シェイクスピアから学ぶメタ認知ー仕事への活かし方ー
メタ認知とは
メタ認知とは、自分が考えていることをもう一人の自分が上から俯瞰して「今こんなこと考えている」と認識することです。メタ認知が身につくことで、自分を客観視すること、状況を把握したうえで自分の考えや行動をコントロールしやすくなります。
メタ認知のメリット
メタ認知を鍛えることで、感情のコントロール力や、問題解決能力が上がる、自分の課題を理解することで学習スピードが上がるなどのメリットがあります。私もトラブルやクレーム応対の際に、メタ認知が問題解決に役立ったと感じています。
とはいえもともとこの考え方を知っていたわけではありません。心理学部だったので言葉として知ってはいましたが、知っているだけで仕事で活かすことまでは考えられていませんでした。「メタ認知」と聞いてもあまりイメージができなかったからです。ですが、本を読んでいるときにある言葉に出会い、その言葉を意識して仕事に臨むことで自然とメタ認知が身についていました。
シェイクスピア名セリフ
「全世界が一つの舞台、そこでは男女を問わぬ、人間は全て役者に過ぎない」
「お気に召すまま」 第2幕第7場、福田恆存訳
このセリフはシェイクスピアの「お気に召すまま」に登場するセリフです。
私がこの「世界は舞台で、人は役者」という考え方と出会った当時はコンビニエンスストアでアルバイトをしていました。「コンビニエンスストアという舞台で、コンビニ店員を演じる」つもりで仕事に臨んだことで、通常の接客だけでなく、トラブルやクレームの対応も以前より感情的に圧倒されにくくなったり、解決までの時間が早くなりました。自然と、自分と置かれた状況を俯瞰できるようになっていました。
セリフだからこそ、イメージしやすい
私はメタ認知と聞いても、抽象的過ぎてあまりイメージが付きませんでしたので、活かすことができませんでした。しかし、このセリフに出会ったことで、メタ認知が身についていきました。物語の中のセリフだからこそ、自分に当てはめて「どう活かすか」を考え、実践しやすかったのだと思います。
メタ認知をはじめ抽象的な概念はイメージできないと活用できませんが、比喩表現はイメージするための助けになります。
もちろん細かい部分は異なってくるとは思いますが、まずは入り口として、「世界は舞台で人は役者」という考え方をしてみるのはいかがでしょうか。
実践案
自分が置かれている状況を舞台として言葉に直します。
例
「会社で上司と仕事の話をしている場面だ」
自分を役者としてとらえ望ましい行動を言葉に直します。
例
「この場面では自分は○○という振る舞いが自然だろう。」
そのあとは考えた役回り通りに行動します。状況を言語化することで、自分の感情に距離が生まれて、自分を客観視することができるようになります。
状況と感情に距離が生まれて、自分を客観視できる状態。それが「メタ認知」です。
引用
シェイクスピア, 「お気に召すまま」, 新潮文庫, 昭和56年7月25日発行,令和6年10月15日第44刷, 70頁