人の頑張りに頼らず回る仕組みを作る
大学を出てから、長く自分で事業の立ち上げや運営に関わってきました。
その中で強く感じてきたのは、日々の仕事や生活の中にある不便さは、人の頑張りだけに任せるより、続けやすい形に整えたほうがよいということです。そうした考えから、必要なものを自分で作るようになり、今はバックエンドを中心に、環境構築や公開部分まで含めて実装するようになりました。
1. 小さな現場で本当に使える勤怠管理
最近作ったもののひとつが、小規模事業者向けの勤怠管理システムです。
NFCカードと Raspberry Pi を使い、カードをかざすだけで出退勤を記録し、Google スプレッドシートへ反映し、給与計算までつながるようにしました。
ここで大事にしたのは、機能を増やすことではなく、迷わず使えることでした。ITに詳しくない方でも扱いやすいこと、古い端末や大がかりでない環境でも導入しやすいこと、管理側の負担を増やさないこと。そうした条件から逆算して、操作はできるだけ単純にし、現実の利用で起きやすい抜けや揺れも吸収できる構成を考えました。
2. 日常の記録にもなる猫の給餌管理システム
もうひとつ、猫の給餌管理システムも作りました。
給餌棚の扉の開閉をリードスイッチで検知し、Pico W からイベントを送り、VPS 側で記録と集計を行い、LINE から履歴や平均、体重を確認できるようにしたものです。
この仕組みでは、専用アプリを増やすのではなく、家族がすでに使っている LINE を入口にしました。新しい操作を覚えなくても、普段の流れの中で自然に使えることを優先したためです。記録を残すだけで終わらせず、あとから見返しやすくし、家族の中で状況を共有しやすい形まで含めて考えました。
3. 自動化パイプラインのライブダッシュボード
自分で運用している自動化パイプラインについては、Trading System (Demo) も作っています。
Hetzner VPS 上で動く処理の状態を Cloudflare KV に集約し、Astro SSR で公開ページとして表示する構成です。
ここでやりたかったのは、裏側で動いている仕組みをそのまま隠しておくのではなく、外から把握できる形に整えることでした。内部の情報をそのまま出すのではなく、見せられる単位に変換しながら、システムが動いていることや更新の鮮度、状態の変化が伝わるようにしています。バックエンドの実装や運用は見えにくい仕事になりやすいですが、それを公開可能な形に翻訳するところまで含めて設計しています。
ちょうどいい粒感のシステムがコンセプト
これまで作ってきたものに共通しているのは、コードを書くこと自体より先に、どこに課題があり、誰がどう使い、どんな形なら続けやすいかを考えることです。
デバイス側に持たせる役割とサーバー側に寄せる役割を分けること、必要以上に複雑なUIを作らないこと、既存の環境や習慣の中に収まる形にすること。そうした判断を重ねながら、実装から運用まで一続きのものとして組み立ててきました。
次はチームの中でもこの視点を活かしたい
これまでは、一人で要件整理から実装、運用まで持つ形が中心でした。
一方で最近は、レビューや設計のすり合わせ、役割分担のある開発にも関心を持っています。個人で積み上げてきた、課題を形に落とす感覚や、動かし続けるところまで見て組み立てる視点は、チームの中でも活かせると考えています。
関連リンク
紹介した制作物のデモページはこちらから。制作背景の記事もあります。