「System of Action」を実装する唯一の解。AIアーキテクトが描く、業務の完全自動化
こんにちは!株式会社プロドウガ代表、そしてAIアーキテクトの山本勇志です。
世の中のAI活用の多くは、まだ「テキストを生成するチャットボット」の域を出ていません。しかし、B2Bの現場が本当に求めているのは、AIがデータを理解し、判断し、実行まで責任を持つ『System of Action(実行のシステム)』です。
今回は、私がこれまで数多くの「CSV地獄」や「手作業の処理」を解体してきた経験から、なぜ「AIバイブコーディング」という狂気的なスピードで開発を続け、自律型AIエージェントの社会実装に挑んでいるのかをお話しします。
プロフィール
- 名前: 山本 勇志(やまもと ゆうし)
- 役職: 株式会社プロドウガ 代表取締役CEO / AIアーキテクト
- 経歴:
- 高校で建築を学び、大学の建築学科で技術職員として4年間従事。構造計算や設計の基礎を叩き込まれる。
- 2013年よりWebエンジニアとして活動を開始。
- 現在はPython/TypeScript/Next.jsとn8n、LangGraphを駆使し、エンタープライズ向けのAI自動化基盤を設計。
- 営業リサーチ支援AI「エンパシー・コパイロット」など、ハルシネーションをねじ伏せる実用的なAIプロダクトを開発。現場の「野良マクロ」を解体し、絶対に止まらない公式システムへと昇華させるアーキテクトとして活動中。
35ノードの“スパゲッティ”が教えてくれたこと
――山本さんはこれまで、数多くのバックエンド自動化を実現されてきました。昨今の「AI開発ブーム」について、どう感じていますか?
山本: 皆、プロンプトエンジニアリングに夢中になりすぎています。「AIに正しく動いてくれ」と祈るような開発では、エンタープライズの実務には絶対に耐えられません。
自律型AI(Agentic AI)を実戦投入するには、ハルシネーション(嘘)をシステムレベルでねじ伏せる必要があります。
――「祈る開発ではダメだ」と痛感されたきっかけがあったのでしょうか?
山本: はい、強烈な失敗体験があります。以前、GAS(Google Apps Script)とLangChain、n8nを組み合わせて「X(旧Twitter)の自動投稿・運用システム」を作った時のことです。
AIに自律的にトレンドを分析させて投稿を作る仕組みでしたが、気がつけば35ノード以上が絡み合う巨大な“スパゲッティ状態”になっていました。
結果どうなったか。AIが少しでも想定外の出力をすると、後続の処理が連鎖的にクラッシュするんです。
エラーのたびにプロンプトを微調整する泥沼にハマり、「AIの出力に依存するシステムは、あっけなく崩壊する」という事実を骨の髄まで思い知らされました。
建築の設計思想で、AIを「縛る」
――その失敗から、どのように現在のアプローチへ辿り着いたのですか?
山本: 私のルーツである「建築」の設計思想に立ち返りました。私は元々建築科出身で、大学の建築学科で技術職員をしていた経験があります。
建築の世界では「柱が支えてくれるだろう」と祈ることは絶対にありません。厳密な構造計算に基づき、物理法則(型)で縛り上げるからこそ、ビルは倒れないんです。
ソフトウェアやAIも全く同じだと気づきました。AIに「正しいJSONを出して」と祈るのではなく、Pydantic等を用いた厳密なデータ型の定義や、LangGraphによる自己修復ループをアーキテクチャとして組み込む。
エラーが出たらTracebackを読ませて『PASSするまで書き直させる』仕組みを作る。この『防衛的アーキテクチャ』があって初めて、絶対に止まってはいけないシステムにAIを組み込めます。
――その設計思想が活きている具体的なプロダクトはありますか?
山本: 私が開発した営業リサーチ支援AI「エンパシー・コパイロット」がまさにそれです。B2B営業の事前リサーチを完全自動化するエージェントですが、営業においてAIが「推測を事実のように語る(ハルシネーション)」のは致命傷になります。
だからこそ、事実(ファクト)と推論をシステムレベルで明確に分離し、公開情報に基づいたインサイトだけを厳格な型にはめて出力させています。この堅牢性こそが、実務で使える「System of Action」の条件です。
曖昧な要件は「動くモック」で最速合意する
――山本さんの開発スタイルは、スピードにも特化していると伺いました。
山本: ええ。Cursor Composer 2や各種AIツールを極限まで連携させた「Vibe Coding(バイブコーディング)」環境を構築しており、通常の3〜5倍の速度でデリバリーしています。ただ、これは単に「コーディングが速い」という話ではありません。
――というと、他に目的があるのでしょうか?
山本: チーム開発やクライアントワークにおいて、ドキュメントだけで議論を重ねると必ず認識のズレが起きます。だから私は、要件が曖昧な0→1の段階から、数日で『実際に動くプロトタイプ』を爆速で組み上げます。
実物を見ながら期待値をすり合わせた方が、はるかに本質的で速いからです。1人で複数人分の実装速度を出すことで、プロジェクト全体の意思決定プロセスそのものを加速させることができます。
将来のビジョンとメッセージ
――将来のビジョンについても教えてください。
山本: フルリモートのAIアーキテクトとして、日本の巨大なレガシー産業に残る「FAX・電話・紙・手動のCSV連携」といったアナログな課題を根本から解体し続けたいと考えています。場所にとらわれず、『絶対に止まらない、自律するシステム』を日本中にデプロイし続けるのが私の目標です。
――最後に、共に働く未来のパートナー企業へメッセージをお願いします。
山本: もし皆さんのチームが、レガシー産業の非効率を変革しようと熱量を持って挑んでいるなら、そのビジョンを確実に形にするための『空中バイパス』を、私のアーキテクチャ設計と実装スピードで構築させてください。
まずは15分、現場が直面している技術的・組織的なペインについて壁打ちさせていただければ幸いです。
編集後記
山本氏の話を聞いて印象的だったのは、彼が単なる「最新技術のオタク」ではなく、「手痛い失敗」と「建築という異分野のルーツ」から独自の実務哲学を磨き上げてきた点です。
スパゲッティ化したシステムの崩壊から学び、AIを「型」で縛るという洗練されたアーキテクチャ設計。この実装力は、次世代のAIプロダクトを創ろうとするあらゆる企業にとって、強力な推進力になると感じました。