IT/DX プロジェクトが進まないときに、まず見直すべきもの
IT/DX プロジェクトが前に進まない理由は、技術よりも "実務の組み立て方" にあることが多いと感じています。間違いのなさそうな製品、経験豊富なエンジニア、綿密に作られた WBS や会議体──...
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「会議は踊る、されど進まず」という言葉は、19 世紀のウィーン会議の進行の遅さを皮肉ったフレーズです。
現代の日本企業においても、「会議をどう効果的に進めるか」はいまだに大きな課題で、むしろ “踊りも進みもしない会議” が増えていると感じる人も多いのではないでしょうか。
こうした経験は誰しも一度は味わったことがあるはずです。
一方で、トントン拍子に議論がまとまり、必要なアクションも明確になり、
ファシリテーターに「それでは〇〇分をお戻しします」と言われて軽いカルチャーショックを受けたことがある人もいるかもしれません。
この差はどこから生まれるのでしょうか。
会議が「進まない」理由の多くは、参加者のエンゲージメント (関与度) が適切にコントロールされていないことにあります。
どちらも「議論としての最適点」から外れています。
ただし、会議の目的・位置づけ、参加者の前提知識・立場があまりに多様であるため、
一律の正解やテンプレートだけでうまくいくものではありません。
会議を進めるための大原則はシンプルです。
① 論点を正しく特定し、
② その論点から外れないようガードレールを設けること。
特に重要なのが「論点の特定」です。
ここがマクロすぎてもミクロすぎても議論が迷走します。
課題管理表の項目をそのまま論点として採用すると、
起票者の視点に引きずられ、議論が “ズレたまま” 進むリスクが高まります。
前準備とファシリテーションは、参加者の理解度を揃え、
必要なアクションを引き出すための働きかけ全般を含みます。
会議を前に進めるためには、
客観性・主体性・参加者からの一定の信頼が必要です。
しかし、この役割は
という単純な切り分けではうまくいきません。
会議ごとの温度感、参加者の専門性、議題の重さによって、
必要な “整理役” のタイプが異なるためです。
したがって、定期的にこう自問してみることが大切です。
会議を改善するというと、議題設定や時間管理ばかりが注目されますが、
本質はそこではありません。
“議論を進めるための前提が整っているか。”
その設計を担える整理役が存在するか。
これこそが、会議が “踊らずに進む” ための最も確実な一手だと考えています。
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