研究プロジェクトのお話 その1
Photo by Pawel Czerwinski on Unsplash
第1回
「著作権とか怪しいし…」食わず嫌いだった私が、生成AIを仕事にしたいと思うようになるまでの1年間
こんにちは! 加納です。
今、私は「生成AIを活用して業務をどう変革するか」という領域に、ものすごく強い情熱を持っています。でも、最初からそうだったわけではありません。むしろ、ほんの1年前までは、最新技術に対してかなりの「食わず嫌い」でした。
今回は、そんな私が他社協働の研究プロジェクトに参加し、マインドが180度変わって今に至るまでの、濃密な1年間の始まりについてお話しします。
■ 「怪しい技術」だと思っていた、あの日
1年前、会社から推薦されて参加することになった、ある外部の研究プロジェクト。そこでは、様々な企業から選抜されたメンバーが集まり、1年間かけて一つのテーマを研究・発表します。
いくつかあるテーマの中から、私が選んだ(というより、なんとなく興味を惹かれて飛び込んでしまった)のが、「生成AIで業務をリデザインする」という領域でした。
当時の私の生成AIに対する認識は、正直ポジティブなものではありませんでした。 「著作権の問題はどうなるの?」 「ハルシネーション(嘘の情報)ばかりで使えないんじゃない?」
自分で深く調べもしないまま、ニュースで流れてくる表層的なネガティブ情報だけを鵜呑みにし、「自分には関係のない、ちょっと危うい技術」だと線を引いていたのです。
■ 完全にアウェイな環境と、突然の「サブリーダー」就任
プロジェクトが始まると、全体で約35名のメンバーが4つのチームに分かれました。同じ会社からの参加者は別々のチームに配属されるため、私の周りは全員「はじめまして」の他社メンバー。
私のチームは8名。システムエンジニアから非エンジニアまで、バックグラウンドも様々でした。 驚いたことに、その8名の中で女性は私一人。さらに私自身も非エンジニアです。
「技術的な話についていけるだろうか……」
そんな不安を抱える中でチームの役割が決まり、私はなんとサブリーダーを務めることになりました。
チームにはもう一人サブリーダーがいましたが、その方は非常に技術に強く、本業も多忙を極めるエンジニア。そこで私は、「技術以外のガバナンスやチームビルディングは、可能な限り私が引き受けよう」と心に決めました。スケジュール管理、進捗確認、そして何より「メンバー間の情報共有や調整」という、人と人をつなぐ役割です。
■ ツールに触れ、人に触れ、世界が変わった
そこから、私の「食わず嫌い」を叩き直す日々が始まりました。 研究のために、毎日長い時間生成AIツール(プロンプトエンジニアリングなど)と向き合い、実際に何ができるのかを泥臭く検証していきました。
「あれ、工夫次第でこんなに業務が楽になるの?」 「ハルシネーションが起きる理由と対策が分かれば、最高の相棒になるじゃないか」
自分で手を動かすことで、点と点がつながり、視界が一気に開けていく感覚。それと同時に、会社も立場も異なるチームメンバーと「この技術を、どうやって市井の人たち(現場の困っている人たち)に浸透させるか」を夜遅くまで議論しました。
その中で、私の中にあった「怪しい技術への警戒心」は、「この技術で、働く人の未来を圧倒的に楽にできる!」という強い確信と興味へと変わっていったのです。
しかし、バックグラウンドも本業の忙しさもバラバラな8人の大人たちが、1本の論文を書き上げるのは一筋縄ではいきませんでした。
次回は、そんな凸凹チームがどのように「心理的安全性」を確保し、本音で議論できる組織になっていったのか。私がサブリーダーとして模索したチームビルディングの裏側をお話しします。