生成AI活用法脳トレ 5問目
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【5問目】「AIで誤魔化すな」という本質。人間関係の摩擦を技術で減らす方法
ビジネス脳トレも第5問目。今回は、これまでの「民間企業」から「医療現場」へと舞台が移り、難易度も一気に跳ね上がりました。提示されたお題は、多くの組織が頭を悩ませる「離職率」と「人間関係」という、極めてエモーショナルな問題です。
【お題:総合病院の看護師の離職率低下】
看護師の離職理由のトップが「忙しい」「残業が多い」「人間関係が大変」。院長は「生成AIで何とかならないか」と言うが、増員や昇給は不可、個人スマホ使用禁止、予算は1500万円。生成AIを活用してどう解決するか?
顧客のオーダーを疑う。本当の課題を見抜く強さ
「人が足りていないなら、AIを使って一時的に誤魔化すようなことじゃない」
お題を見た瞬間、私の中に現場経験者としてのリアルな感覚が湧き上がりました。
院長は「AIで何とかしたい」と言っていますが、物理的な人員不足を根性や小手先のITツールで解決しようとすること自体が間違っているのではないか、と。
そこで私は、まず「忙しい・残業」と「人間関係」を切り離して考えることにしました。 慢性的な人員不足については、環境や仕事量のデータをAIに学習させ、病院側に「適切な人員数」を算出して経営判断を促すための提言資料を作ります。予算をただツール導入に溶かすのではなく、人を増やすための根拠作りにAIを使うという、前提そのものを疑うアプローチです。
その上で、今回AIで直接解決すべきターゲットを「人間関係」に絞りました。関係悪化の真因(誰か一人の問題なのか、全体の雰囲気なのかなど)を特定するため、AIを活用した「匿名ヒアリングシステム」を提案。様々な立場のスタッフから本音を吸い上げ、匿名性を担保した上でデータを可視化するステップを組み立てました。
ChatGPTのフィードバック:本質を突いた後の「もう一歩」
この回答に対し、ChatGPTは「コンサルタントやCSとして非常に健全で、高い評価ができる」と太鼓判を押してくれました。顧客の「AIを入れたい」という言葉を鵜呑みにせず、課題の本質に切り込めている点。そして「AIカウンセラー」のような安易な施策に走らず、分析と匿名化にAIを使うという実務的な視点を持てている点を評価されたのです。
しかし、後半の「具体的な打ち手」については、面接官視点からの鋭い課題が残りました。
「匿名ヒアリングで原因をデータ化するまでは完璧です。では、その先どうしますか?」
実はここが、実務において最も差がつくポイントでした。 仮にAIヒアリングによって「人間関係が悪い」という結果が出たとしても、それは「仲が悪い」のではなく、「業務上の摩擦が人間関係のストレスにすり替わっている」ケースが非常に多いのです。
例えば、AIが抽出した本音が「同じ質問をベテランに何度も聞くのが気まずい」であれば、打ち手は「AIナレッジベース(マニュアル)の整備」になります。「引き継ぎが不十分でミスが起き、お互い不信感を持っている」であれば、「AI引き継ぎ支援ツール」が有効です。
つまり、人間関係そのものをAIで修復しようとするのではなく、「人間関係を悪化させている業務の摩擦をAIで潰す」という視点を持つことで、1500万円という予算を最大限に活かした提案へと昇華させることができたのです。
脳トレを終えて:「課題設定のセンス」を武器にする
今回、自分自身でも「AIとか言ってないで、その金で人を増やせ!」と本音では思いつつも、ビジネスの制約の中で思考を巡らせるタフさが身についてきたのを感じました。
ChatGPTからは「『AIで何ができるか』の引き出しはこれから勉強して増やせばいい。でも、本質的な『課題は何か』を嗅ぎ分けるセンスはすでにあなたの強みになっている」という言葉をもらい、自分の目指すべき方向性がより明確になりました。
技術ありきで語るのではなく、常に現場の人間を見つめ、何が本当のボトルネックなのかを突き止める。この強みを軸にしながら、次回からはさらに「AIで具体的に何ができるか」の引き出しをガシガシ増やしていこうと思います。
(6問目へ続く)