AIトラベルで活躍する中丸にインタビューを実施しました。中丸は、楽天でWebマーケティングや新規事業などをやっていて、2016年に起業を経てAIトラベルの仲間になってくれました。AIトラベルでは、エンジニアとして全体のディレクションを行う傍ら、事業開発全般に従事しています。
楽天という大きな組織で海外プロジェクトを経験し実績を残してきた彼が、何を考えスタートアップという環境に身を投じたのか、なぜAIトラベルだったのか。AIトラベルで活躍する中丸に、転職の経緯について、AIトラベルの仕事について語っていただきました。
エンジニアとしての再出発を考えた転職
− 中丸さんの経歴を伺えますか?
新卒で楽天に入社して、楽天ではWebマーケティングや新規事業などにの仕事をしていたのですが、2016年に起業するつもりで退社しました。楽天の同期メンバーと一緒に機械学習を活用したグルメ系のビジネスをやりたくて起業したんですが、いろいろと当初の想定通りには進まず、結局そのビジネスは長く続かなかったんです。
起業はうまくいかなかったんですけど、その経験を通じてスタートアップで事業を起こすためには「エンジニア」の知識が不可欠だなと感じたんです。当時のメンバーはエンジニア中心だったんですけど、起業した初期ってプロダクト開発が企業活動の本丸で、その内容がわかったほうがいいなと痛感したんです。
− AIトラベルに入社したきっかけは何ですか?
そんなタイミングで楽天時代の先輩だった村田さん(AIトラベルのCEO)に声をかけてもらって、AIトラベルに入社することになりました。村田さんは楽天時代にエンジニアの新卒採用をされていて、同期の間でもとても有名な人でした。その後エンジニアとして開発の部署にキャリアチェンジされたんですが、そこでも社内でMVPとったり、日本から海外の部署を初めてつくるチームに抜擢されたりと憧れの人だったんです。
経営と現場の、ビジネスサイドとエンジニアのハブとなり会社の成長を牽引したい
− AIトラベルではどんな仕事をされていますか?
業務としては、事業開発全般をみています。法人向けのサービスなので、お客様のところにも伺いますし、実際の使用感などニーズを伺いながら、エンジニアとして改善のディレクションなども行っています。また、出張手配サービスで旅行商品などを連携するシステム開発がからむアライアンスなんかも先頭にたって交渉窓口をやっています。
うちの会社って、思った以上に堅実な会社だと思うんです。B2Bのサービスで、結構ニッチなサービスではあるんですけど、事業の進め方とかもたえずBプラン、Cプランを用意してたりしますし。あと、楽天と比べて、無駄な飲み会はないし、変な文化や風習がない。体育会系的な要素もないし、年功序列みたいなこともないからフラットで仕事がしやすいなと感じています。
− 仕事のやりがいはどんなところですか?
自分の意思決定が、事業の進捗にダイレクトに影響するところにやりがいを感じます。その分責任も伴うので、常に自分ごと化して全力で打ち込まないといけないところはあります。責任感から遅くまで仕事することもありますが、事業への貢献をダイレクトに感じられるので正直あまり苦になりません。
僕たちが提供しているAI Travelというサービスは、出張手配が圧倒的に簡単にできるようになるだけじゃなくて、出張管理ができるようになるというコンセプトなんです。ビジネストラベルマネジメント(BTM)という概念で、アメリカでは結構当たり前になっているんですけど、日本だとそれほど浸透していないのが現状なんですね。「あのときの出張はリーズナブルだったか」ということが現状可視化できてないことが多い中で、僕たちの取り組みはとてもおもしろいことをしていると思っています。世の中でその価値が実証されていき、市場の有用性を明らかにしていくというのはとてもやりがいがあります。今、それが実証できる環境が整っていています。
AIトラベルの代表はエンジニア出身なので、システムに関する理解や愛があるのは強みだと思っています。エンジニアに対して魅力的な働き方などを提供できるので、多くの優秀なエンジニアが集まってきています。出張手配のデータもどんどん蓄積されていっているので、今後は過去の利用データをもとにその人の好みにあった出張をリコメンドする機能や、今まで収集してきた膨大な出張データをもとに企業の間接コストを削減する管理機能を強化していきたいなと考えています。アメリカだと、ビジネストラベルマネージャという職種があって、そういう人がやっていることを、サービス・システムで解決していく世界を目指していきたいと思っています。
− どんな方にAIトラベルに入っていただきたいですか?
学習意欲の高い人と一緒に仕事をできたらいいなと思っています。当たり前ですけど、AIトラベルはシステムの会社なので、自社のサービスをさわるのが好きであってほしいし、誰よりもよく知っている存在であるべきだと思います。加えて、競合サービスの分析など情報感度の高い人だとうれしいですね。
今は日々の業務に取られているのでなかなかできていないのが現状ですが、今後は常に学ぶ機会を提供しつづける組織にしていきたいと思っています。ビジネスサイドの仕事をしている人は、システムの仕様がわからないのが今は当たり前なんですど、そういう学校に行ってもらってエンジニアリングのベースを学んでもらうことで見える景色が違うと思うんです。
− 中丸さんは今後どのような存在になりたいですか?
僕自身、この会社に入ってエンジニアとしてもはじめてのキャリアをスタートさせました。スタートアップあるあるだと思いますが、経理をやるメンバーがどうしてもいなくて、エンジニアとは別に経理の仕事もするようになったんです(笑)。簿記3級から学んで徐々に仕訳ができるようになって、そこから財務諸表とかも少しわかるようになって財務の仕事もやるようになりました。今までは、マーケティングとかフロントの仕事をしていたので、バックヤードの仕事がわからなかったのですが、企業をまわすということはバックヤードをやって自分なりに少しわかるようになりました。
ジェネラリストになるか、スペシャリストになるかみたいな話もありますが、勉強会を社内でどんどん開催していって、学びの機会をつくっていきたいと思っています。僕自身は、トップに立つタイプではないと自分では思っていますが、その下で会社を支える人材になっていきたいと思っています。実務もわかって経営のこともわかる、ビジネスサイドもわかってエンジニアのこともわかる。AIトラベルのハブとなってこの会社の成長を牽引していきたいです。