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掃除をしようと思った理由
2020年の冬頃、私はアニバーサリー用品店の販売員として働いていました。
主にドライフラワーやブーケ、ラッピング用品、ブライダル用品などを販売しており、プレゼントのシーズン(母の日や成人の日など「◯◯の日」とつく祝日がある月)や結婚式シーズンに繁盛するお店でした。
しかし、当時はまだコロナ真っ只中で、結婚式どころか外出も控える人が多く、さらに閑散期が重なりお店には閑古鳥が鳴いていました。
お客様がいないと仕事が極端に減り、暇になってしまいます。
商品のストックを作ると在庫が溢れてしまうし、接客をしようにも人がいない、新人の私にはできる仕事がそもそも少ないので仕事は自分で探さないとありませんでした。
しかし、私はやること探しが得意なこともあり、やることがあるのに暇だと言って意味のない作業をするのも嫌いだったので、前から気になっていた商品棚の掃除をすることにしたのです。
小さく問題解決
掃除は毎朝早番のスタッフがやっているものの、商品棚はサッと埃を払う程度で、普段お客様が触れる頻度が少ない商品ほど埃が積もっていました。
特に、私が発注担当になったリボンの商品棚は一番やりがいがありそうなくらい荒れていました。
1m単位で量り売りをしていたので、お客様が引き出したリボンが垂れ下がったままだったり、商品が元の場所に戻されていなかったりとひどい有様でした。
また、下段にある1巻売りのリボンはほぼ売れないので埃まみれで触りたくないほどです。
この状況をみんな気づいてないわけではないと思います。しかし、こういった問題は気づいていても優先順位や個人の価値観の違いで問題視されないことが多いです。
時間に余裕がないならまだしも、暇な時くらいみんなが問題視しない問題を拾い集めて解決するべきだ
そう思った私は、リボンを1段ずつ全て棚から下ろし、綺麗にしていきました。
埃をとって、垂れたリボンを元に戻し、どうせならと色がグラデーションに見えるよう並び替えたり、棚の高さを変えたりして見栄えがよくなるようにしました。
そしてその日、一日の売上を入力していた私は昨日よりリボンの売上が上がっていることに気づきました。
商品は変わってないし、特別なことはしていない、やったことといえば掃除だけです。
たまたまかもと思いつつも本当に掃除だけで売上が上がったのか検証してみたくなり、日を置いて少し汚れてきた頃にまた同じことをしてみました。
結果、やはり掃除だけで売上が上がっていたのです。
確かに、掃除をしているときほどやたらお客様はリボンを見にくるし、綺麗にし終わったら興味を持ってくれるお客様が増えたような気がしました。
なんで掃除をしただけで売上が上がったのか
ではなぜ売上が上がったのか、原因を考えてみました。
私が考えたのはこの3つ
①そもそもお客様は新品を買いに来ている
自分が消費者として商品を買う際、汚いものをわざわざ選ぶだろうか?
本屋、アパレル、雑貨店でも少しの傷や汚れ、埃を気にする人がいるのにそれを売ろうとするのが難しいことに気づけました。
②綺麗に整頓されているディスプレイは購買意欲をそそりやすい
家の本はなぜか読みたく無くなるのに、TUTAYAにある本だと読みたくなる
本に関しては他の要因もいっぱいあると思いますが、家とお店に同じものがある場合なぜかお店の物の方がよく見える現象があります。
おしゃれで整ったディスプレイは非日常感を味わうことができ、気分の高揚や購入後の期待感から購買意欲がそそられるのではないかと思います。
買い物が楽しくなる、買った後の楽しい時間を想像してしまう。
それだけで十分買うに値するものになるのでしょう。
③商品を棚から全て下ろすことによって、お客様の目線を意識したディスプレイを組み直す機会になる
果たして今のディスプレイでワクワクするだろうか?
一番売りたいものがお客様の目線にあるだろうか?
この取りにくい置き方は不愉快ではないだろうか?
自分で実際に商品を触ることで必然とお客様の目線になり、問題点や疑問点が湧いて出てきます。
正直、何の目的もなくディスプレイを一から組み直そうとするのは結構な労力でその作業だけで一杯一杯です。
しかし、掃除のついでや2棚に収めたいなど何か目的があれば思考の隙間ができて発想が浮かんできやすく次どんな手を打つか考える機会になりました。
売る戦略を考える前にやりながら考えればいいじゃんと思うきっかけにもなりました。
掃除をした結果
この経験が物の売り方を考えるきっかけになりました。
その後も私の好奇心に火がつき、自分の担当以外の棚を掃除してみたり、年月ごとの売上データを見れるようになったりして、できること、やりたいことが増え、気づけば担当商品の売上が前年比140%になっていました。
※他にもやったことがあるので詳細は別で載せます。
また、1日ごとの売上や顧客動向を日報につけることで気づきと発想に繋がることも学べました。
気づき
6年もの年月を経て当時の話を書いているとやっぱり重要だなと思うことがあります。
それは、「問題を問題と認識するかどうか」です。
この過去の経験では、問題を問題と認識したから解決策を考え実行に移すことができ、結果を残すことができました。
しかし、後の経験では、自分には解決すべき問題だと感じるのに相手は問題視していなくて結果、現状維持で何も変えられず苦しい思いをしたこともあります。
全部を問題視して効率を悪くするのはいけないことですが、自分が本当に重要だと思うならちゃんと根拠を述べて周囲を説得して巻き込まなければいけなかったなと思います。
そして、一緒に一つの問題に向き合ってくれる熱意のある人や会社を選ばなければいけいないことも学びました。
プライベートでも自分が問題と認識していないことはないか探すことで日々を変えていけたらと考えています。