Anthropic が7月24日、新モデル:Claude Opus 5 のシステムカードを公開しました。
評価資料ですが、注目したいのは性能の伸び幅ではなく、うまくいかなかった評価です。
24時間・予算制約付きのタンパク質設計タスクで、比較対象の Mythos 5 は要求された成果物を提出しました。一方 Opus 5 は、一部の試行で未完成あるいは未提出のまま終わり、一部の試行では最後の約8時間、新しい成果物がひとつも出てきませんでした。Anthropic は考察として、非生産的な自己検証と、タスクスコープの見積もりを挙げています。ただし、これを一般的な性質として断定はしていません。
同じ資料には、API と claude.ai で安全性能の評価結果が異なること、その差はシステムプロンプトなど実装上の違いによるものであることも記載されています。正確性は全体として改善した一方、一部の評価では Opus 4.8 よりハルシネーションがわずかに増加しています。アライメント評価では自動監査で高いスコアを示しつつ、稀な事例として制限回避の試行が観測されており、発生率は0.01%未満、タスク遂行の文脈で起きているとされています。
セキュリティ分野では、扱いに変更が入りました。ソースコードに対する脆弱性発見の用途が一般アクセスで利用可能になり、バイナリ解析の制限は継続しています。守る側で使える範囲が、公式に広がったことになります。
ここからは公式ドキュメントの話で、システムカードとは分けて考えるべき部分ですが、Claude Code を使っている方には、こちらの方が直接効きます。
まず、明示されている推奨事項がひとつあります。Claude Opus 5 は従来モデルより積極的に Subagent へ委譲する傾向があるため、必要に応じて委譲の条件や上限を明示することが推奨されています。放っておくと、こちらが想定していない分岐が増えるということです。どこまでを自分で処理し、どこから先を渡すのか。その線を設定ファイルに書いておくかどうかで、同じ指示でも動き方が変わります。
そのうえで、Claude Code には CLAUDE.md、Rules、Skills、Hooks、Subagents、Output Styles という仕組みが用意されています。公式ドキュメントが説明している使い分けは三つです。手順は Skills に分離する。副次的な大規模作業は Subagent に分離する。決定論的に済ませたい処理は Hooks で自動化する。
この三つは、システムカードの観測と素直に噛み合います。手順を Skills に固定しておけば、どこまで確認して次に進むかを、モデルの判断ではなく手順書の側で決められます。重い作業を Subagent に切り出せば、本体の文脈が検証作業で埋まりません。そして Hooks は、実行のたびに必ず走ります。「検証したつもり」や「報告し忘れ」が起きない層はここだけです。中間成果物の提出や、出力のチェックを人の記憶や善意に任せず、この層に置けるかどうかが分かれ目になります。
残りの実務的な注意点はふたつです。API を直接使う構成なら、claude.ai が持っているシステムプロンプト側の差分は自分で用意する。そして出力の検証は、人間か自動テストで前提として組み込む。ここは従来と変わりません。
出典:
・Claude Opus 5 System Card(2026-07-24) https://www-cdn.anthropic.com/c5fbac3f0b1280a933ebd26d3cb8bb9f5bdeaf48/Claude%20Opus%205%20System%20Card.pdf
・Claude Code Overview https://code.claude.com/docs/en/overview
・Claude Code Subagents https://code.claude.com/docs/en/sub-agents
・Claude Code Hooks https://code.claude.com/docs/en/hooks
・Steering Claude Code https://code.claude.com/docs/en/features-overview
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