「言葉の壁があるから、オフショア開発は難しい」とよく言われます。正直、私も起業したばかりの頃はそう思っていました。ですが、実際にうまくいかなかった案件を何件か振り返ってみると、原因はそこではありませんでした。
共通していたのは、日本語が通じなかったことではなく、仕様書に書かれていなかった前提が、あとになって食い違ったことです。「在庫を確認できるのは誰か」という一文だけでは、担当者だけなのか、上長も見られるのか、外部の取引先には見せない前提なのか、という条件が抜け落ちます。検収の直前になって、お客様側の担当者から「これ、実は取引先にも見せる画面のつもりでした」と言われたことがありました。その一言で、権限の作り直しが必要になります。
この経験があってから、要件定義の段階では、こうした「書いていないけれど大事なこと」を1つずつ質問して埋めていく作業に、以前より時間をかけるようにしています。「これくらい常識で分かるはず」と思われそうな細かい点ほど、あえて言葉にしてもらいます。急いで済ませたくなる工程ですが、ここを丁寧にやるかどうかで、後半の手戻りの量が変わると感じています。
同じような経験がある方、あるいは逆に「そこまで細かく聞かれるとは思わなかった」という経験がある方がいたら、コメントで教えていただけると嬉しいです。