1
/
5

仕事も生活も、妥協しない。自分に合った環境を求め、新天地カナダへ。~息子のために“ドル”で稼げるエンジニアを選ぶ~

自分にマッチする生活環境を求めて中国から海外へ

エンジニアにとって、仕事内容が重要であることに異論はないだろう。しかし、“どこに住むか”もまた重要な要素である。家族含めた生活・社会環境、また子どもの教育なども国や地域によって大きく異なる。自身にもっとも合った環境・生活を求めて挑戦を続けているのが、2nd Communityのエンジニア、康 育哲だ。北京化工大学大学院を卒業後、北京でエンジニアとして働いていた康は住環境などが自分にはマッチしないと、海外移住を考えるようになった。「2011年に息子が生まれ、より良いと思える環境で子どもを育てたいと本格的に移住計画をスタートしました。ですが、当時は大学内の小さな企業に勤めていてかなり忙しく、移住の準備をする余裕がありませんでした」また、当時、大卒者の平均月収は5~6万円ほど、コンピュータサイエンスの修士を取得しても平均月収は8万円程度だった。

そこで、日本企業の中国支社に転職。給与は月収14万円ほどにあがったうえ、残業の少ない環境を手に入れた。「もうひとつ、ここで手に入れたのが日本語スキルです。現地の同僚同士では中国語ですが、日本本社には日本語で報告する必要がありました。最初は日本語を話せる上司に通訳してもらっていたのですがかなり大変で、なるべく自分でも話せるようにと日本語を学びました。ここで身につけた日本語スキルが結果的に自分にとって大きなプラスとなりました」その後、給与アップを目指して再度転職し、次男も誕生。並行して海外移住の手続きを進めていった。

ついに日本へ移住。生活・教育ともによりよい環境に

「転職先は、フランス企業の中国支社でしたが、本社への異動ルートはなく、フランスへの移住は難しいと断念しました。そのほかの移住先を検討するなかで、候補に挙がったのが日本です」ちょうど友人に日本企業を紹介され、採用・日本勤務が決まったことから、2016年、ワーキングビザを利用して、日本に移り住んだ。「日本は空気や水もきれいですし、生活面がかなり改善しました。子どもの教育を見ても、日本に来てよかったと感じました」

来日したとき、長男は5歳、次男は1歳。長男は日中バイリンガルの保育園ではなく、敢えて日本の保育園に通わせた。「言葉の壁はありますが、日本語を早く習得するなら日本の保育園がいいと考えました。長男も半年ほどで先生や友だちとコミュニケーションできるようになっていました。子どもの成長はすごいですね」次男は3歳から幼稚園に入園。先生のサポートも手厚く、幼稚園生活にもスムーズに慣れたという。

言われた通りに開発するだけでは、スキルを発揮できない

生活面での満足度は高まったものの、次に課題となったのが仕事だった。前職は受託開発が中心で、客先に常駐していた事情もあり、コロナ禍でもテレワークが一向に進まない。また、言われたことを言われた通りに開発するしかない状況にも不満があった。そのなかで、先んじて2nd Communityに転職した同僚から誘われたことが転機となる。「2nd Communityなら自社サービスの開発に関われて、テレワークで在宅勤務も可能とのことでした。しかも前職より給与も上がるとなると、断る理由がありません」こうして2020年、2nd Communityに入社、仕様の策定や提案から実装、リリースまでトータルに担当できるようになった。「一緒に仕事をしたいと思える人たちと働けていますし、仕事面の満足度も高まりました」

さらに掴んだ「カナダ移住」のチャンス

こうして、順調に2nd Communityでの仕事を進めていた康だが、実は迷っていることがあった。来日前、もうひとつの移住先候補としていたカナダの永住権を取得できたのだ。「カナダは国ではなく州単位での永住権申請が可能で、提示された条件をクリアできたので申請していましたが、返事がなく、先に目途の立った日本に来ました。ところが2nd Communityに転職する少し前に、申請が通った旨の連絡がきたのです。今はまだ、世界は英語圏を中心に動いていますから、できれば子どもたちには英語環境で教育を受けさせ、国際的な才能を育てたいという想いが強くありました」英語の生活環境で暮らし、教育を受けることは、将来の選択肢を大きく広げることになる。カナダの学校を卒業していれば、アメリカの大学に進学する可能性も高まるかもしれない。いつか日本に戻る道もあるかもしれないが、その選択は子ども自身に任せたいと考えていた。

日本とつながりがあるからこそ、思い切りカナダに挑戦できる

恵まれた環境をつかんだばかりだが、チャレンジしたい気持ちは募る一方だ。「悩んでいても仕方がないと、社長に相談したところ、2nd Communityに所属したままカナダに移住すればよいと言われて……そんなことができるのかと驚くとともに、一番いい形で新しい場所にチャレンジできると嬉しかったのを覚えています」2nd Communityでも日本のエンジニアの価値を強みに、海外で新たな道を模索できないかとチャンスを窺っていた。康の移住要望は、2nd Communityにとっても格好の申し出だったのだ。「2nd Communityのサポートを受け、日本での永住権を申請・取得できたこともあって、いつでも日本に戻れるなら、カナダ移住にも思い切りチャレンジできると吹っ切れました」2017年に購入していたマンションは、売却せず、賃貸に出すことにした。自身の資産となることはもちろんだが、家族と日本とのつながりでもある。こういった基盤も大きな後押しになった。そして、業務に慣れるまでは国内で勤務してから……と、2022年8月、家族とともにカナダの首都・オタワへと移住する。

長男は小学5年生、日本の学校にも思い出は多く、新しい環境へのチャレンジに抵抗がないわけではなかった。「長男は学校の吹奏楽部でトランペットをやっていて、夏休みにあるコンクールには参加したいと頼まれました。学校の代表として出場し、銀賞を受賞でき、最後にいい思い出になったと思います。友だちからもたくさん手紙をもらって、今まで環境に恵まれていたと改めて感じました」

働く場所は問わない、カナダにいても同じように働ける。住まいは閑静な住宅地。リモートで日本とつながりながら落ち着いて仕事ができる環境です。

カナダ移住後も業務内容は、日本にいたときと変わらない。習い事や学習塾のDX戦略をサポートする「SQSQ」事業のカスタマーサポートや問い合わせ、会員管理システムの開発を担当し、デザイナーによるUIにあわせて各種機能の実装からリリースまで全般を担う。

日本との時差は13時間、昼と夜が逆になるが、柔軟な勤務体系で問題なく対応できているという。「フレックス制で1日5時間のコアタイムはありますが、残りの3時間は夜9時から勤務にして日本のメンバーと打ち合わせをするなど自由に設定できるので問題ありません。仕様やデザインさえ確定すれば、実装は自分のペースで進められますし」もちろん、進捗が遅れる場合などは報告が必要だが、チャットやメールでの連絡・調整で十分対応できる。仕事の内容も、やりがいも、しっかり維持している。

生活して気づく、カナダならではの“自由さ”。ダウンタウンは、レストランの種類もショッピングセンターもたくさんあって不便はないですね!(写真右側が、康育哲)

一方、生活は日本との違いを感じることも多い。オタワは人口100万人ほど、ビジネスの中心であるダウンタウンこそ賑やかだが、康が住むアップタウンは住宅街で、高層ビルなどはほぼなく、東京と比べて静かで落ち着いた雰囲気だという。「コンビニまで歩いてすぐ、という東京とはかなり違います。基本的に車社会で、まだ車を買っていないので時々不便を感じますが、大きな問題はないですね。バスで10分ほどのマーケットには和食・中華・洋食・フレンチ・イタリアン……とレストランも揃っていますし、食材も充実しているので自炊にも困りません」

なにより社会全体を通して感じるのが、大らかさだ。「日本は日常の様々なシーンで礼儀正しさを感じましたが、カナダではそれがあまりなく、自由さを強く感じます。今は休日になるべく外に出て、現地の人とコミュニケーションをとるようにしています。なにもかもが新鮮で楽しいですね」

英語が話せない生徒へのフォローが手厚い

気にしていた教育はというと、現在、2人の子どもは現地でカトリック系の小学校に通っている。カナダ移住が決まってから、英語のオンラインレッスンを受けたものの、しっかり話せるレベルではない。ただ、カナダの学校は英語が話せない生徒に慣れていて、英語コミュニケーションを支援する先生がいたり、タブレットでGoogle翻訳を使いながらサポートしてくれたりと、サポートは手厚い。また、日本からカナダに移住して、日本語・英語が話せる先生もいるので安心だという。「高学年の長男の方が大変そうな印象はありますが、特に算数などは日本の方が進んでいたため、“一度習った内容を学びなおす”形になり、少し楽かもしれません。こちらにきて2ヶ月、英語のレベルがどんどん上がっているのを感じるので、子どもたちの成長力に期待ですね」将来は中国語・日本語・英語・フランス語の4か国語を話せるようになるといい……と願う。日本語力を伸ばすためにも、今後は日本大使館が主催する日本語学校にも通わせる予定だ。

ルールの多い日本とは違う。“自由さ”は学校でも。多国籍なのは当たり前!先生も柔軟に対応してくれる。

Google翻訳の活用なども柔軟な対応を感じるが、学校全体としてもカナダは驚くほど“自由”なのだという。「日本の小学校は確かに勉強の進みが早く、学ぶ内容が欧米より多いかもしれませんが、ルールも多くて、子どもの成長によいのか悪いのかはっきり分からないと感じることもありました。カナダの学校にはルールがなく、子どもたちに、自由に好きなことをやらせることができると思います」たとえば、時間割はあっても日本のように細かく決められていることはなく、読書の時間には自由に好きな本を読めて自分の席にいる必要もない。「通い始めて2ヶ月経ちましたが、一度も教科書を見ていませんし、宿題もありません。子どもたちは日本とカナダ、どちらの小学校も気に入っていますし、この環境でいろいろな経験ができればいいと思います」

目指すは海外での開発案件受注。カナダ支社設立へ。カナダ支社絶賛設立準備中!9月に本社メンバーがカナダを訪問。物件探しをはじめ準備を進めていきました。

現在、康は2nd Communityカナダ支社設立に向けて動いている。2023年1月から、エンジニアが1名カナダに渡り、今後もメンバーを拡充する予定だ。シェアハウスを兼ねたオフィスを用意する予定で、まずは2nd Community社内の開発案件が中心だ。「海外生活の第一歩としてトライしやすい環境にできるのではないかと思います。もちろん日本とは時差や距離がありますから、しっかりコミュニケーションを取り、能動的に動くことは求められますが、カナダの大らかな社会や環境に興味がある、海外の生活に挑戦したい、という方はぜひチャレンジしてほしいです」

将来的にはカナダ支社をベースに、海外の開発案件受注も目指す。仕事に妥協はない、だからといって住みたい場所も諦める必要はない。新天地で挑戦する基盤は、整いつつある。

康 育哲

システムエンジニア。北京化工大学大学院修了。博華科技株式会社(中国・北京)にて機械診断システム開発、横河電機株式会社中国子会社(中国・北京)にて産業自動化システム開発、FuturMaster(中国・北京、本社フランス)にてサプライチェーン管理システム開発を担当。2016年来日でゼータ株式会社にて企業向けの受託開発および自社AI製品の開発に参画。2020年2nd Communityに入社、お問合せチャットボットやSQSQシステムの開発を担当。2022年8月よりカナダへ移住。

2nd Community株式会社's job postings

Weekly ranking

Show other rankings
Like 一花 徳行's Story
Let 一花 徳行's company know you're interested in their content