ニッポンを「創発」でいっぱいに!
かつて、日本の大企業からアメリカの大企業に移籍したとき、その圧倒的な生産性のパワーに度肝を抜かれました。
彼らは目に見えやすい要素に集中し、そこにすべてのリソースを戦略的に投じることでパフォーマンスを挙げるというスタイルを確立していました。
生産性を高めるなら、目に見えにくいものも大事にするなんて日本人好みのことをやっていたら絶対に彼らには追いつけないと知りました。
で、私もその方法論を徹底して身につける努力をしました。結果、とても気持ちよくパフォーマンスが挙げられるようになりました。ポジションも給料もすごい勢いでアップし出しました。
でも、何か満たされない想いが残るようになりました。外資系HRのキャリアを捨て、日本的な組織風土改革支援をするスコラ・コンサルトに飛び込んだのはそんな背景がありました。
それから12年。日本企業のさまざまなチームとともに試行錯誤してきました。
日本企業はいわゆる合理的な「生産性」で勝負してはいけないのです。あるいは、「生産性」の定義を刷新することです。
私はそのキーになるのが「創発」だと信じています。
一人ひとりの想いや行動が、縦横無尽に重なり合うことで、その総和を超える圧倒的なエネルギーや結果が生まれることです。
これは、一見、非合理・非効率的に見えます。一人ひとりのぶつかり合いは、矛盾や葛藤を生みやすいからです。でも、そこにチームによる創造性が生まれる可能性が隠れています。
創発が生まれるための条件は2つ。
一つは個がある程度、自立・自律していること。一人ひとりが弱くては意味がありません。でも、日本人は個の強さが大事であることを自覚し、この力を磨いてきているように思います。
もう一つは、個の特性を上手に掛け合わせること。ここにはスキルがいりますが、方法はあります(私の専門分野です)。
サッカー日本代表が、ロシア大会で見せてくれたようなこと。あれが「創発」ではないかと考えています。西野監督は、海外を中心にそれぞれ活躍する個々の選手たちの力を、上手に掛け合わせる演出に成功しました。
あのような「創発」現象で、ニッポンをいっぱいにしたい!それが私の夢であり、使命です。