給料を捨ててまで手に入れたい透明な資産
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こんにちは!高橋(髙橋)正次です。
ある晴れた日の午後、都内のオフィスビルが立ち並ぶエリアで、一人の清掃員の方が窓ガラスを無心に磨き上げている姿に目が留まりました。その動きには一切の無駄がなく、まるで見えない敵と戦っているかのような気迫すら感じられました。編集者として長年、様々な企業のトップや技術者にインタビューを重ねてきましたが、その清掃員の方が見せてくれたプロフェッショナリズムの根源は、ビジネスの世界で語られる成功法則とは全く別の次元にあるように思えました。私たちはキャリアを積む過程で、どうしても肩書きや年収、あるいはSNSのフォロワー数といった目に見える数字を積み上げることに必死になりがちです。しかし、本当に価値のある仕事とは、その作業が終わった後に残る、言葉にできないほど美しい透明な余韻のことではないでしょうか。
最近、独立してフリーランスとして活動する中で、私はあえて報酬の多寡ではなく、その仕事を通じて自分の心がどれだけ透明になれるかという奇妙な基準で案件を選ぶことがあります。一見すると経済合理性に欠ける選択に見えるかもしれませんが、実はこれこそが最も効率的な自己投資であると確信しています。心が曇った状態で書いた原稿は、どれほど正しい日本語を並べても読者の胸には届きません。逆に、自分自身がそのテーマに対して純粋な好奇心を持ち、徹底的にリサーチを楽しみながら紡ぎ出した言葉は、物理的な距離を超えて誰かの人生を動かす力を持つようになります。
かつて一緒に仕事をした伝説的な編集者は、企画書を通すことよりも、その企画が世に出た後に誰も気づかないような小さな変化が生まれることを何よりも喜んでいました。それは、満員電車の乗客がふと顔を上げた時に見える空の青さに気づくような、ささやかで、しかし確かな変革です。今の時代、誰もが効率よく正解に辿り着こうと急いでいますが、本当に面白い仕事は常に正解の外側に転がっています。無駄だと思える遠回りや、誰にも評価されない細部へのこだわりの中にこそ、その人だけの独自の光が宿るのです。
私が提供できる価値は、単なる文章の執筆ではありません。クライアントが抱える課題を、まるで窓ガラスを磨くように丁寧に削ぎ落とし、その奥にある本質的な輝きを可視化することです。それは、時には既存のビジネスモデルを疑うことから始まります。当たり前だと思われている常識を一度解体し、新しい視点で再構築するプロセスこそが、停滞した空気を切り裂く新鮮な風となります。これから私と一緒に新しい物語を紡いでいく仲間たちには、完成された地図を持つことよりも、未知の領域に足を踏み入れる時の高揚感を大切にしてほしいと願っています。
目に見える成果を追い求めるあまり、私たちは大切な自分の声を置き去りにしていないでしょうか。効率化という名の波に飲み込まれず、自分だけの透明な資産を磨き続けること。その先にこそ、私たちが本当に求めていた働く喜びが待っているはずです。今日も私は、誰も見ていないところで言葉の窓を磨き続けています。