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クラブオフィスを訪問してACミランの歴史に触れ、メディカルチェックをパスした子どもたち。無事に現地での1日目を終えました。
現地では合計4回にわたるトレーニングセッションと、現地クラブとの交流試合が予定されています。いつもの赤と黒のユニフォームに加えて、今回はクラブから上から下まで真っ黒のユニフォームが提供されました。
★ACミラン下部組織のトレーニング施設へ
2回のトレーニングを行ったのは、ACミランの下部組織(ユースセクター)がトレーニング拠点としている、"Centro Sportivo Vismara"です。
ミラノ市内中心部の南にあるスポーツ施設で、11人制サッカーピッチ7面を兼ね備えています。広大な昨シーズンよりプーマ社によるネーミングライツ取得により、"PUMA - House of Football"と呼ばれています。
女子トップチームやプリマヴェーラ(U19)の公式戦が行われるスタジアムがあるのですが、こちらはサン・シーロスタジアムと同じ芝生を使用・同じピッチの広さが確保されているとのこと。いつトップに上がってもいいような環境づくりがされています。
さて、子どもたちはというと、このスタンドの真下にあるロッカールームで着替えを済ませておりました。ピッチに出る準備万端です!
さてプレーするフィールドまで移動しますが、このベンチに座ってスパイクに紐を結ぶだけでもいい絵になりますね。(少年たちよ、キミたちはすごく贅沢な空間にいたんだということを認識してほしい!笑)
★トレーニングセッション
毎回のトレーニングは1時間半ほど。イタリア国内で活動するミランアカデミーコーチが日替わりで担当してくれます。
サッカーの全体性にフォーカスを置き、優位にプレーする上で必要な選択を、個人レベル・集団レベルで瞬時に下して、いいプレーを導いていくことがポイント。
私たちとしては、普段から日本で取り組んでいるアプローチですが、コーチが違えばそのディテールもまた異なるもの。その違いを楽しみながら、イタリアの地でしっかりと汗を流しました。
★完全非公開、男子トップチームのトレーニング施設でも!
週末の午後に足を運んだのが、男子トップチームがトレーニング拠点としている"Milanello Sports Center"です。「ミラネッロ」という施設名、サッカーファンの皆さんであれば聞いたこともあるのでは?
ミラノ市内からバスに乗り1時間ほど、人里離れた住宅街の中に突如として現れます。トレーニングは普段から完全非公開のため、トレーニング時はファンの方がたくさん出待ちをしていることでも有名です。
冬の夕暮れ時、冷え込みはやや厳しめ。しかし人里離れたこの場所は、まさに喧騒とは無縁の空間です。雑音をシャットアウトしてトレーニングに集中できる、プロ選手たちと同じ雰囲気を楽しむことができました。
★地元クラブの施設でサッカー文化の奥深さを実感
ミラノ市内のチミアーノ地区を拠点に活動する、"Cimiano Calcio"が所有する施設ではトレーニングと交流試合を行いました。
地元の子どもたちに門戸が開かれたクラブである一方、ACミランがイタリア国内各地に展開する提携クラブの1つとしての一面も。自前で育成したいと思える将来有望な選手たちの所属先としても機能しているのです。
この通り、フルピッチサッカーコートが3面、少年用(7人制)ピッチが1面、フットサルコートが3面という充実ぶり。ヨーロッパを中心に流行しているスポーツ・パデルのコートも3面ありますね。
交流試合では、同年代とは思えない体格差に苦しみましたが、持ちうる力すべてをぶつけてプレーしました。
合同チームである以上、スコアの上でいい結果が出るとは思っていませんでしたが、個人レベル・曲面だけ見ればいいプレーを見せてくれました。ゴールを挙げることもできたので大満足です!
言葉こそ通じなくても、同世代の子どもたちとこうやって仲良くなれるのが、サッカーというスポーツの持つチカラ。共鳴しあえる仲間ができたことはかけがえのない財産になったはずです。
なお、レストランとバールも併設。夕食ではピッツァをいただきまして、子どもたちも大満足でした!
ここでサッカーを始める子も、ここから新たなクラブへと羽ばたく子もいる。
エスプレッソをクイッと飲み込んで、ピッチに入るコーチのみなさんも素敵です。
親御さん同士でビールを飲みながら、広がっていくコミュニティがある。
この国が築いてきたサッカーの歴史と、それに紐づく文化の奥深さを実感するいい機会となりました。
<<Episode.05>>に続く