株式併合~大橋直久
複数の株式を合わせて1株にする方法により、発行済み株式数を減らすこと。
例えば、2株を1株に併合すれば、発行済み株式数は2分の1株に併合すれば、発行済み株式数は2分の1になるが、個々の株主の持ち分割合は変化しない。
また、企業価値にも変化がないわけであるから、理論株価は2倍になる。
株式分割が値嵩株の株価レベル切り下げの手段として使われるのとは逆に、株式併合は低位株価の水準訂正の手段として使えることとなる。
しかし、これまでのところ、このような目的で株式併合を実施した例は稀である。
もっぱら、債務超過企業が欠損金を資本と相殺消去する際の減資に伴って行われたものだけである。
これは、会社の資本金が額面株式の株金総額を下回ってはならないとの法規定に基づき、減資に伴う資本金の減少にリンクして発行済株式数を減少するための株式併合である。
しかし、2001年の商法改正で額面株式制度が廃止され、資本金と発行済株式数とのリンクは絶たれたので、減資に伴う株式併合は必須ではなくなった。
大橋直久(JDPアセットマネジメント株式会社)