今月の分子 268: HER2/neuとトラスツズマブ(HER2/neu and Trastuzumab)
乳がん(breast cancer)は、世界の女性死亡原因でがんに関連するものの中では第1位になっている。周囲に広がっていく浸潤性乳がんの約20%には、ヒト上皮成長因子受容体2(human epidermal growth factor receptor 2、HER2、neu または ErbB2 とも呼ばれる)が過剰に存在している。この状態は、HER2遺伝子が自身のコピーをたくさん作り過ぎ(HER2遺伝子増幅、HER2 gene amplification)、HER2受容体の過剰産生(HER2タンパク質の過剰発現)につながると起きることがある。HER2を過剰に持つ患者は、乳がん細胞の増殖や分裂を制御できないため、生存率が低下し、化学療法やホルモン療法に対する反応も悪くなる。HER2の作用機序と立体構造を理解することは、こうした問題に対処するための新しい効果的な治療法の発見に役立っている。
詳しくは今月の分子「268: HER2/neuとトラスツズマブ(HER2/neu and Trastuzumab)」にて
英語原文(RCSB PDB)
http://pdb101.rcsb.org/motm/268
日本語訳(PDBj)
https://numon.pdbj.org/mom/268?l=ja