アジアのケージフリー卵の生産を加速するプログラム
フードビジネスが家畜福祉に配慮した調達目標に向けて食品企業を支援をする、というグローバルフードパートナーズ (GFP) の使命を達成するためには、常にイノベーションが必要です。私たちにとってこれは、革新的なパートナーシップと戦略を意味し、既成概念にとらわれず、サプライチェーンの長期的な変革を生み出すために必要なソリューションを創造することを意味しています。
これは、Textile Exchange(皮革と綿)、Global Roundtable for Sustainable Beef(持続可能な牛肉のためのグローバル・ラウンドテーブル)、Proterra(大豆)、Global Food Partners(ケージフリーの卵)などの主要な持続可能性基準の所有者と組織が初めて協力して行う、インパクト・アライアンスとのパートナーシップを発表できることを嬉しく思います。インパクト・アライアンスは、企業が主要商品の持続可能な調達目標を達成するための支援を行っています。インパクト・アライアンスへの参加は、特に困難なアジア市場において、ケージフリー卵のコミットメントを達成しようと努力しているクライアントやパートナーにとって重要なツールとなるでしょう。
私たちは、食品企業との一対一の対応や、より福祉水準の高いケージフリーシステムに移行するサプライヤーを農場でサポートするなど、従来のサービスを継続しますが、アライアンスに参加することで、ケージフリーを実践するための新たなツールを提供できるようになりました。
このアライアンスを通じて、食品企業はケージフリーのインパクト・インセンティブを購入できるインパクト・パートナーシップに参加することができます。皆様の参加がケージフリー卵の生産を加速するとともに、家畜福祉に配慮した生産活動を実践している生産者に対する金銭的なインセンティブとなります。
インセンティブのアイデアは何年も前からあり、RSPO(持続可能なパーム油に関する円卓会議)やRTRS(責任ある大豆に関する円卓会議)など、すでに確立された他の信用取引プラットフォームをモデルにしています。現在、私たちはこの技術と学習したことを、ケージフリー卵を含む他の商品にも応用しています。
ケージ・フリー・インパクト・インセンティブの仕組みは以下の通りです。
- 認可されたケージフリーの基準やベンチマークを満たした生産者は、その生産したケージフリー卵に対して認証(インセンティブ)を受け取ります。ケージフリー卵1,000個でインセンティブ1件に相当します。
- 生産者はインパクト・アライアンスのケージフリー卵プラットフォームに登録してこれらの認証を販売します。
- 食品企業は、同じプラットフォームに登録し、年間の従来の卵の使用量の合計、あるいは一部に対し、この認証を購入することができます。購入者がサプライチェーンの中でケージフリー卵を実際に受け取ることはありませんが、ケージフリー卵の生産を奨励し、ケージフリー卵を支持すると主張をすることができます。
ケージ・フリー・インパクト・インセンティブの最も魅力的なメリットの例として、以下が挙げられます。
スピーディーな実施
私たちは、食品企業がサプライチェーンをマッピングし、新しいケージフリー生産システムを理解し、新しい生産者に移行するまでにかかる時間を回避することができます。食品企業は、クレジットを購入したらすぐに、ケージフリーの誓約に向けた進捗状況を関連するステークホルダーに伝えることができます。
柔軟性
インセンティブは卵の実際の賞味期限とは連動しておらず、長期間保有することができ、国や地域レベルでまとめることができます。
効率的な運用
食品企業は、卵の既存のサプライチェーンを乱すことなく、ケージフリー卵の生産をサポートすることができます。卵のサプライヤーを変更したり、サプライチェーンの継続性を危惧する必要はありません。その代わりに、インパクト・インセンティブは、最終的には現物調達に結びつくように、ケージフリー卵の供給体制を構築するのに役立ちます。より高い家畜福祉基準を満たした生産に向けて努力している農家には、ケージフリー卵にプレミアムが与えられます。家畜福祉のために農家にプレミアムを支払い、次いでサプライチェーンの各段階でそのコストを増加させるのではなく、食品企業は、インセンティブを送るためのわずかな手数料で、ケージフリー農家を直接支援することができます。インパクトインセンティブは、場所や規模に関係なく、小規模農家を含むすべての生産者が動物福祉のためのプレミアムを得る機会を創出します。また、農家にとっても持続可能で包括的なものとなります。
ステークホルダーが賛同
インパクト・インセンティブは、企業がケージフリー卵への約束を実現するための手段として、主要な国際動物擁護団体に支持されています。
進むべき道
インパクト・インセンティブは、ケージフリー卵の生産に向けた重要な第一歩であり、発展途上国市場におけるケージフリー卵の重要な供給への投資と開発に貢献します。これは、最終的にケージフリー卵を物理的に調達するためのインフラと道筋を提供します。
食品企業には、さらに一歩進んで、インパクト・パートナーシップに参加するという選択肢もあります。インパクト・パートナーシップを通じて、食品企業は、卵生産者がケージフリー生産システムに移行するためのトレーニングやインフラを直接支援します。ケージフリー卵のインパクト・パートナーシップ・プログラム・パートナーとして、グローバル・フード・パートナーズの動物科学者と技術専門家からなるチームは、生産者にトレーニングを提供し、食品企業と協力してインパクト・ストーリーを作成し、伝えていきます。インパクト・パートナーシップの目標は、3年以内に、これらのケージフリー卵農家がインセンティブの取引を行うか、ケージフリー卵を食品企業に直接供給するようになることです。
アジアのような発展途上市場においてケージフリー卵のサプライチェーンが持つ独特性は、食品企業がケージフリーポリシーを実施する上での課題につながるおそれがあります。インパクト・インセンティブの革新的な力によって、食品企業は現在のサプライチェーンを妨げることなく、持続可能性の目標を達成することができます。同時に、インパクト・パートナーシップ・プログラムを通じて、企業は世界的にケージフリー卵生産の進展を支援する上での主導権を握ることができます。皆様が私たちと同じようにインパクト・アライアンスの変革の力に興奮し、卵生産における長期的な持続可能性の推進に向けてご参加いただけることをお待ちしています。
詳細のお問い合わせ先:japan@globalfoodpartners.comまたは直接リンクから、 COOとのミーティングをご予約くださ い。