品質管理の仕事は長くやっていた。でも資格を取る気はなかった。現場でやってきた自信があったし、紙の試験に意味を感じていなかった。
転機は転職だった。
新しい会社はQCの考え方を重んじる職場だった。中途採用で飛び込んだばかりの自分には、実績も人間関係もない。信頼をゼロから作らないといけないと思った。そのとき、QC検定という選択肢が頭に浮かんだ。
合格すれば、少なくとも「ちゃんとやる人間だ」と見てもらえると思った。
毎朝、出勤前に2時間勉強した。眠い日も、仕事が忙しい日も、習慣として続けた。
結果は準1級・2級ともに一発合格だった。
合格して変わったことがある。これまで直感で向き合っていたデータに、論理的な根拠を持てるようになった。管理図の異常を指摘するにも、抜取検査の基準を提案するにも、「なぜそうするのか」を説明できるようになった。気がつけば、職場で一目置かれるようになっていた。資格を取る意味はないと思っていた自分が、一番考えを改めた。
合格してもう一つわかったのは、教材の不親切さだった。
内容がわかりにくい。解説が不足している。独学で詰まる箇所が多すぎる。自分が苦労した分、「もっとわかりやすく伝えられる」という確信があった。それで学習支援とYouTubeをはじめた。
受注の難しさ、SNSで届けることの難しさは、やってみて初めてわかった。
製造業の現場しか知らなかった自分には、全部が新しい経験だった。うまくいかないことの方が多い。でも、なぜかずっと楽しい。