MadeHereのマーケティング・採用担当のYuki Tanakaです。
今回はMadeHereの設立から現在の廃番事業へ移ったストーリーをご紹介します。
設立
株式会社MadeHereは、2016年2月、山梨県甲府市で「株式会社3D Printing Corporation」として設立しました。3Dプリンターの販売と受託製造をメインの事業として、自動車・エネルギー・医療・宝飾・防衛、大学等研究機関など幅広い分野における3Dプリントの活用を支援してきました。
会社は拡大し、2019年には現オフィスの横浜市鶴見に移転しました。
主力事業の転換
数多くのご依頼に向き合う中で、多くのお客様は共通してある課題を抱えていることに気づきました。それは「従来の製造元や図面データを失い、調達困難となった部品が発生し、設備や装備が稼動停止に陥る危機に直面している」ということです。民間産業や防衛分野を問わずこの課題は発生していて、このような課題を抱える部品は廃番部品と呼ばれています。
私たちはこれまでに培ったエンジニアリング力でこの課題に貢献できるのではないかと考え、2025年に廃番部品事業へ本格的に舵を切りました。
そして事業転換に伴い、2025年9月には社名を「株式会社MadeHere」に変更しました。
3Dプリントという手段からの進化
3Dプリントといえば、「設計データさえあれば、必要なときに必要な数だけ作れる」といった期待を誰もが持つのではないでしょうか。私たちも当初は、3Dプリントの活用による廃番部品の課題解決を目指していました。
しかし現実では、3Dプリントによって「製造そのものの時間」を短縮することができても、日本のプラント設備が求める「過酷な環境でも確実に稼動できる品質基準の検証」に膨大な時間とコストがかかります。それでは事業の本質である「設備稼動維持の実現」に十分に応えられません。
さらに、廃番部品はアイテムごとに素材・形状・求められる性能、そして製造上のネックとなるポイントが異なります。
そこで私たちは、「3Dプリントによる製造」にこだわるのではなく、あらゆる製造方法の中からアイテムごとに最適な方法を提案できる「包括的なエンジニアリング力」を強みとする方向へ軸足を移しました。
この包括的なエンジニアリング力の1つに、3Dプリントの設計手法『DfAM』で培った設計力も活きています。部品の機能を保ったまま形状や構造を最適化することで、長寿命化や製造期間の短縮を叶えています。
図:DfAM【Design for Additive Manufacturing(積層造形のための設計)】の例
デジタルによる垂直統合された製造
設備稼動を止めないためにも、廃番部品はリードタイムを重視した製造が重要となります。また、廃番部品の製造は多品種少量生産であることも特徴的なので製造管理も煩雑になります。そのため製造データや進捗管理は従来のアナログ管理ではなく、デジタルを活用した効率的な仕組みが欠かせません。
MadeHereは以前より製造とデジタルの融合の可能性を感じ、ソフトウェアチームを発足していました。2024年には自社開発の製造管理プラットフォーム「Taiga」をリリースし、データを活用した製造の有効性を確信しました。
廃番事業でより迅速な製造を実現させるため、日々の活用で各部門から寄せられたフィードバックをもとソフトウェアチームによるアップデートを重ね、「Taiga」は進化し続けてきました。
現在ではエンジニアリングデータ、サプライチェーン、部門間のコミュニケーションなど製造に関わるすべてをTaiga上で管理し、製造フローを垂直統合することで、廃番部品の製造を迅速にしています。
民間・防衛でのデュアルユースとしての活躍
MadeHereのソリューションはエネルギーや化学をはじめとした産業プラントだけでなく、米軍や自衛隊の防衛装備品の分野でも活躍しています。2026年には、米国海兵隊と戦略的パートナーシップを締結しました。このパートナーシップにより、インド太平洋地域で発生する廃番・不足部品の供給を日本国内から包括的に支援する枠組みの構築を進めています。
稼動を絶やさない未来のために
MadeHereは、まだ発展の途上にあります。今後も日本の産業の持続と、防衛装備品の稼動率維持に、これからも貢献してまいります。