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“小さな宿”から特別なおもてなしを。日本中の島宿で経験を積んだマルチタスカーが思う、宿場JAPANの魅力とは

<プロフィール>

中村公紀 (なかむらきみのり)

1990年2月に生まれ、東京都墨田区の下町で育つ。宿場JAPANでのあだ名はKimmy。

大学の卒業旅行で初めての一人旅を経験し、その時訪れた屋久島をきっかけに島での生活を夢見るようになる。その後、小笠原諸島、父島、礼文島などをはじめ、島を転々としながら民宿や旅館等で働き、レストランの調理補助や接客、農業、一棟貸施設のマネージャーなど幅広い分野での経験を積む。仕事に迷いが生じ始めていた時に、友人であった今津から宿場JAPANの新規開業メンバーに誘われ、それを機に転職を決める。そこで業務委託施設「PETALS TOKYO」の立ち上げに携わり、現在は島での経験を活かしながらフロント・清掃業務や施設のマネジメント、サービス設計、地域との関係構築などマルチに取り組んでいる。

品川を中心に5店舗の施設運営や、地方の宿泊施設開業コンサルティングを行う宿場JAPANには多様な経歴を持つ社員が集まっている。異なるバックグラウンドを持った宿場ファミリーがこれまでどのような人生を辿って、今宿場JAPANにいるのか。メンバーのライフヒストリーを紹介していく連載。
今回は、日本中の島宿での就業を経て、現在水上ホテルの店舗責任者を担当する中村。
多様な宿でのキャリアを持つ中村が語る、宿場JAPANの魅力とは。


紆余曲折の人生を経験した学生時代

--宿場JAPANではムードメーカー的な存在のKimmyさんですが、どのような学生でしたか?

僕は東京都の墨田区で育ち、両親は下町の町工場で製本業を営んでいました。小学生まではクラスの前に出てみんなを笑わせるなど、かなり垢抜けた性格でした。しかし、ちょうど中学に進学する時に両親の会社が倒産し、2人が離婚。家庭環境の急激な変化から、全く勉強もせずに夜遊び生活を送り、クラスの皆から嫌われたこともあるなど、かなり捻くれてしまった時期がありました。

--現在のKimmyさんからは全く想像がつきませんが、その後どのような変化があったのですか?

勉強もほとんどせずに高校に進学したため、周りに問題児の生徒が多く、その時にやっと改心しようと心に決めました。大学生の時は気の合う友人を作れず、ひたすら授業を真面目に聞いて、大学内の団体活動にも所属せず、アルバイトをして過ごす日々でしたね。


島に惚れ込み、本土を飛び出した男が経験した温かくも厳しい世界。

--Kimmyさんと言えば、「島のイメージ」が強いですが、島生活を始めたきっかけはなんでしたか?

大学卒業まで旅行に行ったことがなかったのですが、漠然と屋久島に行きたいという思いがありました。その初めての一人旅で偶然の出会いがあったり、新たな人々との出会いや、そこでの交流体験がとても楽しく、島旅にすっかりと惚れ込みました。その後、屋久島のツアーガイドさんにお勧めされた小笠原諸島に行くことになりまして、そこの民泊で接客スタッフをしていた1人のお兄さんが楽しそうに働いているのを見て、「心温かい島民と多種多様な自然が共存する小笠原で彼のように働きたい」と思ったのが始まりでした。

--その後、父島で働き始めたのですね。

はい。そこで半年ほど調理補助をメインに宿泊業の基礎的な部分を学びました。この時、やりたいことは明確に見つかっていませんでしたが、宿泊業特有の仕事の垣根を超えた人との関係構築ができる点や、働く中で喜びや、やりがいを感じられる点に魅力を感じ、この職で生計を立てていこうという思いはありました。

--これまで南国の島を点々としていますが、その後は北上を続けていますね。

父島の後に沖永良部島で一度農家のアルバイトをし、日間賀島での住み込みアルバイトを終えた後に礼文島に移りました。島の旅館で働いている時に、「桃岩荘」という日本を代表するユースホステルに休日に遊びに行くことがあり、スタッフの方とすぐに仲良くなって、翌年からそこで働くことになりました。

--沢山の島に行って働かれていましたが、何か印象的なエピソードはありますか?

今思えば、周りに厳しい人が多く、その中で日々怒られ、耐えながら過ごしていたことが自分を成長させてくれたように思います。厳しいことを言われても、投げ出さずに一度しっかりと事実を受け入れて相手と向き合うことで、徐々に認めてもらうということ繰り返しながら各島で様々な経験を積んできました。


迷いあればいざ行動。宿場JAPANで一から勉強し直すと思い切って決断

--桃岩荘で現在働く宿場JAPANの今津と出会ったのですね。

はい。その時はお客様として今津(ボブ)さんが桃岩荘に泊まりに来てくださり、そこで自分のやりたいことを相談していました。ちょうど桃岩荘を辞めたタイミングで、ボブさんが働き始めたゲストハウス品川宿に来てみないかとお声がけをいただき、その出会いのご縁から現在この会社で働くに至りました。

--その後、一度CHC株式会社サークルハウスコーポレーションで働かれていますが、宿場JAPANに転職しようと思ったきっかけはありますか?

香川県の豊島で一棟貸しホテルを1人で運営していたのですが、正解がない中で仕事をしていくことに迷いや限界を感じ始めていて、ちょうどその時に宿場JAPANが新たなプロジェクトを始動するタイミングで、人を募集しているとのお話をボブさんからいただいていました。一から学び直すには良い機会だと思い、瀬戸内国際芸術祭を区切りに転職を決めました。


自らアクションを起こし、「地域と人との繋がり」を大切にする宿場JAPANに入ったからこそ自己成長できた。

--現在宿場JAPANで働き始めてから約1年半となりますが、現在の仕事内容は?

昨年の11月から業務委託施設「PETALS TOKYO」の立ち上げに携わりました。その時、東品川のエリアはサービス連携の構築が行われておらず、近隣のお店との繋がりが0ベースの状態だったので、自ら足を運んで各店にご挨拶に行ったり、朝食・夕食の手配の交渉を行ったりと、地域との関係構築を非常に大切にしていました。他にも、各OTAサイトへの登録業務や、備品の購入、代表の渡邊(タカ)さんと実際に試験宿泊しながら、一緒に業務のオペレーションを考えたりしていました。

--初めてのことを任される機会が多い中で、大変だったことはありますか?

やはり近隣のお店と連携を取る中で、委託先の会社様をはじめ、現在特にお世話になっている企業の社長から現場の責任者に至るまで、様々な方と関わる機会がありましたが、そこでのコミュニケーションや交渉がなかなかスムーズにいかず、厳しいことを言われる時も多々ありました。しかし、怒られながらも徐々に相手に近づいていくことを繰り返したからこそ、今の信頼関係を築けているのだと思います。

--Kimmyさんが思う宿場JAPANの良さはなんですか?

やはり、常にお客様のことを第一に考えてみんなが行動できていることだと思います。PETALS TOKYOで働く時は、この方にはどんなサービスを提供していけば良いかを事前にメンバーで話し合って考えたり、お客様がチェックインをして直接話し合った後に調整したりもしています。また、普段からお客様の色々なパターンを想定した上で接客シミュレーションを行っており、いつ何時もお客様に寄り添った対応ができるように備えています。他にも、自らで足を運んで営業に行くことや、地域と連携した様々な取り組みを行い、「地域と人との繋がり」を大切にしているのも宿場JAPANならではだと思いますし、何かトラブルがあった時も1人に責任を押し付けるのではなく、チーム全体で動いて改善していけるのも宿場JAPANの強みだと感じています。

--宿場JAPANに入社してから現在に至るまでの中で、Kimmyさんが感じたやりがいや、成長したと思うことは何かありますか?

お客様に喜んでもらうことがもちろん、一番の大きなやりがいにつながっていますが、もう一つは宿場JAPANに入社するまでに学んだ知識を現場で活かし、より深めていきながら、ちょっとずつ自己成長できていると感じられる時です。例えば、レストランでサーブをする時の料理の説明や、ワインの提供の仕方などは、これまでの調理補助やレストランのホールでの経験を活かしつつ、それが回を重ねるごとに上書きされてレベルアップできているようにも思います。また、PETALS TOKYOでの様々な取り組みを通して、ものの見え方の幅も広がり、以前に増してやれることも多くなっているように感じます。


「マルチタスカーKimmyに委託したい」と言ってもらえるような人材に。

--では最後に、今後Kimmyさんがやってみたいことを教えてください。

お客様により喜んでもらえるサービス設計を考えることはもちろんのこと、今後一緒に働く仲間が増えたときに、彼ら彼女らが快適に働けるような仕組みづくりや、職場環境の整備を行うことも必要だと感じています。また、島で働いている時からマルチタスクで働くことや、小さな宿だからこそ、大きな宿泊施設では細分化されているところを、少人数のスタッフでお客様に寄り添う形で宿を運営できることに魅力を感じていたので、今後も宿泊業に関連する幅広い知識を増やし、様々なスキルを身につけたいと思っています。その上で、現在はPETALS TOKYOの運営委託の業務だけを任されていますが、将来的には「マルチに色々な経験を積んできたKimmyだからこの案件を任せられる」と言ってもらえるような人材になりたいと考えています。

(執筆:小河恵美里 企画:今津歩 撮影:栃久保誠)


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