伴走者として進める私のOJT
教えるではなく伴走するという考え方
OJTのゴールは
業務説明の完了→×
新人が自主的に仕事に取り組むことができる状態になること→〇
そのうえで、教えるのではなく伴走するという考え方が重要になっています。
なぜ伴走という考え方なのか?
「教える」という言葉自体に「上から下へ」というニュアンスが含まれるからです。そしてそのことが人によっては信頼関係を築きにくくなる原因になります。
なぜなら
①相手が年上のとき→上から目線のニュアンスに感じ取ってしまい、良い気がしない人がいる。
②立場の差から委縮してしまい質問を引き出せなくなる懸念がある。
教えるのではなく伝えるという気持ちや言葉遣いでこの懸念事項を回避し、新人の性質に関係なく良い関係性を築くことができます。
新人が質問をするときというのは、新人が困っているときです。解決のために手伝うことが信頼関係を深めることにつながっていきます。信頼関係が築かれていること。それが新人OJTを成功に導く大切な要素です。
目安として、新人が「もし失敗したとしても、この人がちゃんとフォローしてくれる」と感じてくれている状態なら信頼関係はできていると考えます。
伴走者とは何か?
私がいう伴走者とは何か、一言で表現すると、
「安全に試行錯誤できる状況を提供する人」です。
引っ張るのではなく、本人ができるように横からサポートすることで、本人で試行錯誤することを経験すると同時に「自分でできた」という感覚を育てることができます。
そして「自分でできる」という感覚が育っていることで、トレーニング期間が終わった後、問題にぶつかったときにトレーナーである私がいなくとも自ら問題解決に取り組めます。
いつまでも私が新人のそばで、新人を助けてあげられるわけではありません。移動もあるでしょう。トレーナーがいなくとも、自分で何とかできるという自信を育てることが、本当のOJTだと考えます。
もちろん自主性も育ちます。「自分はこの仕事ができる」という気持ちがあるから主体的に仕事に取り組むようになります。反対に「この仕事は自分で対処できない」という気持ちが主体性を奪うのです。
具体的な実施方法
ここまで心掛けのような話をしてきました。ここからは具体的にどのように伴走者としてのOJTを実施してきたかを、箇条書きでまとめていきます。
- 対面した際に、挨拶と自己紹介をする。
- 事前に「説明がわかりづらかったら遠慮なく言って欲しい」とお願いしておく。(これをいうだけでも、新人が感じる安心感が違います。)
- 新人に声をかけるときは、「〇〇さん」と名前を呼んで声をかける。(人は名前を呼ばれると、受け入れてもらえている感覚になります。)
- 新人が自分とどれくらい体の距離をとるかで、心理的な距離感を測る。(人は心の距離感と体の距離感がリンクしていると言われています。)
- 雑談をどのくらい入れるかは、新人の反応次第で臨機応変に調整する。
- 新人がミスをした際などに、「自分も新人の頃に同じようなミスをした」と、自分の失敗を打ち明ける。(「失敗をするのは自分だけじゃない」という安心感に繋がります。)
- フィードバックをする際に、良い点から伝え、改善点は、「このように改善すると良い」という伝え方をする。(角が立たない表現になる。)
- 論理的に順序立てて話す。(良い点から伝えることで、改善点を伝える際に角が立ちません。)
- メモをとっている最中は待ってあげる。
- 質問は歓迎する。(質問しやすい雰囲気を作ることで、わからない時の安心感に繋がります。)
- 常に新人の頭の中を想像しながら説明や段取りを行う。(表情から理解度を測る。)
以上の10個を実践するだけでも、新人にとってのやりやすさや、信頼関係がかなり向上すると思います。一つ一つは特に難しいことはなく実施しやすいことです。
最後に…
なぜ私がここまで新人OJTに心がけるか、それは私自身が、パワハラ気質な上司と、面倒みよく教えてくれる上司の両極端なタイプからOJTを受けた経験があるからです。OJTがその人を戦力に変えるか、はたまた早期離職を招くかになっているといっても過言ではありません。(もちろん離職理由はOJTだけによるものではありません)
業界や職種によっては私のOJTの考えは通用しないかもしれません。それでも私の考え方が、新人とトレーナーの互いに気持ちのいいOJTとなり、より多くの人が働きやすくなることにつながればと祈っております。