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社員インタビュー#02 品質管理部

今年3月、川越工場が、ドイツに本社を構えるアドラゴスファーマ(CDMO:医薬品製造開発受託機関)の傘下で、川越製薬株式会社として発足し、半年以上が経過しました。品質管理部の鈴木さんと園田さんに、業務や職場の様子についてお聞きしました。

川越工場品質保証統括部品質管理部無菌製剤試験グループ 鈴木美奈子さん & 園田朋判さん

― 昨年10月に川越工場のアドラゴスファーマへの事業譲渡の発表があり、今年3月、川越製薬株式会社として新たなスタートを切り、半年以上が経ちました。お二人の気持ちの変化やお仕事の様子について聞かせて下さい。

鈴木さん
私は、昨年10月にこの話を聞いたときは、正直に言うと、ネガティブな感情を持ちました。川越工場で品質管理の仕事をしながら、将来、自分がやりたい別のことを目指していましたので、その選択肢がなくなりどうしようかなと思いました。工場以外でのキャリアパスを考えていた人達にとっては、ショックだったのではないかと思います。私の場合、目の前にやらなければならない仕事が毎日あって、一緒に働いている仲間たちがいるので、最初に感じた思いが消えたわけではありませんが、日々を頑張って過ごしています。

仕事に関しては、正直、あまり変わったという実感はありません。前の会社(フランスの製薬企業)で培われた習慣は続いています。会社が変わったことにより、SOP文書の改訂などで忙しくなってはいますが、今は顧客となった前の会社にリクエストされた納期を守るということに変わりはありません。

園田さん
自分も昨年10月に発表があったときは、ショックを受けましたが、こうなったからには前向きにとらえようと思いました。というより、前向きにとらえるしかないと思いました。

仕事に関しては、逸脱処理、変更管理にこれまでより時間がかかっています。製販(注:医薬品製造販売会社、川越製薬にとっては委託元であるフランスの製薬企業がその1つ)に問い合わせをして、彼らの正式回答を待つというプロセスが入ります。納期の関係で、試験を急がなければならないこともありますが、逸脱がおきたときには、委託元からの回答を入手してから判定を出す必要があります。2月末までと同じ製品を作っていますが、委託会社と受託会社に分かれたことにより、手順が増えました。会社間でフローの改善に向けての話し合いを行っていると上司から聞いています。

― チームの職場環境の変化について

園田さん
3月から新しい会社に変わりましたが、一緒に働くメンバーや仕事内容は変わっていませんので、職場の雰囲気に変化はありません。とはいえ、先程お話したような課題などもあり、皆、忙しい状況が続いています。人員が補充されるまで、皆で力を合わせて乗り切るしかありません。

― 変わらず、良いところは?

園田さん
いろいろな面で働きやすいと思います。どんなに忙しくても皆の協力体制が整っています。それは大切にするべきカルチャーですね。何かあったときには、昼礼のときなどに「忙しいのでサポートして欲しい」と言える雰囲気があります。皆が忙しく、対応に時間がかかることもあるが、試験責任者やリーダーがきちんとフォローをしてくれます。ずっと放置されるということはありません。

鈴木さん
皆さんすごくまじめですよね。逆にがんばりすぎちゃうところがあり、心配になってしまいます。自分も忙しいのに、困っている人がいると仕事を引き受けてしまう人が多い。すごいなと思うし、そういう人をみていると自分も頑張ろうと思います。

園田さん
もう1点、男性目線の話ですが、育児休暇に限らず、お休みをとりやすい環境にあります。女性の場合は、「育児休暇を取ります。子供が発熱して帰らなければなりません」という状況に対して、応えてくれる会社は多いと思いますが、川越の場合は、男性の自分に対しても配慮をしてくれます。実際、保育園から連絡がある場合は業務に支障が無ければ早退をさせてもらっています。子供が生まれたときにも、上司から「育児休暇をとらなくて良いの?」と聞かれました。自分の場合、育児休暇の制度は使いませんでしたが、溜まっていた有給休暇をまとめて取得し、1か月程度休みをもらいました。上司からの一言が、休みを取る決断の後押しをしてくれました。

鈴木さん
女性にとっても働きやすい職場であると自信を持って言えます。自分は二人子供がいますので、産休育休を2回取りましたが、周囲の皆さんの理解があり、お休みを言い出しにくいとか躊躇するといった雰囲気、プレッシャーはありませんでした。妊娠期間中も周囲の方々に親切にしていただきました。お休みに入る前後の業務の引継ぎ、復職もスムースで本当にありがたかったです。結婚、出産を考えている方も、安心して仕事を続けられる土壌があると言えると思います。子供たちも成長し、今度は次に産休育休を取る人の引継ぎを自分がするようになったり、急なお休みのフォローに入ることもあり、お互い様でつながっていけることをうれしく感じています。

また、育児休暇に限らず、お休みがとりやすいですね。コロナ、介護、体調不良(本人、家族)、様々な状況がありますが、不平不満を言うことなく、自然にお互い様という雰囲気でフォローしあえるところは、職場環境として本当にお勧めしたいです。

― 品質管理部だけではなく、他の部署を含めて川越工場では、出産が理由で退職する社員は居ませんし、育児休暇からの復職後の定着率は100%です。最近の傾向ということではなく10年以上前からそうでしたので、会社が誇れる文化と言えると思います。

―  一方、職場環境で、もう少しよくできるところ、改善点は?

園田さん
私が所属するグループは製品群が多く、社員、契約社員は忙しいのですが、派遣スタッフにも影響が及んでいます。派遣スタッフの方々は、基本的に社員の指示のもと業務をしていただきますが、他グループと比べると、派遣スタッフの方々の業務内容が複雑で広範囲であると聞いています。そのことにやりがいを感じている方もいますし、個々人で、モチベーション、考え方の違いはありますが、時々、派遣スタッフがカバーする業務範囲を超えて仕事をお願いすることになってしまうことがあり、改善が必要な状況です。

鈴木さん
派遣スタッフの方々は、まじめで一生懸命働いて下さる方々ばかりです。過去には、社員に登用される機会に恵まれず、すごく優秀だったのに辞められてしまった方も居ました。会社に長く勤めていただき、一緒に働きたかったなという人がこれまでの10年間で何人かいました。品質管理部で習得してもらったスキルや技術は貴重です。新しい方が入社しても業務の習得には時間がかかりますので、優秀な派遣スタッフが離職することの影響は大きいです。直接雇用社員についても然りです。様々な事情や背景が影響しているとは思いますが、スキルと経験を培った人員が抜けていくのは、とても残念です。川越製薬で成長したいという思いを持ち、自己実現ができる、後任が育つ、という正のループが形成されるといいな、と思います。

― 以前の川越工場は、全体の人員数を減らしていかざるを得ない状況でしたので、派遣スタッフの直接雇用への登用も慎重に行ってきました。これからは、アドラゴスファーマの経営方針のもと、川越製薬は成長・発展していきますので、優秀な派遣スタッフの直接雇用への登用を継続的に行いますし、ご存じのように、直接雇用社員の募集(キャリア採用)も行っています。鈴木さんが心配されているようなことは、今後は改善していけるものと考えています。

鈴木さん
もう一つの改善点ですが、デジタル化が進んでいないと感じています。在宅勤務でできる仕事が少ないので、子供が居る身ではつらいことがあります。GMP書類が紙なので自宅に持ち帰るわけにはいきません。出社してやる仕事の方が断然多く、週の半分くらい在宅勤務でできたらどんなにパフォーマンスがあがるだろうと思いつつ、ほぼ毎日出社しています。出社しなくてもできる仕事が増えると良いと思います。世間的には在宅勤務が増えてきていますが、川越製薬では、品質管理部を含めて出社がメインの仕事がある、ということはこれから入社を考えていらっしゃる方には、しっかりと理解いただく必要があります。

― 他社さんの品質管理職では、固定・シフト勤務のところもあります。在宅勤務とは違う話になってしまいますが、当社はコアタイムがないスーパーフレックス制度を品質管理部にも適用していますので、採用面接の場では、候補者の方に驚かれることもあるんですよ。当社は、働き方のフレキシビリティはある方なのかなと思います。在宅勤務も全くできないわけではありませんしね。

鈴木さん
今は在宅勤務でできる仕事をためて、在宅勤務のときにこなしています。コアタイムなしのフレックスタイム制には大変助かっています。通院や、保育園からの呼び出し等でも有給休暇を取ることなく、その日の勤務時間の不足分を別の日の残業で補ったり、在宅勤務を活用します。世間的に子育て社員でよく聞く“有休がなくなる危機”はこのおかげで回避できています。

園田さん
自分の場合、在宅勤務はほぼゼロです。職場が自宅から遠くないこと、メンバーからの相談やトラブルは現場にいたほうが状況を把握しやすく、迅速に対応できるためです。しかし家庭の事情などでやむを得ないときは、無理せず在宅勤務を活用しています。

ー 率直なコメントをお伺いできました。ありがとうございます。

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