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今回はBarbara Poolの代表取締役の井上祐巳梨さんにこの会社の設立経緯や現在のBarbara Poolについてその特徴を伺いました。
時代に転換期を感じた前職時代
大手広告代理店で働いていた井上さんが、なぜ、Barbara Poolを設立するに至ったのでしょうか。根底にあったのは、自身の抱えていた違和感だったそうです。
「元々、広告代理店で働く中で、特に震災以降・・・時代の変化を感じてきていました。『ただ広告を売ればいいという時代ではなく、一緒に本質的な解決をする取り組みをしていきたい』という感覚が日に日に強くなってきました。これからの時代には、「共創」が何より重要で、様々な企業や団体、自治体と「コラボレーション」した事業展開を行っていきたい。数字も重要ですが、数字だけではない大切なものがある。そうした想いがありました。」
特に転機になったのは、東日本大震災。
「震災時では、広告代理店の中にはもちろん、ビジネスチャンスと捉える方々もいたんですが(*注釈:2011年当時)、私は「こういう働き方や考え方の、次のフェーズがきているのでは」と思うようになりました。そして、本質に立ち返った、社会的意義のある活動をしていきたいという想いを持って会社を立ち上げました。最初は一人でスタートしたのですが、元の会社の中にも同じように考えるような人々がいて、彼ら彼女らがジョインしてくれて、今のBarbara Pool という形ができてきたように思います。」
▲Barbara Pool 社のサイトに掲載されているMessage
そして、3つの事業の柱が出来てきたそう。
「今が時代の転換期なら、次にどんな時代が来るのか。それはきっと”新しい価値観を生み出していかなきゃいけない時代”なんじゃないかな、と思いました。新しい価値観を生み出していける自分達でいたいし、そういう子供たちが育っていって欲しいと思い、クリエイティブ 事業・地域創生事業・教育事業の3つの柱で今、Barbara Pool は事業展開しています。」
▲Barbara Pool 社の3つの事業
「まる」っとした組織体制の少数精鋭チーム
こうして生まれたBarbara Poolはどのような会社になったのでしょうか。まずは組織の構造から伺いました。
「Barbara Poolは、少数精鋭のチームなので、組織はとてもフラットです。フラットと言っても、組織図を書くとしたら、横線より丸に近くなると思いますね。社員同士もお互いにプロとしてリスペクトがあります。」
確かに、この組織体制が、会社自体のフットワークの軽さを決定付けている部分かもしれません。でも、命令系統がない分、ルールはきっちり決まっているのではないかとも思いましたが…
「会社は基本的にノールールです。人が最も自分の力を最大限発揮できる環境を考えたときに、できるだけ制限するものを取り払っておいた方が良いと思うからです。幸い、これまで多くのいい人に恵まれてきたのもあって、今のところノールールで困ったことは起きていません。みんな好きなところで好きな時間に仕事をしています。
その分みんな自立している必要がありますし、誰かのせいにはできないので責任感を持って働いています。もちろん何かあったときは突き放すわけではありませんよ(笑)ただ、それくらいの力を持っているからこそ、お互いに信頼し合える暖かいチームになっていると思います。」
フラットな組織体制にノールールの職場で、自立した社員がそれぞれ責任感を持って働いているからこそ、自由に働ける環境が整っているんですね。
Barbara Poolの仕事
Barbara Poolでは、どのように事業を考えているのでしょうか。
「基本的には、やりたいことと社会的意義(変えたい/解決したいこと)との掛け算をして新しいアイデアを生み出しています。やりたいことをやることは大切だけど、それだけをやるのはもったいないし、課題解決だけでは自分の面白いと思うこととは違うこともある。だから、常に自分たちがやりたいことを社会に求められる形でアウトプットするアイデアを考えるのが大切です。」
▲Barbara Pool 社のオフィス2FはSDGsの発信拠点として昨年秋頃に改装したそう
このような考え方のもと、現在会社のHPには、クリエイティブ事業、地域創生事業、教育事業の3つの事業を展開していると書いてありますが、井上さん曰く事業は固定化されていないと言います。
「3つの事業しかやらない、と思われてしまいそうですが、実際は事業領域を「ここまで」とはっきり決めている訳ではないんです。(詳しくはHPの”COMPANY”のタブをご覧ください。)
元々、私たちの最終ゴールは”個性あふれるオリジナリティあふれる社会をつくる”こと。地域創生でいうと、各地域にもそれぞれ特色があり、個性がある。それらを大切にした各地域の個性に合った地域づくりが必要だと考え、クリエイティブ事業と地域創生事業からスタートしています。そして、次第にそうした各地域に合わせた地域づくりを突き詰めて考えると、それぞれの地域のことをその地域の子どもたちが解決できるようになるよう、教育をより「実社会に結びついた学び(実践型)にする」必要があると考え、教育事業も展開することになりました。
逆に言うと、今たまたま最終ゴールにたどり着くための手段としてこれらの事業を展開していますが、もし他にもっと手段があるなら、事業を増やすこともあると思います。それはこれからも会社のみんなと考え続けていくところだと思いますね。また、新しいアイデアを持つ、スピーディーに動けるアクティブな方がジョインしてくださることで、一緒にいろんな事業展開やまだ見ぬ世界をつくっていきたいですね・・・!」
▲日本初のSTEAM教育専門メディア『STEAM JAPAN』の運営もBarbara Pool 社で行っており、
様々なイベントや仕掛けも行い、情報発信がされている。
本質的な課題解決を追求するBarbara Poolの裏には、これからの時代を作っていく決意と、それを達成するエネルギーを生み出すたくさんの工夫が詰まっていました。