夢と志
受験は戦争と形容されるほど厳しいものです。
僕の場合、その戦争はたった1つのゴールへ向かって7年半にわたって続きました。
「お前は天才だな!東大だって入れるんじゃないか!?」
小学3年生の秋、算数の授業中にクラスメイトが僕に向かってこう言いました。
大したことではなく、ただ僕が大きな数の単位を知っていたというだけのことです。
ですが、褒められたのが素直に嬉しくて、東京大学に進学したいと思い始め、やがてそれは「絶対に合格する」という信念に変わっていきました。
その信念はそれから7年間、揺らぐことなく持ち続けていましたが、高校3年生の秋に事件は起こりました。
受験を直前に控えた東大受験専用の模試で、最低評価のD判定を出してしまったのです。
絶望感で一日中まともに口がきけませんでした。
「他の国立大学を受験したらどう?」と言ってくる先生もいました。
実際に、同級生の中にも先生から志望校を変更することを提案されて、夢を諦めてしまった人も多かったです。
しかし僕は、7年間も抱き続けた東大に行くという夢を諦めたくありませんでした。
受験校を変えるのはどうかという意見に傾かず「なにくそ!」と自分を奮い立たせて努力し続けました。
センター試験が終わって受験のための休校が始まると、東大の過去問を早朝から深夜までずっと解いていました。
過去問は多い科目では50年分も解いて全て完璧に理解し、予備校の作った模試も15回分に渡って解きました。
浪人はしないと親に約束したのに、滑り止めで受験する私立大学の過去問には目もくれませんでした。
それほど東大への思いが強かったのです。
そうして僕は東大に合格しました。
多くの人の支えと、それに応えるための努力と、その全てが報われた瞬間でした。
東大のキャンパス内にあった合格発表の掲示板の前で、声をあげて泣きました。
揺るぎない志を持って生きるのは辛く苦しいことです。
それはときに孤独や絶望へと僕たちを追い込みます。
ですが僕は自分の夢を諦めて、戦うことから逃げる方が耐えられません。
だから、夢が叶うまで戦い続けるのです。
そして僕の次なる夢は、起業して自分のやりたい事業をすることです。
現在はこの夢を叶えるために戦っている最中です。
現役東大生の奮闘記が、今ここに始まります。