こんにちは。
日本一ワクワクする会社、インバウンドホールディングスの山崎です。
今日は、「現場の気づきを、売上と体験の両方へ変える」という話をします!
このシリーズでは、NAGIホテルが売上昨対150%へ至るまで、ホテル事業を任せた統括責任者の「Yさん」が、現場の仲間と重ねてきた試行錯誤を紹介します。
予約は、サイトから入ってくるもの?
ホテルの売上を増やす方法と聞くと、広告を出す、予約サイトの順位を上げる、価格を下げる、といった施策を思い浮かべる人が多いと思います。
もちろん、どれも大切です。
でもYさんが見つけたのは、すでにホテルの中にいるお客様でした。
チェックインした後、「もう一泊したい」と思ってくださる方が時々います。ところが、そのまま予約サイトから追加予約をすると、同じ部屋タイプを選んでも別の部屋へ割り当てられることがあります。部屋を移動してもらうのか。清掃は必要か。宿泊税の案内はどうするか。現場が追加予約に気づくのが遅いほど、お客様にもスタッフにも手間が増えます。
そもそも、お客様が「延泊できますか」とフロントへ聞くのは、少し勇気がいります。
空室があるのか。いくらなのか。今さら聞いて迷惑ではないか。予約サイトで取ったほうが安いのではないか。
その迷いをなくせば、予約を待つだけだったホテルから、お客様の次の一泊を提案できるホテルへ変われるかもしれない。
答えは、大がかりなシステムではなく一枚の案内だった
Yさんがつくったのは、客室に置く一枚のPOPでした。
「もう一泊したい」と思ったら、まずフロントへ相談してください。空室と料金を確認し、できるだけ同じ部屋で過ごせるように調整します。そんな内容を、お客様が読みやすい形で案内しました。
デザインも自分でつくり、まずは自分が現地にいる日にだけ設置しました。
この進め方が、Yさんらしいと思います。
いきなり全スタッフへ運用を渡さない。自分で試し、どんな質問が来るか、部屋割りや清掃にどんな影響が出るかを確認する。一か月ほどやって問題がなければ、誰でもできる形にして任せる。
アイデアを出した人が、最初の検証まで責任を持つ。だから現場も、「また仕事が増えた」ではなく、「うまくいく形ができたから引き継ぐ」と受け取れます。
3日間で4件。小さなPOPが、空室を売上へ変えた
設置後、反応はすぐに出ました。
倉敷で2件、広島で2件。確認できた3日間で、合計4件の延泊相談が予約につながりました。
3日間で4件という数字が、Yさんの仮説をすぐに証明しました。
一枚のPOPを置いただけ、と言えばそれまでです。
でも、その一枚が生まれるまでには、現場を観察する力が必要です。お客様が追加予約をしていることに気づく。部屋移動や清掃のロスを理解する。声をかけにくい心理を想像する。空室がある日は、一泊増えるだけでも売上への影響が大きいと判断する。
売上をつくったのはPOPではなく、日常の中に機会を見つけた人です。
これは、売り込みとも違います。
無理に延泊を勧めるのではなく、希望する人が相談しやすい入口をつくる。お客様は旅を延ばせる。スタッフは部屋割りを先に調整できる。ホテルは空室を売上へ変えられる。三者にとって良い状態を設計しました。
値下げではなく、滞在価値を上げて選ばれる
Yさんは、Instagramでも別の実験を始めました。
フォロワー限定の安売りをするのではなく、誕生日や記念日の相談を受け、予算に合わせてケーキ、花束、飾り付けを手配する。希望があれば遅いチェックアウトも含め、その人だけの滞在を一緒につくるプランです。
始めて間もなく、Instagramを見た宿泊予定のお客様から電話が入りました。ケーキはどうするか。花はどんな雰囲気がいいか。相談を重ね、実際の予約に結びつきました。
Yさんがこだわったのは、価格を下げて来てもらうことではありません。
スタッフが動くことで、同じ部屋でも滞在の価値を上げること。記念日に選ばれる理由を、設備の豪華さだけに頼らず、人の力でつくることでした。
もちろん、すべてのアイデアが当たるわけではありません。季節イベント、SNS投稿、館内の仕掛け。やってみて、反応がなければやめるものもあります。
でも、何もしなければ、何が刺さらなかったのかさえ分かりません。
現場責任者は、運営者であり、マーケターでもある
ホテルの仕事は、予約された部屋を準備し、チェックインし、清掃するだけではありません。
先の稼働率を見て価格調整を依頼する。Googleマップからの来館をアンケートで把握する。Instagramの投稿から予約までの動線をつくる。お客様の声をサービスへ変える。現場の仕事を、他のホテルでも再現できる手順にする。
現場責任者は、運営者であり、マーケターであり、商品開発者であり、チームの育成者でもあります。
定例会議で、この一連の実践を「他のホテルでも使えるYメソッド」と呼んだことがあります。
するとYさんは、「私は誰でもできることしかしていません。仕組みにするのは、会社の仕事です」と返しました。
この言葉も、Yさんらしい。自分だけの成功として抱えず、現場で生まれた工夫を、別の人や施設でも使える形にしたいと考えているからです。一人の優秀な人ができるだけでは、会社の力にはなりません。工夫を言葉にし、手順にし、別の施設でも試せる形にする。Yさんは結果だけでなく、再現できる条件まで定例会議へ持ち込みます。
なぜ始めたのか。どの条件なら動いたのか。何がトラブルになりそうだったか。次に誰へ任せられるか。そこまで話します。
この会議が続く中で、もう一つ大きな変化がありました。
Yさん自身が、先の空室を見て価格調整を依頼するようになったことです。週次の表に、日付、施設ごとの空室数、現在の稼働率、下げたほうがよい理由を並べる。同じ50%でも、8室の施設と部屋数の多い施設では残室数が違う。お盆前は強くても、家族旅行が落ち着く後半は動きが変わる。現場で見ている客層と、予約データを一緒に判断材料へしました。
SNSも延泊POPも価格調整も、別々の仕事に見えます。
でも本質は同じです。お客様が今どう動いているかを観察し、次に起きそうなことを予測し、手遅れになる前に動く。施設運営を「今日の作業」ではなく「明日の事業」として見ることです。
Yさんの強さは、アイデアの派手さだけではありません。
「一回やってみる」と決めたら実行し、結果が出なければ理由を持って戻ってくる。Instagramから初めて記念日利用の相談が入った時も、そこで達成とはせず、実際の宿泊と投稿まで見届けようとしていました。成果の定義を、自分に都合よく手前へ置かない。この姿勢が、Yさんに次の挑戦が集まる理由です。
会社を使って、自分のアイデアを実験してほしい
インバウンドホールディングスには、ホテル運営だけをやりたい人より、「もっとこうしたら面白い」と考えてしまう人が合うと思います。
現場で見つけた一枚のPOPが、四つの予約になる。SNSの投稿が、誰かの記念日をつくる。手書きのアンケートが、新しいサービスの企画になる。うまくいった方法が、次のホテルの標準になる。
自分の仕事が、目の前のお客様だけでなく、売上、組織、次の事業へつながっていく。その手触りを感じられる会社です。
大きな新規事業は、会議室で突然生まれるわけではありません。
「このお客様、もう一泊したそうだな」
そんな小さな気づきを放置せず、一枚のPOPにする人から始まります。
予約を待つ側ではなく、選ばれる理由をつくる側へ。
一緒に、現場から事業をつくりませんか。
次のホテルを、一緒につくる仲間を募集しています
私たちは、ホテル事業部のさらなる拡大を目指しています。
現在、大阪・名古屋・長野・東京などで、2028年頃に向けた複数の新築ホテルプロジェクトが同時に動いています。これから必要なのは、完成した運営を受け取る人だけではありません。Yさんのように、現場の小さな気づきを改善へ変え、仲間を巻き込みながらホテルの価値をつくる人です。
ホテルという場所から、新しい体験や事業を生み出したい方。お客様を喜ばせること、仲間と仕組みをつくること、これから生まれるホテルを自分たちの手で育てることにワクワクする方を募集しています。
少しでも気になった方は、まずは広島・倉敷で、Yさんとカジュアルに話してみませんか?あなたがやってみたいことも、ぜひ聞かせてください♪