7月18日に開催された、ブックライター・上阪徹さんの新刊『「また頼みたい」と言われる人がやっていること』(CEメディアハウス)の書店イベントに行ってきました。
上阪さんが主宰するブックライター塾の第1期生でもある佐藤友美さんとのトークイベントで、会場は高田馬場の芳林堂書店です。私は上阪塾の13期を2カ月前に修了したばかりなので、久しぶりに先生の話を伺うのを楽しみにしていました。
新刊本は、上阪さんの仕事術を小説仕立てで紹介するユニークな内容で、主人公の新人ライター桜井玲奈が、著者の化身でもある大御所ライター水上悟へのインタビューを通して薫陶を受け、ビジネスパーソンとして成長していく物語です。
冒頭から主人公が取材に遅刻するなど、派手に失敗を繰り返していきます。誰しも一度は心当たりがあるような「やらかし」を、それがなぜ駄目なのか大ベテランが一つ一つ解説していく内容で、新社会人が読んでも十分参考になると思います。
イベントは本の内容について、担当編集者の田中里枝さんの司会でお二人が話す形で進行しました。冒頭から「五月雨式に質問を送ってくる人は困る」「金曜の夕方と月曜の朝にメールするのは気遣いが足りない」と手厳しい言葉が飛び交い、全員が苦笑いするスタート。
これは痛いなと思いきや、話が進むにつれ話題は「仕事とどう向き合うか」ひいては「どう生きるか」を示唆する深い内容に移っていきます。
若い頃は成功したい、目立ちたい気持ちが先に立っていたという上阪さんですが、勤め先の倒産で図らずも独立し、困難に直面したことがきっかけで考えを改め、自分のために働くことを止めたそうです。不思議なことに、目の前のお客さんの要望に応えることに専念していくうちに成功に近づいていき、最終的に若い頃欲しかったものが手に入ったのだそう。
「相手が欲しいものを渡す」というシンプルなメッセージですが、何が求められているのかを知るのは案外難しいものです。そこで大事なのが「最初のヒアリング」。
事前にどんな成果物が求められているのか、すり合わせる。思い込みで「多分こうだろう」と決めつけずに確認する。最初の打ち合わせでやることはこれなんですね。ぼーっと会社や媒体の説明を聞くだけでは駄目なのです。反省しきりです。
それにしても、自分のやりたい事を考えないというのは潔すぎる気もします。ですが、勤め先の倒産という不運が結果的に自分を独立に導き、考えを改めるきっかけになった。何がどう転がるか分からないから自分の考えにこだわらないほうがうまくいくのだといいます。
対談相手の佐藤友美(さとゆみ)さんも、今を大事にして後は天に任せるお考えのようで、さとゆみさんのもう一人の師匠、コミュニケーション・ディレクター・佐藤尚之氏の言葉「そっちの方がいい人生」を引用して、一見悪い事でも良い結果につながることがあるとおっしゃっていました。
最後の質問タイムに思い切って質問してみました。「お客さんに納品した後で、次につなげるために何かできることはありますか?」。答えは「ない」の一言(笑)。さとゆみさんがすかさず「終わった後じゃなくて、終わる前に次の提案をしてくるんです」とフォローしてくださいました(もっと普遍的な質問をすればよかったですね。すみません……)。
終始笑いの絶えない楽しい2時間でした。行ってよかった! そして、先生方はもちろん、客席で笑っている戦闘力の高そうなライターさんたちを見て、追いつくまでの距離の長さに一瞬目まいがしたのでした。
とりあえず、金曜と月曜に長いメールを送らないところから始めたいと思います!
▼noteより転載(イベントの内容はSNS等に公開OKとアナウンスされています)