サステナブルな多文化共生社会を築くための東アジアローカルネットワーク「LOCAL CONNECT」第1回を大邱にて開催
品川エリアを拠点にゲストハウスなど「地域融合型」宿泊施設の企画・運営を行う株式会社宿場JAPAN(東京都品川区・代表取締役:渡邊 崇志)は、「ゲストハウス及び旅行業を通して社会課題を解決する」を掲げ、韓国の社会的企業「共感シーズ」と協定を締結しました。今後、韓国と日本という立場を越え、社会課題解決と旅行業を両立させる新たなツーリズムコミュニティを築くため、「LOCAL CONNECT」というスローガンの元に協業してまいります。
2024年1月10日、株式会社宿場JAPANは韓国の大邱において、現地でゲストハウス「共感ゲストハウス(EMPATHY GUESTHOUSE)」を運営する社会的企業「共感シーズ(EMPATY SEEDS)」と協定を締結しました。今回の協定は、ともに「ゲストハウス及び旅行業を通して社会課題を解決する」点において志を同じくする両社代表が、「LOCAL CONNECT」というスローガンの元に今後の協業、共同の取り組みを行うことを合意したものです。
宿場JAPANは、「『SHUKUBA』の輪を全国に」を理念に掲げ、旧東海道品川宿を拠点に「地域融合型」宿泊施設の企画・運営を行ってまいりました。創業から変わらず目指しているのは、小さな宿の感動から地域と世界をつなぎ、人や文化に寛容な人材と多文化共生社会をローカルから実現すること。今後は「全国」を「世界」に広げ、ゲストハウスという究極のローカルビジネスを通して社会課題解決を後押しするきっかけを生み出していきます。
宿場JAPANについて
旧東海道品川宿を拠点に、「地域融合型」宿泊施設の企画・運営を行う。「ゲストハウス品川宿」をはじめ、タイプの異なる5つの宿泊施設運営を軸に、個人や企業のゲストハウス開業・再生支援、地域に根差したおもてなしができる人材育成活動を展開している。
共感シーズについて
地域観光と国際交流を通じて社会を変革することを掲げる韓国・大邱を拠点とする社会的企業(※)。脱北者支援を行う支援団体として2003年に設立、その後2013年に社会的企業としてゲストハウスと旅行会社を設立。2024年現在は、2つのゲストハウスを運営し、その利益の20%は、脱北者の再定住プログラムに充てられる。
※「社会的企業」・・「社会的企業育成法」に基づき、国から認証を受けた「社会的目的を追求しながら営業活動をする企業」。諸条件(一定の収益がある、利潤の3分の2以上を社会的目的に使う、有給労働者を雇用する等)を満たす必要がある。
LOCAL CONNECT 協定内容詳細
「宿場JAPAN」代表 渡邊より
本取り組みのスローガンは「LOCAL CONNECT」。互いに国籍や事業を起こす経緯は違えども、新時代におけるツーリズムを各々模索しており、「旅を通した人との交流」をベースに社会をローカルからより良く変革する、という志を同じくしていたことから、今回の協定締結に至りました。今回の締結には、賛同する日韓のゲストハウス6社が参加しています。今後はともにオンライン・オフラインでの交流を行いながら、旅人に対する新しい「旅を通した気づきと社会課題の解決の実践」を実施してまいります。賛同の輪も拡げていく想定でおりますので、ぜひ今後にご期待ください。
《 LOCAL CONNECT 締結内容 》
私たちは、各ローカルコミュニティ(地域社会)や多種多様な文化が互いを脅かすことなく共生する社会の実現、社会課題の解決に向けて、ローカル地域への旅行・体験・交流を基盤としながら、互いに協力していくことを誓います。
◆国を越えた地域間の“共感”を基盤とした、共生社会の実現
- 地域の魅力を知ることができる旅の企画提案未来を担う人材の交流
- 相互理解を育む
- 多文化共生/相互支援
- 旅行やゲストハウスを通しての文化交流
◆持続可能な地域社会の実現
- 社会課題の解決
- 地域コミュニティの社会的価値を具現化
- 民間交流を通じた地域経済と社会の成長
【今回の締結に参加したゲストハウス6社】
- ゲストハウス品川宿(東京・品川区)
- ゲストハウス蔵(長野・須坂市)
- 神戸ゲストハウス MAYA(兵庫・神戸市)
- 鬼石ゲストハウス さんと宿(群馬・藤岡市)
- EMPATHY GUESTHOUSE(韓国・大邱)
- Dongseongro ZERO guesthouse(韓国・大邱)
LOCAL CONNECTが目指す世界
宿・地域同士が連携し、収益が互いの地域課題の解決に還元されていく
新しいツーリズムに挑戦するコミュニティ
私たちが目指すのは、地域や国を越えてともに社会課題に向き合い、よりよい社会を自分たちの手でつくっていく、大きなコミュニティです。国内外のゲストハウスが繋がり、互いに連携してそれぞれの「まち」に貢献する事業を展開し、その収益の一部が社会をよりよくするための課題解決事業に分配されていく。自分たちの会社、自分たちのコミュニティ、自分たちの国など、足元の範囲だけの豊かさではなく、もっと広く世界を捉え、ともに豊かになるべく富が分配される社会。相互扶助がビジネスを回し、その循環が旅行者の喜びや楽しさに直結し、個々人の豊かさがさらに社会・世界全体を豊かにしていく・・そんな新しいツーリズムを、未来を、本気で実現したいと考えています。
<これまでのツーリズム>
都市から人を呼び寄せることで、都市からのリソース(人やお金)を地方に分配する仕組み
<LOCAL CONNECTが目指すツーリズム>
都市や地方、国を超えて各地域が相互にリソースを交換し合い、地域課題も解決する仕組み
LOCAL CONNECT 今後の活動予定
まずは第2回「LOCAL CONNECT」を来年2025年に開催することを目標に掲げ、国内外の宿同士の連携を増やし、社会課題の解決をテーマに掲げた旅行やイベントなどをともにつくっていくための活動を展開していきます。
すでに日本国内チームだけでなく、日韓でのオンラインでの話し合いやオフラインでの相互訪問を進めています。また、私たちの行動指針や活動内容に共感していただける宿や企業、個人などの仲間を増やしながら、「LOCAL CONNECT」活動の輪を少しずつ拡げていく予定です。まず日本国内チームでは、品川で行われる地域での祭りに合わせたブース出店等を予定しています。目下準備中の企画も含め、今後の動向はSNSにて順次お知らせしていきます。
【 LOCAL CONNECT 公式Instagram】
https://www.instagram.com/localconnect.asia/
「旅を通した人との交流で、世の中をより良く」当事者間の交流からスタート
締結にあたり、まずは自分たちが「繋がる」ことを体験しようと考え、日韓の代表とスタッフ陣、総勢約50名が、共感ゲストハウスの活動拠点である大邱でにて対面。2日間のワークショップなどのプログラムを終えて、滞在最終日に行われた行われた協定式。地域社会の共生と多文化共生社会の実現と社会課題の解決のため、現地での旅行、経験、交流を軸に、お互いに協力することを誓いました。協定に賛同するゲストハウス全6社は、固く握手を交わし、国を越えた同志を見つけた喜びに思わず涙を流す一幕も。今に至るそれぞれの軌跡が一つになり、未来への大いなる希望が確かに灯された記念すべき会となりました。
初日から伝統的な韓国食、大邱の歴史資料館、歴史を感じさせるツアーガイド、市民の生活の場である市場などのカルチャースポット巡り、さらにはグループに分かれた課題解決ワークショップなど、盛りだくさんの2泊3日の行程を体験しました。
>>大邱滞在時の詳細はこちら
LOCAL CONNECT 代表メンバー
「宿場JAPAN」代表 渡邊崇志
2009年、旧東海道品川宿にて「ゲストハウス品川宿」をオープン。自身がアジアでのバックパッカー体験、ゲストハウスでの交流を通して、自身や他者の人生が変わった経験から、旅行ビジネスを通した本質的な社会課題の解決を志す。日本全国の宿泊施設コンサルティングや旅行ツアーの企画、講演、地域コンテンツの発掘・開発サポートのほか、ゲストハウス開業支援「Detti プログラム」を行う。著書に書籍『ゲストハウスがまちを変える: エリアの価値を高めるローカルビジネス』(学芸出版社)。
「共感シーズ」代表 キム・ソンア
予防医学および職業環境医学科の専門医として20年間、慶尚北道亀尾市と大邱市、慶山地域で外国人労働者の無料診療ボランティア活動を行う。2009年、脱北者支援NPO団体を率いたホ·ヨンチョル代表との出会いをきっかけに、フェアトレード(公正取引)の旅行会社を設立することを企画。共感シーズ設立時、社会的企業として運営が難しいため他の会社が一般的に採択しない「株式会社」の形式を採用。2017年には無事株主に収益の5%配当を達成する。スペイン巡礼を通じて旅行が持っている力と社会変化の可能性を信じるようになり、共感ゲストハウスでその旅程を始めることになる。「家から出たら苦労をすると言われるが、苦労がなければ学べない。トラベルの語源はTroubleだ」「SceneryよりStory, FoodよりFriends」という言葉を胸にフェアトレードツーリズムの道を率いている。夫のイ·ジョンウ氏も医師として共に医療界に携わっており、大邱神戸コリア教育文化センターの院長を務めている。
「共感シーズ」代表 ホ・ヨンチョル
非営利団体の活動を通し、脱北者支援やホームレス支援などを行う。 2009年に知り合ったキム·ソンア代表に語った「フェアトレード旅行会社を設立したい」という一言で、地域の多様な社会問題を解決するため2013年「共感ゲストハウスEMPATHY GUESTHOUSE」を立ち上げ。2015年から観光社会的企業「共感シーズ」を設立。地域観光の活性化を通じて地域経済の成長と共に、未就職の若者、脱北者、様々な理由によりキャリアを絶たれてしまった女性などの社会的弱者とされる人々に働き口と支援サービスを提供。社会的価値を生む企業として地域の文化体験を通して経済を成り立たせ、住民の暮らしに直接的に役立つフェアトレードな旅行を追求している。一号店となる共感ゲストハウスは当時まだ観光要素が希薄で治安的にも良くない立地だったが、10年余り経営を続ける中で旧市街で暗かった路地を明るく人の行き交う通りに変貌させることに寄与。大邱慶北におけるローカルネットワークを通じて地域の多様な人的資源と共に連帯して成長し、さらに持続可能な運営のために努力を重ねる。
「神戸ゲストハウス MAYA」 代表 パク・チョルン
韓国ソウル生まれ。中学生の頃に大分県での日韓学生交流会に参加、言葉の壁を越えて強い絆を育んだ経験から、様々な違いを乗り越えて尊重しあえる社会の実現を志す。ワーキングホリデーで来日し東京の企業に就職。日本人と結婚し営業職に従事していた中で、宿場JAPANによるゲストハウス開業支援「Detti プログラム」を知り応募。2015年から約半年の住み込みの修行期間、約2年の物件探しと地域修行を経て、2017年神戸市灘区に「神戸ゲストハウス MAYA」を開業。地元の水道筋商店街との連携企画「つまみ食いツアー」、摩耶山再生の会との連携企画「摩耶観光ホテル見学付き宿泊プラン」なども手がける。
※第1回「LOCAL CONNECT」に至るまでのストーリーや、締結式・大邱滞在の様子について詳細はこちらをご覧ください。
■株式会社 宿場JAPAN 会社概要
社名:株式会社 宿場JAPAN
会社HP URL:https://shukuba.jp/
代表取締役:渡邊崇志
住所:〒140-0001 東京都品川区北品川1-22-16
設立:2011年3月
資本金:100万円
事業内 容:
- 宿泊施設「ゲストハウス品川宿」の運営
- 宿泊施設「Araiya」の運営
- 宿泊施設「Bamba Hotel Tokyo」の運営
- 民泊施設「Kago #34 Tokyo by Shukuba HOTEL」の運営
- スモールラグジュアリー宿泊施設の受託運営
- 宿泊施設の開業コンサルティング
- 自治体と連携したエリアプロデュース
- おもてなし人材の育成と教育
- ゲストハウス開業支援プログラム「Detti プログラム」の提供