Blanketインタビュー #6 KAIGO LEADERS事務局 奈良 明日香
1984年生まれ。山梨県出身。KAIGO LEADERS運営事務局。
10年以上介護とは関係ないITやゲームなどの企業に勤める中、恩師との別離や夫の病気などを通して、あらゆる生き物が希望を持って創造的に生きられる社会になっていないかもしれないとふと思い、2020年7月にBlanketの扉を叩く。KAIGO LEADERSの事務局メンバーとして、介護を通して社会全体の未来へ希望を届ける活動をスタート。
第6弾となるスタッフインタビュー。今回話を伺ったのは、KAIGO LEADERS運営事務局を務める奈良明日香さん。KAIGO LEADERSとは、代表の秋本可愛氏が2013年に立ち上げた、介護に関心を持つ一人ひとりの力でより良い社会を目指すコミュニティ。2021年には「高齢者ケア会のオスカー」とも呼ばれるアワード「Asia Pacific Eldercare Innovation Awards」のCAREGIVER MODEL部門において最優秀賞を受賞しました。躍進するコミュニティを支える奈良さんは、「みんなの力がほんとうにすごいんです」と話し始めました。
可能性を発揮できる環境を作る。KAIGO LEADERSを繋げるのが仕事
_____本日はよろしくお願いいたします! 私は2022年3月末まで、Blanketでお世話になっていたので、改めてインタビューするのは緊張します。
そうだね(笑)私もこうしてインタビューされることがなかなかないから緊張します。今日はよろしくお願いします!
_____働いていたときから気になっていたんですが、KAIGO LEADERS運営事務局はどんなことをしているんでしょうか?
運営事務局の仕事は、ひとことで言うと「KAIGO LEADERSに関わることすべて」です。例えばTwitterやFacebookといったSNSの更新、イベントの企画・運営、それらに合わせたスケジュール作成、担当者の割り振り、告知も仕事ですね。他にはKAIGO LEADERSを支援してくださるオフィシャルパートナーさんとのやり取りや、新しいオフィシャルパートナーさんの新規開拓も。最近でいえば、ホームページのリニューアルが大きな仕事でした。
言ってしまうときりがないけど仕事内容は、営業、企画、制作、広報、管理と、多岐に渡ります。これだけすればいいというのではなくて、KAIGO LEADERSの何でも屋さんが運営事務局です。
でも、私が思う運営事務局のいちばんの仕事は、コミュニティに参加しているみんなが気持ち良く動けるように繋げることだと思っています。
今、KAIGO LEADERSは全国展開していて、コミュニティが大きくなればなるほど関わり方にはグラデーションが生まれてきます。高い理想を持った発起人の秋本さん、コミュニティの中核として活動する運営メンバー、"介護”に関心を持った仲間が集うオンラインコミュニティ「SPACE」のメンバー、イベント参加者、SNSをフォローしてくれている人等、KAIGO LEADERSに関わる人たちみんなを繋げていきたい。
コミュニティメンバーから連絡があれば、すぐに返信して流れや勢いを止めないようすることであったり、いろんな関わり方をしているみんなが活躍できる場づくりをしたり。KAIGO LEADERSに関わる人たちが気持ちよく動けるにはどうしたらいいかを常に考えています。これからも「次に何があると動きやすいんだろう」を想像して、先回りして動けるようになりたいですね。
_____こうして挙げてもらうと、いろんな角度からの仕事がありますね。仕事の幅が広く大変そうな印象を受けますが、やりがいはなんでしょう?
いちばんのやりがいは、みんなの可能性に触れられること。これに尽きます。
運営メンバーの例をあげると、ほとんどが普段は介護職として働いています。入社したときは「介護職の可能性ってすごい!」って驚きの連続。私はこれまで介護のことも、介護職のことも知らなさすぎたと感じました。
例えば、企画会議をすれば新しいアイデアがぽんぽん出てくる。話をまとめるのが上手な人もいれば、チームをまとめるのが上手い人もいる。アイデアをかたちにするのが得意な人もいて、先頭に立ってイベントの企画をしてくれる人もいる。“介護職”って言葉のイメージにあてはまらない色んなスキルを持っているし、それぞれのスキルの高さにも驚きました。
いろんなことに挑戦して、トライアンドエラーを繰り返しながら一歩一歩前に進んでいく。みんなのそういう姿を見るたびにすごく嬉しいし、考えていることがかたちになったり、やりたいことができた瞬間に関われることにすごくやりがいを感じます。
だからこそ、入社から3年経った今は、みんなが秘めている気持ちを発揮できる瞬間をもっと作りたいと思っていて。魅力やスキルはもう十分知っているから安心して任せられるし、スキルが発揮できたときも「やっぱりみんなならできちゃうよね」って誇らしい気持ちになるんです。
最近でいうと、今まで企画チームの一員としてイベント進行を担ってくれていた子が、チームをリードしてくれるようになったんですよ! 私たち運営事務局より、進行もまとめるのもすごくうまくて(笑)だから運営事務局は、困ったときすぐに相談にのれる体制を整えながらサポートに回るようにしています。
SNSチームのリーダーは、みんなの気持ちに寄り添いながら進めてくれるので、よりスムーズにみんなが活動できるようにするのが、私たちの仕事です。
運営事務局の立ち回りは柔軟に変化しつつ、みんなの力や可能性を最大限発揮できる環境を作り続けたいと思っています。
ありのままの私でいられる環境があるからこそ、人と対話できるようになった
_____ KAIGO LEADERS運営事務局としてコミュニティメンバーを支えている奈良さんは、どんなきっかけでBlanketに入社することになったのでしょうか?
Blanketに入社するまで10年以上、介護とはまったく関係のない業界で働いてきました。マーケティングやゲーム、IT関連の会社を経験してきて、今でも一緒にご飯を食べに行く人もいるぐらい、どの会社も楽しかったです。
きっかけはこれといったものじゃなくて、自分や大切な人の不調がたまたま重なってしまって。いろんなことがいっぺんに起きたからこそ、ふと立ち止まって自分がどうありたいかを考える時間を作ったんです。
すると「もっと周りの役に立ちたい」「会社として利益を追求するだけじゃなくて、みんなが希望を持って生きられるような社会にしたい」という想いが生まれてきました。
そして転職活動中、Blanketに出会ったんです。Blanketってコーポレートカラーが鮮やかな黄色だから、サイト内で目立っててすぐに目に入ったのを今でも覚えています(笑)
インタビュー記事を読んだり、面談を通して、気づけば「もうここしかないじゃん!」と思うぐらいBlanketに惹かれました。介護の可能性を信じる秋本さんの情熱がひしひし伝わって、自分の前のめり具合も他の会社と全然違ったんです。
入社前、これまでと業界はまったく違うし、コミュニティ運営もしたことがなかったけど、まずはとにかく自分ができることをしようと思ってて。
そのとき、これまでの会社で得た経験がいろんな場面で活きたんです。例えば、キッズトイの会社で企画をまるっと任されたことが、KAIGO LEADERSのイベントでも役に立ったり、イベントごとに作るアンケートは、市場調査会社で得た知識を使ったり。
これまでの経験がこんなかたちでBlanketに還元できて、無駄なことって実はあまりないのかもって実感しました。
_____ まったく違う業界、したことない仕事内容だったと思いますが、入社して3年、奈良さん自身に変化はありましたか?
はい、すごく変化がありました! Blanketで働き始めてから、人と“対話”できるようになったと感じています。どういうことかというと、相手には相手の考えや価値観があると思えるようになったんです。こんなふうに思えるようになったのは、Blanket社員のみんなや、コミュニティメンバーの影響が大きい。
仕事でもプライベートでも、人と関わると自分とは違う意見が出てくる場面ってありますよね。そんなとき、これまでの私なら「もういいよ」って受け入れる前に離れてしまうことが多かったんです。でも、Blankeのみんなやコミュニティメンバーは違いました。別角度から物事を見直してみたり、アプローチの方法を変えたり……常に相手を受け入れる姿勢を持ち続けているんです。諦めたり、見過ごしたりしない。
そんなみんなと関わるうちに、私もだんだんと相手に向き合えるようになっていきました。「すべてを理解することは難しいけど、分かり合える部分もきっとある」「もしかしたら、持ってる想いは同じでアプローチが違うだけなんじゃないか?」って、相手と“対話”をする。
今までは自分のことばかり考えていたので、すごく嬉しい変化ですね。
_____相手には相手の考えがあることに気づけたことで人と対話できるようになった。すごく素敵な変化ですね!
改めて言葉にすると少し恥ずかしい(笑)
あ! もしかしたら、自分の気持ちに正直になれるようになったことも影響している気がします。思い返すとこれまで私って、自分の優先度がすごく低かったんですよ。「自分が忙しくても、他の人には迷惑かけられない」「みんな頑張っているから私も頑張らないと」って、自分に負荷ばかりかけていて。そして気づいたときには、体調を崩してしまった。
だけどBlanketに入社してから、自分の気持ちや状態と向き合う時間がすごく増えたんです。
例えばBlanketでは、始業前やミーティング前に「チェックイン」というのがあります。仕事に向かう前、自分は今どんな気持ちなのかお互い伝え合うんです。体調のこと、最近の気になるトピック、その日仕事に向かう姿勢とか、伝えることはなんでもOK。なにもないときは、なくても大丈夫。チェックインで伝える習慣があるから、普段も「今、自分はどんな気持ちなのかな」って自分のことを考えるようになりました。
それからKAIGO LEADERS運営事務局は私含めて3人いるんですが、頼るし頼られる環境があります。チームって「私がやります、手伝います」って自分を頼ってもらうことよりも、「助けてほしい、手伝ってほしい」って相手を頼ることのほうが難しい。その難しさを解消するために毎日15分定例を設けていて、お互いのタスクや今の状況を共有するんです。お互いの状況をわかったうえで声を掛け合うことができるので、「今大変だから手伝ってほしい」「私、これできるよ」って言えるようになりました。
正直にいうと入社当初は、こんなに自分を優先していいの? と戸惑いもありました。まずは少しずつ少しずつ自分の声を聞くことから始めて。そこから、だんだんと相手の声にも耳を傾けられるようになったんだと思います。
「全ての人が希望を語れる社会」にむけて、やわらかく繋がっていく
_____入社から3年経った奈良さんから見たBlanketは、どんな雰囲気なんでしょうか?
そうですね。社員のみんなはそれぞれ個性があるし、結婚している人もいれば、お子さんがいる人もいて勤務形態や時間も違います。けれど、介護に対する志はみんな同じ。方向性に迷いがないから、Blanketは常に前を向いて走り続けています。だけどもし、誰かが止まってしまうことがあれば、そのときはみんなが当たり前のようにフォローしてくれるんです。
毎月1回、代表の秋本さんと個別面談をおこなうんですが、普段から何かあれば一緒に考えてくれるので安心して自分のことを伝えられます。
実は最近、私のパフォーマンスがあがらないときがあって。そのときも「どうしたら心身ともに健康で働けるかな」「どうすれば奈良ちゃんが動きやすくなるかな」と私と同じ目線で考えてくれる。Blanketは自分ひとりの問題を、もっと大きな視点で捉え直してくれるんです。
それからみんなはいつも、目の前の相手のことを考えています。採用コンサルタントチームは、何がいちばんクライアントのためになるかという視点を欠かさない。私たち運営事務局も、KAIGO LEADERSに関わる人たちがどうしたら1番輝けるか、目標を達成できるか、というのが大前提。
そういう話をするときのBlanketは、主語を大きくしないんです。つまり、「このクライアントさんにとって」とか、「コミュニティメンバーのあの子は」とか。相手のことを考えているからこそ、目の前にいるのは “クライアント”“コミュニティ”って大きな塊じゃなくて、一人ひとりに気持ちが向いているんです。
_____目の前の「あなた」と真摯に向き合うのがBlanketらしさなんですね。それでは最後に、未来の仲間に向けて一言お願いします。
Blanketはいろんな人、コミュニティのハブ的役割を担っている会社だと思います。KAIGO LEADERSは介護職はもちろん、介護にこれまでに触れてこなかった人、これから介護職になる人、介護を知ろうとしている人が繋がれる場所になっています。Blanketを通して人と人、法人と法人が繋がって、社会と繋がっていく。
小さな会社なので、仕事内容だけでいうとここからここまでが自分の仕事って区切れないことも正直多いです。みんなでフォローし合う場面もたくさんあります。
私自身、KAIGO LEADERSのバリューでもある「やわらかく考える」というのを大切にしていて。そうやってゆったりみんなが繋がっていく、やわらかく関わりあっていく。そんなふうに考えられる人と一緒にBlanketを広げていきたい、そして「全ての人が希望を語れる社会」を創っていきたいと思っています。
(インタビュアー/文:田邉なつほ)