改善したいのは、人ではなく「環境」だった。
1 私が「環境」にこだわる理由
子どもの頃から、人間関係や周囲の空気に敏感でした。
家族、友人、学校、職場。
どんな場所でも、人と人との関係がうまくいっていない場面を見ると、自分のことのように気になってしまう性格でした。
些細なすれ違い。
コミュニケーション不足。
小さなイライラ。
本来なら防げたはずの対人トラブル。
健康への不安や生活習慣の乱れ。
そんな場面に出会うたびに、
「もっと良い方法はなかったのだろうか。」
と考えていました。
私にとって、それらは「仕方のないこと」ではありません。
少し環境を変えるだけで防げることも多いのではないか。
少し伝え方を変えるだけで、もっと円滑になるのではないか。
そんなことを自然と考えるようになりました。
小さなストレスは、一つひとつは大したことがなくても積み重なります。
やがて、その積み重ねが、本来なら起こらなかったはずの大きなトラブルにつながってしまう。
そして、ふとこんなことを考えるようになったのです。
目の前のストレスや無駄がなくなれば、人はもっと本来やるべきことに集中できるのではないか。
余計な気遣いや摩擦、非効率な作業に時間やエネルギーを奪われるのではなく、自分の力を発揮したいことに集中できる環境があれば、仕事も生活ももっと楽しく、もっと充実したものになるのではないか。
だから私は、目の前の問題だけではなく、その原因となる「環境」そのものを改善したいと思うようになりました。
この「環境」は私にとって、職場や部屋だけを意味する言葉ではありません。
コミュニケーション。
健康。
空間。
働き方。
人が本来の力を発揮するための土台、そのすべてを「環境」だと考え、そんな「人が本来のパフォーマンスを発揮できる環境とは何か」を考え続けることが、私の大きな原動力になっています。
そのため私は、一貫して「環境をより良くするための改善」に取り組んできました。語学を通してコミュニケーションの環境改善に向き合い、パーソナルトレーナーとして健康という環境改善に向き合い、DIYを通して生活空間の環境改善に向き合い、現在はAIやプログラミングを活用し、業務環境の改善に取り組んでいます。
一見すると異なる分野に見えるかもしれません。しかし私の中では、そのすべてが「より良い環境とは何かを追求したい」という一つの思いにつながっています。
2 「このままでいいのか」と感じた違和感
大学へ進学したものの、毎日どこか物足りなさを感じていました。
「卒業して就職する。」
もちろん、それも一つの正解です。
しかし当時の私は、自分で進路を選んでいるというより、周囲の期待や言われるがまま、レールの上を歩いている感覚がありました。
そんな中で、自分自身に問いかけたことがあります。
「これまで、自分は本気で何かに挑戦したと言えるだろうか。」
すぐに答えは出ませんでした。
私は自分自身に大きな期待を抱いていましたが、その一方で、それに見合うだけの挑戦や努力を積み重ねてきたとは言えない現実がありました。
その理想と現実のギャップに悩んでいたことが、私にとって大きな転機になりました。
「このまま何となく卒業して社会人になるのではなく、一度、自分の意思で環境を変えてみよう。」
そう考え、大学を中退し、カナダ・モントリオールへの留学を決意しました。
留学を選んだ理由は、海外への興味だけではありません。
もう一つの目的は、自分自身のコミュニケーション能力と本気で向き合うことでした。
日本語では無意識に使っている言葉も、外国語では一つひとつ考えながら伝える必要があります。
「どう伝えれば相手に伝わるのか。」
「なぜ誤解が生まれるのか。」
「言葉は人間関係や組織にどれほど影響を与えるのか。」
そうしたことを改めて考えてみたいと思いました。
私は以前から、言葉一つで対人トラブルが生まれることもあれば、反対に、コミュニケーション一つで人や組織に大きな推進力が生まれることもあると感じていました。
だからこそ、その扱い方を学ぶことは、改善できる「環境」の一つだと考え、その土台を自分自身で学び直したいと思ったのです。
3 コミュニケーションを学ぶための留学
留学先であるカナダ・モントリオールで生活する中で、私は人々の暮らしに流れるコミュニケーションの豊かさに気づきました。
ジムでは、初対面の人同士でも自然に言葉が交わされる。市場や広場では、店員と客、地域の人々の間に活気のある会話が生まれる。ホストファミリーとの生活では、大きな庭で親戚が集まり、食卓を囲みながら時間をかけて語り合う光景もありました。
食事や健康、家族との時間、プライベートの充実。その中心にはいつも、円滑で温かいコミュニケーションが流れていました。
日本にいた頃の私にとって、それらはあまりにも日常的で、深く意識することのないものでした。しかし、留学によって身の回りのあらゆる言葉に敏感になっていたからこそ、人と人との会話が暮らしの雰囲気や居心地をつくっていることに気づけたのだと思います。
言葉は、単に情報を伝えるためのものではありません。人との距離を縮め、場を明るくし、ときには周囲を前向きに動かす力を持っています。
この経験から私は、良いコミュニケーションとは個人の能力だけではなく、健康や人間関係、暮らし全体を支える環境の一部なのだと考えるようになりました。
近年はハラスメントへの配慮などもあり、人との関わり方に難しさを感じる場面も少なくありません。一方で、必要以上に距離を置いてしまうと、相談や情報共有が減り、小さな認識のズレが業務上のトラブルにつながることもあります。
私は、無理に仲良くすることが重要なのではなく、互いに安心して意見を伝えられ、自然に協力できるコミュニケーション環境を整えることが、組織の生産性や働きやすさにつながると考えています。
4 次に向き合ったのは「健康」という環境
帰国後は、いくつかの接客業を経験しました。
人と接する仕事を通して、多くの方と関わる中で、「健康」は人生の土台でありながら、その価値を十分に実感できていない方が多いことにも気づきました。
私は8年以上トレーニングを続ける中で、身体のコンディションが整うことで、集中力や仕事のパフォーマンスが向上し、腰や首の痛みといった日常のストレスも軽減されることを自ら体感してきました。
健康とは単に身体を鍛えることではなく、その人の仕事や日常生活のパフォーマンスを支える土台だと考えています。だからこそ、一人ひとりがより良い状態で生活や仕事に向き合えるよう、健康という環境づくりをサポートしたいと思い、パーソナルトレーナーの道を選びました。
パーソナルトレーナーとしては、これまで主に3つのジムで業務委託契約を結び、それぞれ異なる環境で経験を積んできました。
一社目では、短時間のセッションを数多く担当し、限られた時間の中でお客様の課題を見極め、分かりやすく伝える力が求められました。多くの方と接することで、身体の悩みや目標は人それぞれ異なり、同じ指導では成果につながらないことを学びました。
その後、二社目では45分、三社目の現在は60分と、一人ひとりと向き合える時間が徐々に増えていきました。時間に余裕が生まれたことで、トレーニングだけではなく、食事、睡眠、生活習慣、姿勢、仕事や日常生活での身体の使い方まで含めてサポートできないかを考えられるようになり、「身体を鍛えること」ではなく、「健康という環境を整えること」が本来の自分の役割なのだと改めて実感できるくらいに余裕が持てるようになりました。
さらに、セラピストとしての活動も並行し、筋肉を鍛える視点だけではなく、痛みや可動域、身体のバランスなど、より幅広い視点から身体へアプローチする経験を積むことで、「鍛える」と「整える」の両方が重要であることも学び続けています。
私のもとへ来られるお客様の多くは、もともと運動が好きな方ではありません。
「健康診断の結果が悪かった」「身体を変えたい」「このままではいけないと思った」など、それぞれ悩みを抱えながら一歩を踏み出されています。
だからこそ、私が目指しているのは、筋トレを好きになってもらうことではありません。
トレーニングを通して得られる変化が、見た目や体型だけではなく、疲れにくくなる、腰や肩の不調が軽減する、仕事への集中力が高まる、休日をより楽しめるなど、日々の生活や仕事そのものを快適にしてくれることを実感していただくことです。
その価値を一人ひとりに合わせてどう伝えれば行動につながるのか、どうすれば無理なく継続できる環境をつくれるのか。この問いは、現在も私がトレーナーとして最も大切にし、日々向き合い続けている課題です。
健康は目的ではなく、その人らしい人生や仕事を支える土台です。だから私は、トレーニングを教えるのではなく、その人がより良い毎日を送るための「健康という環境づくりの改善」をサポートしたいと考えています。
5 私が「結果」にこだわる理由
私はこれまで、あえて業務委託という働き方を選んできました。
その理由は、成果報酬そのものが目的だったからではありません。
私にとって「改善」は、実際に結果へ結びついて初めて価値があるものです。
食事の提案やトレーニング内容、コミュニケーションの取り方、生活習慣へのアプローチなど、一つひとつの工夫が本当に成果につながったのか。その結果を自分自身で確認し、改善を繰り返すことが、成長には欠かせないと考えてきました。
業務委託は、自分の取り組みがそのまま成果として返ってくる環境です。だからこそ、自分の改善が正しかったのかを客観的に振り返り、次の改善へつなげることができました。
私が重視しているのは、「改善すること」ではなく、「改善を結果につなげること」。その積み重ねが、自分自身を成長させてくれたと感じています。
6 空間づくりへの興味
仕事以外でも、私が自然と考えているのは「環境」です。
その一つが、DIYや空間づくりです。
私が興味を持っているのは、家具を作ることそのものではありません。
人が動きやすい動線、取り出しやすい収納、集中しやすい照明や机の高さ、物の配置。
ほんの少し空間を工夫するだけで、生活のしやすさだけでなく、集中力や作業効率、さらには気持ちの余裕まで大きく変わることを何度も実感してきました。
反対に、使いづらい空間は無駄な動きやストレスを生み、人の集中力や生産性を下げてしまいます。
また、私は「完成された空間」をつくることよりも、「変化に対応できる空間」をつくることを大切にしています。
家具を一度置いてしまうと、その配置が当たり前になりがちです。しかし実際には、仕事や生活は常に変化し、その時々で必要な物や配置、動線は変わっていきます。
だからこそ、空間は固定するものではなく、目的や状況に応じて柔軟に変えられることが重要だと考えています。
DIYは単に家具を作る技術ではなく、必要に応じて環境そのものを最適化し続けるための手段であり、その空間にいる人々をよりストレスフリーにしてくれるスキルであると考えています。
この「変化に合わせて環境を設計する」という考え方は、空間づくりだけでなく、私が取り組んできた健康づくりや業務改善にも共通する価値観になっています。
私は、空間とは人が生活し、仕事をし、行動するための土台だと考えています。
だからこそ、「どうすればもっと快適に動けるか」「どうすれば余計なストレスを減らせるか」を考えながら空間を改善することが好きです。
健康が身体の環境であるように、空間もまた、人のパフォーマンスを支える重要な環境の一つだと考えています。
7 業務環境の改善へ
パーソナルトレーナーとして働く中で、次に目が向いたのは「業務環境」でした。
顧客情報、予約、契約回数、売上、チケット管理。
これまでの現場では、多くの業務が手入力や目視確認に頼っていました。お客様から業務関連の質問を受けても、その場で複数の情報を確認する必要があり、対応に時間を要する場面が少なくありませんでした。その時間は、本来お客様とのコミュニケーションやサポートに使えるはずの時間でもあります。
私は現場で働く中で、
「この作業は本当に人がやる必要があるのだろうか。」
と考えるようになりました。
人が時間を使うべきなのは、目の前のお客様と向き合うことです。
単純な集計や確認作業ではありません。
そう考えたことがきっかけで、Google Apps ScriptやJavaScriptをChatGPTなどのAIを使いながら独学で学び始めました。
プログラミングを学ぶこと自体が目的ではありません。
現場の課題を、自分の手で解決できるようになりたかったのです。
現在は、Googleカレンダーと連携した簡単な予約・顧客・契約・売上管理システムをはじめ、Scriptableを活用した各種ウィジェットなど、実際に現場で利用する仕組みを自ら設計・開発しています。
例えば、
- 顧客ごとの契約回数・残回数・口コミ状況の自動管理
- 売上や報酬予測の自動集計
- Googleカレンダーと連携した予約管理
- iPhoneのホーム画面から確認できる管理ウィジェット
など、日々の業務で感じた課題を一つずつ改善してきました。
一つひとつの改善は小さなものかもしれません。
しかし、その積み重ねによって確認作業や入力ミスは減り、本来時間を使うべきお客様とのコミュニケーションやサービス品質の向上に集中できるようになりました。
生成AIとの出会いは私の可能性を大きく広げてくれました。
これまで頭の中には「こんな仕組みがあれば便利なのに」というアイデアがあっても、それを形にする技術はありませんでした。しかし、AIを活用しながら学び続けることで、自分のアイデアを実際のシステムやツールとして形にできるようになりました。
現場で感じた課題を自ら考え、自ら設計し、自ら形にして改善する。その一連のプロセスを実現できたことは、私にとって大きな喜びであり、AIの可能性を強く実感した経験でもあります。
この経験を通して、私の関心はAIやDX、システム開発、業務プロセス改善など、テクノロジーを活用して人や組織がより力を発揮できる環境をつくることへと広がりました。
8 私がこれから改善したい環境
これからは、AIやIT、システム開発、業務改善、DXなどを通じて、より多くの人や組織が力を発揮できる環境づくりに挑戦したいと考えています。
現場で働く人の声に耳を傾け、課題の本質を見つけ、仕組みから改善する。その積み重ねによって、一人ひとりが本来向き合うべき仕事に集中できる環境をつくることが、私の目標です。
また、技術そのものを目的にするのではなく、「どんな課題を解決したいのか」「その改善によって誰がより働きやすくなるのか」を常に考えながら、新しい技術も積極的に取り入れていきたいと思っています。
コミュニケーション。
健康。
生活空間。
そして業務。
一見すると異なる分野に見えるかもしれません。
しかし私の中では、すべて「人がより良い環境で過ごし、本来の力を発揮するための土台」という一つのテーマでつながっています。
私は、課題が起きてから対処するのではなく、その課題が起こりにくい環境を設計したい。
人を変えるのではなく、人が自然と力を発揮できる環境をつくりたい。
その思いは、大学時代に抱いた違和感から始まり、留学、トレーナー、DIY、そして業務改善へと形を変えながら続いてきました。
これからも私は、「環境」という視点から、人や組織の可能性を広げられる仕事に挑戦し続けたいと思っています。