厳しい検査をしなければ」という高い意識を持っていますし、それを徹底されています。その製造業の精密さと、精密さに決して甘えない高い志に感銘を受けましたね。職人さんたちのプロフェッショナルさには、前職を離れた今も頭が上がりません。
入社の決め手は、自分の目標に対して“熱く語り合える”人がいたから
── 三輪さんがキャディに転職した理由はなんですか?
転職のきっかけは、結婚ですね。前職は岐阜、愛知、大阪…と移動も多く、月の半分以上は出張をしている生活で、ワークバランスのためにも転職をしようと思いました。
自分で転職サイトを見てもあまりピンとくるものがなかったのですが、友人が面白い製造業スタートアップがあるということで、紹介してくれたのがキャディでした。まずは話を聞いてみようかな、と。
──「面白そう」というのは、キャディのどの部分に魅力を感じたのですか?
「製造業の負の連鎖をなんとかしたい、ポテンシャルを解放したい」というミッションに共感しました。
前職で、加工会社の方たちが実際にカメラを導入したいと思っても、値段が高く導入できないジレンマを抱えていたり、お金で諦めざる負えない状況を肌身で感じていたこともあり……。
構造上のしがらみによって低利益や不安定な経営状況に追いやられ、やりたいことも思うように叶わない。そういった現状にメスを入れ、産業革命をしようとしているキャディを純粋に応援したいという気持ちになりました。
──キャディにいくことはすぐに決めたんですか?
自分でキャディのHPを見たり、社内の人が登壇している動画などを見ていくうちに、だんだんと転職への熱量が上がっていった感じでしたね。
代表の加藤や面談などで接点のあった人たちが自分と同年代の20代後半だったこともあり、「同年代の人達が製造業の改革を志している」ということにも、刺激を受けました。
ただ、当時前職から中部地方全体の数字見ることができるポジションを提示されていたこともあり、転職するかどうかはしばらく悩んだんです。
──そんな中で、最後にキャディに転職を決めた瞬間はいつだったんでしょう?
内定後、一度お話しましょうということで、東京のあるホテルのロビーに伺ったんです。ただ、その際にお話しする予定だった2名が参加していた直前の会議が伸びてしまっていて、結局目の前で20分くらい待たされたんですよ(笑)。
その日は日曜日の夜だったんですが、待っているときに「日曜日の夜でも電話会議で熱く議論をして、こんなに楽しそうに仕事をしているのっていいな〜」って思ったんですよね。
──えぇ!そこが決め手だったんですか(笑)?
はい(笑)。前職にはほとんど不満はありませんでしたが、欲を言えば、みんながもっと楽しそうに仕事をしていればいいのになと思う点があって。
前職は新しいものをたくさん売っていましたし、製造業に価値観を提供している会社ではあったんですが、結果至上主義な部分もあり。キャディの人たちが楽しそうに電話会議をしている姿を見ていいなとワクワクしました。
自分の目標に対して熱く語り合えることって、なかなか大手企業ではないことだと思うんですよ。そこがキャディにはあるなと思えたのが、転職を決めた一番の理由ですね。
──ありがとうございます。今はキャディでどのような仕事に関わっているのでしょうか?
いまは重要顧客に対する営業や、案件や生産などの管理担うCX(カスタマーエクスペリエンス)にいます。前職で自動車グループ全体を見ていたこともあり、現在の部署へ配属されました。
──配属先でのミッションなどはありますか?
安定的に必要な金属加工部品を、求められる品質で納品することが一番大きいと思います。部品の制作のみならず、組み立てまでお任せいただく案件も増えているので、調達工程をまるっとキャディで置き換えてお客様の取引コストを下げていくという、キャディならではのインパクトのある価値を提供していきたいです。
今後より本質的な価値を提供していくためにも、顧客の経営者層と生産計画を握りにいくところまで踏み込んでいってますが、お互い信頼し情報を開示し合うことでお客様にとって一つのサプライヤーという域を超えて「経営パートナー」として昇華していくことに、全社一丸で取り組んでいます。
──今後、どのようなことをやっていきたいなどの希望はありますか?
まだ社内向けの開発段階で表には出ていないのですが、サプライパートナー側の生産管理システムの構想は、すごくワクワクしますね。
今は優秀な人達が一定泥臭くもオペレーションを回してキャディを支えていますが、それを仕組み化していくことで飛躍的に発展していく未来が見えますし、それは結果としてお客様やパートナー様が求めている未来に一歩ずつ近づいていくことだと思うので、思いを込めてやっていきたいです。
──三輪さん自身がキャディの中でこういう価値を出していきたいというイメージはありますか?
やはり自分の得意領域である検査装置に関する部分で価値を提供していきたいですね。
実は今、画像検査装置の案件があるのですが、個人的に検査装置が好きなので、すごくテンションがあがっています(笑)
検査装置って究極的な話、 0.01%の不良を逃さないための装置だと思っていて、モノづくりのプライドがそこに詰まっていると感じるんですよね。幼い頃に中南米で育った背景が、そういう日本のモノづくりや職人の方のプライドに、憧れを抱かせているのかもしれません。
──最後になりますが、今後キャディを志望する方にメッセージなどあればお願いします!
私がキャディに入社を決めた理由は、「同じ思いを持った人たちと同じ熱量をもったところで働きたい」という気持ちからでした。前職で働いた経験からも、仕事は最終的に「誰と働きたいのか」というところに尽きる気がしています。
少しでも日本人であることに誇りをもったことがある人や、日本のモノづくりに興味のある人、その話題について熱くなれる人と話がしたいなと思いますね。
Photo by Taiga Yamazaki