「良い写真」より先に、「その人らしさ」を残したいと思う理由
Photo by sander traa on Unsplash
こんにちは!増本慎也です。
カメラマンとして活動していると「良い写真ですね」と言っていただける機会が
あります。もちろん、それはとても嬉しいことです。
ただ最近は“良い写真を撮ること”そのものよりも、「その人らしさを残せているか」を
強く意識するようになりました。
技術的に整った写真は、ある意味で誰でも目指せます。
光を整え、構図を調整し、色味を綺麗に仕上げれば、見栄えの良い写真にはなる。
けれど、それだけでは記憶に残らないこともあるんです。
僕が本当に惹かれるのは、その人にしか出せない表情や空気感です。
例えば、少し笑うタイミングが遅い人。
言葉を選びながら静かに話す人。
緊張しているけれど、好きなことを話し始めると急に目が輝く人。
そういう“人間らしさ”が写った瞬間に、写真はただの記録ではなくなる気がしています。
以前ある企業の採用撮影を担当した時のことです。
最初は皆さんいわゆる「撮られる顔」をしていました。
けれど仕事の話やチームの話を聞いていくうちに、自然と表情が変わっていったんです。誰かの名前を出した瞬間に笑顔になったり、悩みを話す時だけ少し真剣な目になったり。
その変化を見ながら「この人の魅力は作った表情じゃなくて、日常の中にあるんだな」と感じました。
だから僕は撮影現場でも“対話”を大事にしています。
ただシャッターを切るのではなく相手がどんな価値観を持っていて
どんな時間を生きてきたのかを知ろうとする。
その積み重ねが、写真の温度を変えてくれる気がするんです。
綺麗なだけの写真よりあとから見返した時に「ああ、自分らしいな」と思える写真を
残したい。
それが、今の自分が写真を撮る理由のひとつです。