生成AI活用法脳トレ 7問目
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【7問目】「ふわっとした相談」に潜む地雷。経営の危機を救う、暗黙知のデータベース化
今回のビジネス脳トレは、あえて課題を1つに絞らず、複数のトラブルが同時に起きている「地方の製造業」が舞台です。実務の現場でもよくある、「社長のふわっとしたAIへの期待」から、本当の最優先課題を導き出す難易度の高いノックに挑戦しました。
【お題:製造業の複合的な課題解決】
従業員300名の金属部品工場。
社長は「競合も導入しているから生成AIをやりたい」と言うが、現状は「残業過多」「品質不良」「ベテランの退職間近」「若手が育たない」「長い会議」と問題山積み。
予算1000万円で、現場はITに疎い。どこから着手するか?
目先の分かりやすい数字より、「会社が詰む」リスクを潰す
お題に並んだ大量の課題を見たとき、私は頭の中で「社長が喜ぶテーマ」と「会社が本当に直面している危機」を切り離して考えました。
確かに、「残業時間の削減」や「品質不良の解消」は、数値としての成果が分かりやすく、社長のウケも良いでしょう。会議の効率化やダブルチェックへのAI導入など、できることもたくさんあります。
しかし、私が「今すぐに対処しなければ会社が潰れる」と最大の危機感を抱いたのは、「ベテラン社員の退職」と「若手が育たない」というナレッジ継承(属人化)の問題でした。
長年工場を支えてきた職人の技術(暗黙知)は、一度失われてしまえば二度と取り戻せません。「他社に遅れたくないからAIを」とのんびり構えている社長の意識を、まずはこの致命的なリスクへと向けるべきだと考えたのです。
そこで私は、ベテランが在籍している今のうちに、彼らのノウハウをAIを使って徹底的に「暗黙知のデータベース化」し、そこから若手向けの「マニュアルを自動出力」する仕組みへの投資を提案しました。現場がITに疎いことを考慮し、社員が簡単に更新・追加できる分かりやすいインターフェースにしつつ、セキュリティや誤操作を防ぐためにID管理による権限の絞り込みまでを設計したのです。
ChatGPTからのフィードバック:現場感のある視点と、CSに必須の「思い込みのブレーキ」
この提案に対し、ChatGPTは「社長が言っていることと、本当の課題を仕分けたプロセスが非常に見事!100点満点中85〜90点の高得点!」と、これまでにない高い評価をくれました。前職での経験が、属人化への強い危機感という「現場感のある強み」として活きた瞬間でした。
一方で、さらにプロのCS(カスタマーサクセス)として活躍するための、2つの重要なアドバイスをもらいました。
1. 「まず何を聞く?」というヒアリングのプロセスを絶対に飛ばさないこと
私はお題を見た瞬間、「ベテランの退職が一番危険だ!」と確信して突っ走ってしまいました。しかし、優秀なCSは思い込みで動く前に、必ず事実を数字で確認します。
「ベテランは何人いて、あと何ヶ月で辞めるのか?」「品質不良による損失額は年間いくらか?」「若手の離職率は?」といった具体的なデータをまずヒアリングし、その上で「だからナレッジ継承が最優先です」と社長に提案すべきでした。
2. 成功指標(KPI)をさらに具体化すること
私は「最新マニュアルの完備100%」を成功の定義としましたが、「100%の定義が何か」が曖昧でした。ここを面接官や経営陣に納得してもらうには、「ベテラン5人へのインタビュー完了」「主要業務マニュアル作成率90%」「若手の教育工数30%削減」といった、具体的なアクションや数字に落とし込む必要があります。
脳トレを終えて:思考の順番が「逆転」した日
今回のノックを通じて、自分の中で大きなパラダイムシフトが起きたことに気づきました。
最初の頃の私は「AIを使って何ができるか」から考えていました。しかし今の私は、「何が問題なのか?」→「本当にそこが本質か?」→「そのためにAIをどこに組み込むか?」という、完全に逆の順番で思考を展開できるようになっています。
技術ありきではなく、課題ありき。そして、顧客の「AIを入れたい」という言葉の裏にある、本当に解決すべき経営課題を嗅ぎ分ける。
この「課題発見力」のベースは確実に自分の武器になっています。次回はさらに打率を上げるために、「まず事実をデータで確認するヒアリングの型」と「具体的なAIの引き出し」を掛け合わせて、より完璧な提案を目指します。
(8問目へ続く)