今年3月、川越工場が、ドイツに本社を構えるアドラゴスファーマ(CDMO:医薬品製造開発受託機関)の傘下で、川越製薬株式会社として発足以降、半年以上が経過しました。技術部施設技術グループの上司、部下の関係になる飯島さんと福田さんに、それぞれ、現在の心境などをお聞きしました。
川越製薬株式会社川越工場技術部施設技術グループマネジャー 飯島岳彦さん
― 今年3月、川越製薬株式会社として新たなスタートを切りました。変化はありましたか?
私のチームは川越工場の縁の下の力持ち的存在です。新会社となった今も職務そのものや、トラブルがあったときに原因を追究し、解決する、他部署からの要望に応えるといった仕事のスタンスは変わりありません。印象深かったこととしては、今年の夏、品質管理部において除湿環境で試験を実施しなければならないことがありました。既存設備を利用して除湿環境を作るという困難な課題でしたが、狭い試験室に除湿器4台を入れて解決することができました。
変わった部分としては、新会社として自分たちでやらなければならない部分が増えたことです。例えば、これまでグローバルまたは本社機能でカバー、管理されていた購買システムを、コストを意識しながら自分たちで作り上げていかなければなりませんでした。新しいシステムや仕組みを組織横断的に協力しながら作り上げていくことは、大変でありながら面白さもあります。
― チームの雰囲気はどうですか?
3年ほど前に熟練のシニア社員が複数名退職したことにより、生産現場の若手社員数名がチームに異動してきました。それらのメンバーが新たな知識、スキルの習得を継続しており、チーム内のジョブローテーション(設備、機械担当者の変更)も順番に行っています。3月に会社が変わったことよりも、そちらの変化の方が大きいですね。正直なところ、部下社員の育成に十分に時間を掛けられていないと感じており、自分自身の課題でもあります。一方、時間をかけて人を育てることも大切ですが、効率的に行うことも求められます。期間を決めてツーマンセル制をとるなどの工夫が必要です。
― チームにとってのチャレンジは何でしょうか?
会社の目標、戦略をしっかりと理解し、行動に移すことが大切です。比較的自由度が高く働きやすい職場環境ですが、ともすれば、自分の好きな仕事を優先する傾向にあります。会社の目標の一つである各種ダッシュボードの充実とデータ活用に積極的に取り組みたいと考えています。そのためにはチームメンバーのために作業時間を確保する必要があります。単純業務をアウトソースすることにより、チームメンバーは、より専門性の高い仕事に専念することができます。メンバーの動機付け、どうやって取り組んでもらうかを考えていく必要があります。
― 飯島さんの趣味が星の観察であることは、社内では有名ですね?
工場内の有志メンバー数名と一緒に、または一人で星を見に行きます。インスタグラムにも投稿しています。10月6日に開催したオクトーバーフェスト(会社のお祭り)にも写真部としてお店を出店しました。日本では見ることができない星座に憧れています。南半球でないと観測できない星もあるため、いつかオーストラリアに行きたいと思っています。チームの以前のマネジャーさんたちも、自分の趣味を持っていて、仕事との切り替えにめりはりをつけていましたので、自分もそのように心がけています。
川越製薬株式会社川越工場技術部施設技術グループスタッフ 福田 雅刀さん
― 現在の仕事のご担当は?仕事のやりがいは何でしょうか?
精製水設備の保全と設備の更新、電気設備の保守と更新が、自分の業務の大きな柱です。2020年10月に生産現場から今の部署に異動してきました。最初は全くの畑違いで苦労しましたが、最近は仕事が楽しくなってきました。工事のスケジュールを立案、実行していくのが自分の役割ですが、社内外の関係者(外部業者さん、バリデーションがからむと品質保証部、品質管理部など)と連携しながら工事を進める際の段取りが以前より上手にできるようになってきて、そのことがやりがいにつながっています。
― 苦労している点は?
知識がまだまだ追いついていません。調べながら業務を進めていますので、正直効率が悪いと思う場面もあります。困ったときには、業者さんにも積極的に質問をして協力してもらっています。3月に会社が変わりましたが、業者さんとの関係性は変わらず、自分は恵まれているなと思います。仕事をこなす度に知識が増えてきているのが実感できます。
― チームの課題は?
どの部署にも言える事かと思いますが、新しく入られた方(異動、入社)への教育や業務の引継ぎ体制をより良くするために、説明動画を充実する等の工夫をしていければと考えています。また、重要な作業に関しては、説明動画だけではなく、OJTとの併用が良いと思っています。
― プライベートについて
子育て世代の方々に共通するかと思いますが、家に帰ったら仕事のことを考える余裕はないです。子供も小さいので、妻に家事をまかせっきりというわけにはいきませんので、私も家事をします。しかし、仕事から帰宅後に時間が少しできた時に、子供と近所を散歩したり走ったりして息抜きをしています。
― 今後のキャリアは?
まだ、しばらくは技術部でがんばりたいです。今の状態だと中途半端な技術部員になってしまいますので、トラブルがあっても自力で解決できて、工事を進められようになりたいと思っています。異動して3年でこんなものなので、10年くらい経たないと一人前にならないのかな(笑)。電気系の資格をとりたいのですが、そこは自分の甘さなのか、計画的に勉強を進めるのが難しいです。夜間学校があるので通えれば良いのですが、今は子育てで忙しく微妙です。
― 短期集中的に、昼間の時間を使えるといいですね。人事部としても考えたいです。