深海を泳ぐ鍵束のユーモア
Photo by LOGAN WEAVER | @LGNWVR on Unsplash
こんにちは!鴨川宗平です。
普段はフリーランスの映像クリエイターとして、企業の紹介動画やスマートフォンの画面を彩る短い縦型動画などを作っています。企画の立ち上げから撮影、編集までを一貫して手がけるなかで、私はいつも、映像制作という仕事を少し変わった視点から見つめるようにしています。ネタが単調になるのを防ぐため、日常とはかけ離れた不思議な風景を重ね合わせてみるのです。最近、動画の構成を練りながら私の頭にふと浮かんだのは、深い海の底を優雅に泳ぐ巨大なクジラと、誰かのポケットの中で静かに揺れる小さなキーホルダーという、二つの異なるモチーフでした。
クジラは、広大な海の中をゆったりとしたリズムで泳ぎ回り、その歌声は hundreds の海を越えて遠くまで届くと言われています。私がクライアント様からご相談をいただく段階は、まさにこの広大な海からクジラの姿を探すような感覚に似ています。どう見せればいいか分からないという真っ白な状態から、何を伝えたいのかという大きな目的を丁寧に整理し、一本の動画という形にする。それは、まだ見ぬ多くの視聴者という海に向けて、確かな存在感を持ったメッセージを送り出す作業そのものです。クジラの歌声が遠くの仲間に届くように、動画に込めた想いが自然とターゲットの心に届くような、そんなスケールの大きな導線づくりを常に意識しています。
もう一つのモチーフであるキーホルダーは、映像における最初の数秒間の引力と、日常に寄り添う親しみやすさを教えてくれます。お気に入りのキーホルダーは、小さくてもパッと目を引き、それを持っているだけで少しだけ気分が明るくなるような不思議な魅力を持っています。動画、特に短い尺のなかで情報を届けるSNS動画では、このキーホルダーのような、理屈抜きで人の心を一瞬で惹きつける強い鍵が必要です。冒頭のほんのわずかな時間に、思わず手を止めてしまうようなフックを配置し、そこからスムーズに本編へと引き込んでいく。短い尺のなかに必要な情報をぎゅっと凝縮しながらも、決して忙しなくならず、心地よいテンポ感で最後まで見てもらうための工夫を、1コマ単位の編集に詰め込んでいます。
一見すると途方もなく巨大なクジラのような全体構成のなかに、キーホルダーのような小さくて愛らしいこだわりや遊び心をそっと忍ばせる。この相反する要素が一つに溶け合ってバランスを保ったとき、ただの映像は、見た人の記憶に深く残り続ける特別な物語へと姿を変えます。これからも丁寧なコミュニケーションと迅速な対応を大切にしながら、誰かの心に届く一本の映像を実直に作り続けていきたいと考えています。