Youtuberから学ぶ、コンテンツビジネス産業。人気がなければ食べられないのはスポーツも同じ。by YBP PROJECT
Youtuberから学ぶ、コンテンツビジネス産業。人気がなければ食べられないのはスポーツも同じ、というテーマで記事を書いてみます。
ちなみに、今回は、YBP PROJECTの活動に触れつつ、Youtuberがどう参考になるのか。コンテンツ産業ってそもそもどういうことなのか、大真面目に記事にしてみたいと考えてます。
YBP PROJECTは、BMX・MTBを面白くする。「楽しんだ分だけ日本代表のチカラになる」を活動のコンセプトとして、BMXの普及・育成・地盤作りを行っています。
こちらの記事で、活動のコンセプト「YBP PROJECTの”楽しんだ分だけ日本代表のチカラになる”ってつまりどういうこと?」について取り上げてみました。
http://www.2tomman.net/posts/2678299
YBP PROJECTは、楽しんだ分だけ日本代表のチカラになることを活動のコンセプトにACTION PLAN(行動計画)を立てて、普及・育成・地盤作りを行っている組織です。
ACTION PLANは以下の3つのアプローチ。
1.TOPレベルの引き上げ
2.競技を始める選手を増やす
3.競技を続ける環境を増やす
で、少し口説くなっちゃうのですが、もう一度伝えさせてください。
YBP PROJECTは
これらの活動を通して
BMXの国内選手のレベルの底上げを目指して活動しております。
で、ここで疑問が。
そもそも、こうした普及・育成・地盤作りって、ビジネスになってるの?という疑問。
なぜ、そんな問いを?
というと、
これを、打ち合わせなどで、よく言われてしまうからです。
ちゃんと仕事になってるの?(ビジネスになっているの?)と。
確かに、普及・育成というと慈善事業に思われてしまうかもしれませんが、YBP PROJECTは、法人です。いわゆる、普通の会社とほとんど変わりがありません。
普通の会社と同じく決算も行いますし、税金も収める必要があります。YBP PROJECTも、普通の会社と同じように、企業としてビジネスをしなければならない組織(法人)です。
..と、もう一つの理由はおそらく、これです。
やはり、やんわりと分かっている方が多いんですよね。
YBP PROJECTが属しているのは、非常にマイナーなスポーツであるため、いわゆる人気がないスポーツだから、ビジネスとしても厳しんじゃないか?ってことを。
これについては、、包み隠さずいきましょう。
まだまだYBP PROJECTは、ビジネスとしては、まだ厳しいと言わざるを得ません。。
YBPは自力で施設の維持・運営をしています。
(Photo by Motoyoshi Yamanaka)
..が、マイナースポーツという括りの団体・組織の中でいえば、だいぶ善戦しつつある方ではないか、と思っています。
ただ、以前のBlogでも触れましたが、まだYBPには事務所もないだけでなく、電気・ガス・水道もありません。しかも得られた収益を、コースの維持・運営、そして増築に充ててますから、自分たちが、いい感じ!って言い切るにはまだ時間がかかりそうですね。
と、ここまで、非常に前置きが長くなってすみません。
我々、YBP PROJECTがやっているビジネスは、スポーツであり、スポーツはコンテンツビジネス産業の中のビジネスです。
自分たちが、自分たちのビジネスを、どう捉えようが、会社としてスタイルを持とうが関係なく、スポーツというのは、コンテンツビジネスです。
コンテンツビジネスというのは、エンターテイメントビジネスであり、音楽アーティスト、映画産業などと同じ括りです。
コンテンツビジネスは、一般的な商売(ビジネス)と比べ、こう違います。
一般的な商売(ビジネス)は、
例えば、飲食店であれば、1食でもご飯を提供したら、それに対して対価があり、その1食からの販売利益を得られます。八百屋であれば、野菜を1個売って、そこからの利益を得る。シンプルですよね。
対象の物(食品のメニュー・食品)を提供して、その対価を得る。そこから利益を生む。
しかしながら、コンテンツビジネスというのは、対価に値するものというのが、体験だったりと、お金は取れないけどサービスは(例えばテレビ放映は無料とかでも)提供する。であったりします。いわゆる、曖昧です。
曖昧ですが、コンテンツビジネスではっきりしていること、関心(いわゆる人気)がなければ、どんだけ労力を掛けたとしても、ほとんどのケースで、食べられない世界。ということです。
これ、非常に当たり前なことを承知でいうのですが..
コンテンツビジネス産業は、労力 = 売上 になりません。
そこで、この「労力 = 売上 にならない」という現実を、掘り下げようと思いますが、
Youtuber(ユーチューバー)を例にあげてみると分かりやすいと思います。
Youtuberとは?の説明は、それほど必要がないかもしれませんが、念のため
”主にYouTube上で独自に制作した動画を継続的に公開する人物や集団を指す名称。 狭義では「YouTubeの動画再生によって得られる広告収入を主な収入源として生活する」人物を指す。”Wikipedia より
で、人気のYoutuberの、例えばHIKAKINですとか、はじめしゃちょー は1本の動画の公開で100万回の再生回数を記録してしまうわけですけれども、こうした大人気なYoutuberの陰には、人気のないYoutuberもたくさん存在しています。
人気Youtuberと、人気なしYoutuberを図にして比較すると、こんな感じ。
人気のYoutuberAさんも、Bさんも、1本の動画制作に対して掛けている労力(ここでは制作に同じ時間)が例えば同じだったとして、人気のAさんは、1本の動画で100万回の再生回数を記録するのに対して、人気なしのBさんは3000回(1本の再生回数が、3000回以下の動画も多いですよね)。
この差は、少し残酷ですが、上記の比較では約300倍以上の差が開いています。3倍じゃなく、300倍です。※この差が、全員に当てはまるわけじゃないですよ。便宜上です。
上記比較では、同じ労力をかけた1本の制作だったとしても、人気のAさんは100万回、人気なしのBさんは約3000回。
そして、収入の差はと言うと、これも便宜上数字を入れてみますが、
人気のAさんは仮に1本あたり10万円稼ぐとして、Bさんの場合は、比率を当てはめると1本で300円とかの収入になります。 ※1再生あたり0.1円の広告収入で計算
例え、同じ労力で制作した動画でも、同じ1本の動画で、ここまで差が開きます。
実際のところ、1本あたり100万回の再生回数行くほどの人気Youtuberであれば、その影響力から、様々なスポンサーがつくでしょうから、1本でも30万とか50万円のスポンサー収入を得られる場合もあるでしょう。
その場合は仮に人気Youtuberなら1本制作で30万円なYoutuberと、人気なしYoutuber(仮に300円として)では、約1000倍の差が開きます。
同じ労力で、約1000倍の差。残酷ですよね。
繰り返してしまいますが、ここで振り返ります。
コンテンツビジネス産業は、労力 = 売上 になりません。
例えば、これがYoutubeに限らず、同じ労力をかけた1本の映画が作品があったとしても、売れる作品とそうじゃない作品には、とてつもない差が出てくるでしょうし、例えば音楽アーティストでも同じですよね。同じライブをやるにしても、東京ドームを満杯にするような音楽アーティストがいる一方で、路上ライブでも人が集まらないアーティストも存在します。
上記の図は便利ですので、
スポーツに当てはめてみます。
例えば、世界的人気のサッカー選手、Cロナウド。彼の収入は100億円とも言われてます。仮に年間に50試合(リーグ戦に加えて、代表選やカップ戦含め)に出場していたとします。
同じくサッカー選手ですが、Jリーガーの平均年俸2300万円、平均的な年間出場試合数を仮に20試合程度としたとすると・・・
同じ1試合で、同じプロでも、約200倍の差が出てしまいます。※観客が1億人というのも便宜上入れてます。海外の放映まで入れるとこれくらいか?という仮の数字です。
選手の場合も 労力 = 収入 じゃありませんよね。
この図は便利なので、別の例を。
メジャーなスポーツであるプロ野球選手で人気の年俸5億円選手と、別のスポーツとして、マイナースポーツの選手の1試合を比較してみました。
ここも100倍とか、場合によっては1試合で出場賞金が出ないスポーツも多いですので、100倍以上の差が生まれてしまいます。
しつこくなってしまいましたが、
コンテンツビジネス産業は、労力 = 売上 になりません。
メジャースポーツとマイナースポーツをあえて比較しましたが、マイナースポーツは、ほとんど観客もおらず、出場の賞金も出ないものが多いです。
これは興行する側も一緒で、1試合で5万人集まる試合かつテレビ放送がある試合もあれば、100人(ほぼ関係者しかいない)試合もある。そうした場合は、収入もほぼゼロですよね。
じゃあ、BMXやMTBなどのマイナースポーツに属するYBP PROJECTは、ビジネスしていくためには、どういう立ち位置で、どういうことをしたら良いのか。
はっきりしていますよね。
食べていくためには(YBPの維持・運営をしていくためには)
上の図で行けば、人気のYoutuberや、Cロナウドや、人気スポーツ選手のような立ち位置に持っていくしかないです。例外はあれど、基本的には関心(人気)を持ってもらう数を増やすしかないのです。
YBP PROJECTは、YBPの施設維持するために、やるしかない。
(YBPは民間組織で、自分たちで稼いだお金で運営しています。)
じゃあ、これから、どうしたら?というところで、方法としては、選手たちが、世界大会で結果出して注目を集めることもそうですし、そもそもこの競技の観る方を増やすための施策(アイデア)、アクションが必要です。
そのための指針が、活動のコンセプトでもあり、これまでコツコツとアクションして参りました。
最初の疑問である、
そもそも、YBP PROJECTは、普及・育成・地盤作りって、ビジネスになってるの?ということについてですが、
これは、ビジネスになるとか、ならないではなく、、また儲かるとか儲からないではなく
このマイナーなスポーツでやっていくためにはYBP PROJECTは、
普及・育成・地盤作りをして、関心を持ってもらう数を増やすしかないのです。
(Photo by 2tomman BMX - AIR TRICK SHOW:ショーは認知・普及の一環)
しつこくなってしまいましたが、
コンテンツビジネス産業は、労力 = 売上 になりません。
YBP PROJECTは、楽しんだ分の最大化、自分たちの資源を活用しながら、FUN!を増やしていくために、楽しんだ分だけ日本代表のチカラになる を活動のコンセプトとして活動しています。
(YBP PROJECTは、FUN!の最大化を目指す)
この図でいえば、いかに我々YBP PROJECTは、関わってくださった方に、楽しんでもらえる数・回数を増やせるか?が、それを、アイデアを凝らしながら、一生懸命やることだと思っています。
コンテンツビジネス産業では、人気がなければ食べられない。そのために、YBP PROJECTは、たくさんの方に楽しんでもらうことを大切に、普及・育成・地盤作りを行っていくことだと思っています。
たくさんの方に、BMX・MTBを通して、いかに楽しんでもらえるか。YBP PROJECTは、そこをめがけて張り切っていきたいということをお伝えしたかったです。
こちらの記事はYBP PROJECT事務局長の2tomman Blog(トムトムマンブログ)より転載しました。
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