ヘルプデスクのお話 その2
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第2回
大先輩に囲まれた部署で、私が「他部署の飲み会」に突撃し続けた理由
こんにちは、加納です。前回は、ITも自治体知識もゼロだった私が、複雑な自治体システムのヘルプデスクに飛び込んだお話をしました。
私が配属された部署は、年次20年前後というベテランのお姉様方がズラリと揃う環境。
3年目になった今でも、私は不動の「一番下っ端」です(笑)。
今回は、そんな環境の中で私が大切にしてきた、お客様や社内を巻き込むための「コミュニケーション戦略」についてお話しします。
■ 顔が見えないからこそ、徹底した「声のセルフプロデュース」
ヘルプデスクの仕事は、基本的にお客様と電話越しでのやり取りになります。相手の表情が見えないからこそ、私は声の出し方や話し方に人一倍のこだわりを持ちました。
地声よりも少し高めのトーンを意識し、相手が聞き取りやすいように絶対に早口にならないこと。そして、お客様が何に困っていて、最終的に何をやりたいのかを、急かさず丁寧にヒアリングすること。
そうした毎日の積み重ねの中で、嬉しい変化が起き始めました。 お客様から「次からも、加納さんにお願いしたくて」と、名指しでお問い合わせをいただけるようになったのです。
もちろん、指名が重なると目が回るほどの忙しさになります。特に国主導のシステム標準化が始まってからは、受電のベルが鳴り止まない日々が続きました。
■ 1秒で判断する、ヘルプデスクの「優先順位づけ」
指名や問い合わせが殺到したときに試されたのが、「徹底的な優先順位づけ」のスキルでした。
派遣のスタッフ様が受けてくれた一次受電の内容から、瞬時に案件の緊急度を見極めます。 「住民の方がいま、役所の窓口で待たされているか」 「自治体側のデータ提出期限が迫っているか」 「システムの不具合で、通常業務が完全にストップしてしまっているか」
これらは一歩間違えれば大きなクレームや、自治体の信用問題に直結します。どんなに自分のタスクが山積みであっても、状況を冷静に分析し、最優先で動くべき案件を瞬時にパズルのように組み立てていきました。
■ 他部署の飲み会へ突撃。エスカレーションを滑らかにする「顔繋ぎ」
私たちのヘルプデスク(社員7名・パートナー4名)の仕事は、自分たちだけで完結するものではありません。より深いデータ調査やシステムの設定変更が必要な場合は、営業やSEといった他部署へ「エスカレーション(調査依頼)」をする機会が非常に多いのです。
忙しいSEや営業のメンバーに、いかに快く、かつスピーディーに動いてもらうか。 そのために私が取った行動は、「他部署の飲み会に積極的に参加して、顔と名前を売ること」でした(法律やシステムの話と同じくらい、お酒の席も大好きだったというのもありますが笑)。
業務中のチャットや電話だけでは見えない、他部署のメンバーの人柄や本音を知ること。そしてこちらの顔を知ってもらうこと。 泥臭く関係性を築いておいたおかげで、「加納さんからの頼みなら、急ぎで調査するよ!」と、部署の垣根を越えて驚くほど円滑に連携ができるようになりました。
下っ端だからと指示を待つのではなく、社内外のハブとなって自ら動き、仕事をやりやすく変えていく。その面白さを知った私は、いよいよ「国の一大プロジェクト」という、ヘルプデスク史上最大の激動の渦へと巻き込まれていくことになります。