作業を終えるとき、次に再開する自分やAIが、続きから始められるか。私はそこが気になります。
同じ情報を何度も整理したり、新しい会話のたびに背景を説明し直したりするのは、できれば減らしたい。そのために、研究ではデータ処理の流れを整え、AIを使った開発では作業の状態を残す個人用のツールをつくってきました。
研究で繰り返していた処理を、ひとつながりにする
研究室で扱っていたニュースには、企業同士の協力関係を知る手がかりが含まれていました。ただ、文章のままではネットワーク分析に使えません。企業名を整理し、関係を取り出し、分析に使えるデータにする必要があります。
この準備を繰り返す中で、少しずつ処理を自動化しました。その流れをWeb画面から操作できるようにしたのが、CorpLink-AIです。ニュースファイルをまとめてアップロードし、条件を設定して、処理結果をダウンロードする。スクリプトの準備や操作を含む作業を、ひとつの流れにまとめました。
処理の中では、すでに整理した企業名や別名の対応を保存し、後の処理でも使います。既存の情報で処理できる部分と、AIモデルによる追加の判断が必要な部分を分け、一度行った整理を次にも役立てられるようにしています。
AIとの会話にも、引き継ぎ先がほしかった
AIを使った開発でも、似た問題がありました。会話が変わると、以前に何を調べ、どこまで進めたのかを説明し直す必要がある。説明する私自身も、細かい経緯を忘れます。
そこで、作業の記録をためるデータベースと、進捗を見られる画面を用意しました。今どの段階にいるか、何がまだ終わっていないか、次に何をするか、判断のもとになった資料はどこか。そうした情報を、会話の外に残します。
最近の進展を先に確認し、詳しい背景が必要なら過去の記録を読む。記録も、その順番で使えるように整理しています。これは私自身が使うための作業台です。新しい会話でも、記録を読んだうえで続きを進められることを目指しています。
記録を残しても、判断は確かめ直す
コードの実装には、ClaudeなどのAIをかなり使っています。その中で私が意識しているのは、何を解決したいのかを伝え、出てきた案の理由や確かめ方を聞くことです。
よく使う進め方の一つが、前の議論を知らない別のAIに、案が成り立たない条件や反例を探してもらうことです。PRとしてコードの変更案をまとめた後も、改めてレビューを行います。さらに、前提を知らない人にも伝わる言葉で説明してもらい、業務上おかしな点がないかを自分でも考えます。
納得できないところは理由を聞き、AIの説明と自分の懸念を照らし合わせながら修正します。別のAIが賛成したことだけで正しいとは決めず、記録の抜けや確認が足りないところが見つかれば、作業の進め方も見直します。
目の前の作業を終わらせるときに、次は何を読めば再開できるかまで考えておく。研究のデータ処理も、AIとの開発も、その積み重ねで少しずつ進めやすくしていきたいと思っています。
CorpLink-AIの概要・ソースコード:https://github.com/shiameyeung/CorpLink-AI