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キーエンス →リクルート→キャディ。大手2社の経験を総動員して、モノづくり産業の未来を創る

「意思決定のスピード感が今までの2社とまるで違う。このスピードなら、モノづくり産業を変えられると思ったんです」そう語るのは、カスタマーサクセス推進グループをリードする松藤薫。

「施策を思いついたその日に実行に移して、すぐにお客さまから反応がくるのがおもしろくて仕方ないんです」キャディに携わるようになって3か月ですでに40を超える施策を打ち出してきました。そのアイデアの源泉はどこにあるのでしょうか?

松藤のこれまでのキャリアや、大企業と比較して感じるキャディのスピード感、そして彼自身のアイデアの源泉について話を聞きます。

カスタマーの課題に寄り添い、キャディの事業開発を牽引する「アカウントセールスグループ」とは | キャディ株式会社
"アカウントセールスには「カスタマーの課題に寄り添う力」と「サービス理解」が欠かせません" ── こう語るのは受発注プラットフォームの需要サイドの拡大を担う「アカウントセールス(AS)」グループ マネージャーの松藤 薫です。 キャディのチーム紹介シリーズ企画第3弾。ASグループについて松藤のインタビューをお送りします! [ご参考]松藤がキャディに参画した経緯についてはコチラ ── ...
https://www.wantedly.com/companies/caddi/post_articles/181478


キャディの価値を最大化するために、アイデアを即実行に移す

――インタビュー、よろしくお願いします!改めて、現在の仕事内容を教えていただけますか?

カスタマーサクセスの営業推進と、CSC(カスタマーサクセスコミュニケーション)のグループマネージャーをしています。金属加工の受発注プラットフォームであるキャディでは、主に2つのステークホルダーの間に立っています。金属加工部品を発注するメーカーさんと、パートナーと呼んでいる加工会社(町工場)さんです。私が担当するカスタマーとは、前者の企業様をさしています。キャディを知っていただくところから、見積もりを依頼、発注までを円滑に進められるよう対応します。

――具体的には、どのようなお仕事内容なのでしょうか?

カスタマーサクセスの営業推進マネージャーとしては、獲得したリードに対するアプローチを考えます。展示会後にホットリードに対してすぐに電話フォローする体制を構築したり、サービスサイトの利便性向上のために追加すべきコンテンツを考えたり。電話やメールからサイト作成まで、手段を問わず、キャディに触れていただく機会の最大化を目指しています。

CSC(カスタマーサクセスコミュニケーション)マネージャーとしては、お客様に見積もりの作成をご依頼いただいた段階から実際の発注につながる確率を高めるための施策を考え実行します。例えば、キャディを初めてご利用するお客さまは、自社の品質基準に合う製品が初回からちゃんと納品されるかどうかに少なからず懸念をもっていらっしゃるケースが多いため、特にまとまった個数の発注にはハードルを感じる傾向にあります。その場合、試作品を1、2個からお試しでご発注していただくことが多いのですが、少量だと既存の加工会社さんと比べた時に割高になってしまう場合もあります。

そこで、見積もりに書いてある数量が1個だったとしても、10個や30個のパターンの見積もりも併せて作るようにしました。「お試しで1個ご発注いただいたと思うのですが、実はもっと個数が必要なのではないかと考えまして。個数を増やした場合の見積もりも良ければお目通しください」とお渡しするようにしたところ、「1個だと割高だが、個数が増えるとメリットのある価格」とお客さまから好意的なフィードバックをいただけるようになりました。

――カスタマーの体験を向上させる上で、大切にしていることはなんですか?

いかにお客さまの部品発注に関する手間を省けるかを重視しています。
製造業界の課題として、部品調達の担当者にかかる負担が大きいことがあげられます。

例えば、多くのメーカーにおいて、特注の金属加工部品の調達担当者は月間に平均2000点もの図面を捌かなければならないといわれています。そんな膨大な量をさばく必要がある中、本来であれば一点一点の部品についてその加工ごとに最適な町工場を探せればベストなんですが、それは時間の制約上ほぼ不可能なんです。ですから昔馴染みのいくつかの町工場に100枚、200枚をまるっと見積もりをとって、一番安い町工場に発注するという昔ながらの慣行が長いこと続いています。

町工場にとっては、自分が得意とする加工以外もまとめて引き受けなければならず、無理して自社で引き受けるか、それが可能なところに外注するかしかなかったため、結果コストは上がるものの、品質は落ち納期はのびるという、両者にとってよくない業界構造になってしまっていたんです。

この受発注の間にキャディが入ることで、お客さまはキャディに丸ごと案件をお任せいただければ、あとは納品を待つだけでいい。キャディがそれぞれの部品を最適な町工場に発注し、納品まで管理します。私は、何百もの部品を調達するお客さまの「面倒」をキャディが代わりに引き受けることが、お客さまにとっての「キャディを選ぶ理由」になっていると考えています。

――カスタマーの体験全体を監修するポジションとして、マーケティング的な動き方やインサイドセールス的な動き方など、幅広く担っていると思うのですが、松藤さん発信の施策の数も、かなり多い印象を抱いています!

ありがとうございます。私がキャディに携わるようになって3か月ほどですが、この間に40~50ほどの施策を打ち出しています。打ち出した施策には、お取引の履歴のあるお客さまに新機能リリースのお知らせなどを送るメールマーケティングや、お問い合わせいただいたお客さまにキャディへの信頼感を向上させるオンボーディング施策などがあります。

発案した施策はだいたいその日のうちに経営陣からのゴーサインをもらっています。意思決定のスピードが恐ろしく速いですよね。大企業2社では経験できなかったスピード感です。高速で施策を打ち、お客さまからの反応もダイレクトにもらえる環境にいることに、やりがいを感じています。

――3か月で40~50とはすごい数ですね。施策をそれだけ打ち出す秘訣はあるんですか?

日頃から、インプットを多くするように意識しています。 例えば、休みの日にカフェで12冊の本を一気に読んだり、国会図書館にこもって本や論文を読んだり。

ただ、どんなにインプットしても、そのまま現場で使えるものはほとんどありません。得た知識は抽象的に捉えていることが多く、いざ実践や具体に落としこもうとすると実は使い勝手が悪かったり。これは前職までで得た知識やスキルでも同じことが当てはまりますが、それらをどうアレンジすれば今のキャディでワークするかを考えること、つまりインプットをアウトプットする際のチューニングが非常に大切です。

モノづくり産業の課題解決は、キャディだからできること

――ファーストキャリアは製造業界だったんですよね。どんな仕事をしていたのですか?

株式会社キーエンスで精密測定機器の営業をしていました。私は大阪、奈良、和歌山エリアを受け持っており、エリア内の企業は超大手から従業員2名の小さな町工場まで、すべてを担当しました。私が扱っていた機械は、一度購入すれば数年は買い替えの必要がない商材で、常に新規顧客開拓に追われるなか、”泥臭い”営業スタイルが身についていったと思います。

町工場を中心に、小さくてもたくさんの契約を結んでいった矢先、会社の期待を大きく超える成果を出せました。利益でいうと2,000万円程度です。しかし、社内にはもっと大きな数字を持っている営業も多数いました。とくに大手企業の案件を担当している営業は、ひとりで2~3億円の利益をあげていたんです。彼らを見て、「もっと金額の大きい仕事をしてみたい」という想いがふつふつと湧き上がってきました。その背景には、株式会社キーエンス時代の上司が数字主義者だったことが影響しています。「社会にインパクトを与えられるかどうかは、社会にどれだけ付加価値を生み出せたかどうか。そして、その付加価値は利益だ」という考え方を教えてもらっていたこともあって、当時の私にとっては、動かせる金額が仕事を選ぶ上での重要な指標でした。

――それで、2社目の株式会社リクルートコミュニケーションズに移ったと。

はい。株式会社リクルートコミュニケーションズでは主にゼクシィの新規事業開発に携わりました。コンセプトづくりから商品設計、マーケティング方法、PMなどビジネスサイドもクリエイティブサイドも見ることができました。ビジネスサイドでは外資系コンサル出身の戦略を考えるのが得意な人とがっつり論理を突き詰めて。クリエイティブサイドでは、カンヌで賞をとったような人とどう訴求すればターゲットに刺さるのか感覚的な部分を日々追求。そして最後にビジネスとクリエイティブが折り合う着地点を見つけるんです。各々の領域のプロフェッショナルが協業した時に出せるコラボレーションの力と面白さを強く感じた経験でした。

――キャディを転職先として選んだのは、なぜですか?

ビジネス系のマッチングアプリをとおしてCEOの加藤と話す機会を得たことがきっかけです。事業の可能性を感じて、その場でリクルートを辞めることを決意しました(笑)。

――即断即決だったんですね!キャディの事業に、どのような可能性を感じたのでしょうか?

モノづくり産業の構造を変えられるのではと思いました。町工場に営業をしていたキーエンス時代、モノづくり産業の課題を目の当たりにする機会が多かったんです。産業そのものに「汚い」「重労働」というイメージがついている状態で人材も集まらないという悪循環が起こっていました。でも、キャディでなら悪循環を解消できると思えたんです。

というのも、キャディには、プロダクトを開発できる人間と、それを広めることができる人間の両方が揃っているんです。まず、キャディの原型の考えをつくったCEOの加藤と、複雑なアルゴリズムを設計・実装したCTOの小橋が組んだことで実現したプロダクトそのものに衝撃を受けました。町工場の抱える見積もりの負担を軽減させると同時に、発注側の管理の負担を減らすことのできるモデルなんて今まで見たことがないなと。

そして、キャディには幸松や後藤といった、町工場の悩みに共感し、社長と関係性を深めていく能力に長けたメンバーが参画しています。このプロダクトが業界に浸透している未来を想像できたんですよね。だからこそ、このメンバーならモノづくり産業を変えていける、と本気で思ったんです。

ひらめき力とキャディのスピード感でモノづくり産業を変えていく

――今後キャディで解決していきたい課題を教えてください!

モノづくり産業は未だにアナログな生産管理をしているので、そこを改善していきたいですね。例えば発注書をFAXでもらって、それをいろんな材料や機械が置いてある工場の壁などに貼って管理するのでどうしてもミスが発生しやすい。生産管理システムを提供している会社はありますが、費用が数百万以上するものがほとんどなので、8割が9人以下といわれる町工場の多くでは導入が進んでいないのが現状です。それをキャディでは無料に近いかたちで提供できると考えています。

町工場の稼働状況がより詳細にわかるようになれば、稼働の空き状況をみてピンポイントに発注することも可能になり、超短納期の案件などにも対応可能になると考えています。受発注のマッチングをコアとして周辺領域のアプリケーションサービスを構築するプラットフォームを提供するキャディにとっては、あらゆるデータを収集しそれを受発注システムに反映することで、サービス自体をさらに強固なものにできるというメリットがあります。生産管理システムそのもので必ずしも利益を上げる必要がないということも、キャディの強みのひとつです。

こうして少しずつ無駄や非効率さを解決していき、彼らが本来専念すべき創造性の高い仕事によりフォーカスできるようにする。そうしてモノづくり産業自体の健全化をはかっていきたいと思っています。

――課題解決にむけて、松藤さん自身はどのようにかかわっていきますか?

施策の打ち手としての責任を果たしていくつもりです。今あるカードでどう勝ちに行くか、戦うのかを考えて、まずは動く。動けば、必要なものや課題がわかるので、次の手が打てます。キャディは意思決定のスピードが早いので、PDCAサイクルも回しやすいです。

キャディが提供するメリットを最大化できるように、今後も施策を続々と打ち出していこうと思います!

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