正解のない問いに挑む画面の職人
Photo by Doncoombez on Unsplash
こんにちは!栗山和暉です。
新しいノートの真っ白なページを開くとき、みなさんはどんな気持ちになるでしょうか。 これから何を書き込んでも自由という高揚感がある一方で、最初の一歩をどこから踏み出すべきか迷ってしまう、かすかな不安を覚える人も少なくないと思います。 何も描かれていない広大な空間に、自分なりの意味や秩序を与えていく作業には、独特の難しさと面白さが同居しています。 私がフリーランスのウェブデザイナーとして日々パソコンの画面と向き合い、新しい仕組みを組み立てている仕事も、実はこれと全く同じです。
多くの人は、ウェブサイトのデザインというと、最新の流行を取り入れた色を塗ったり、きらびやかな装飾を施したりする作業を思い浮かべるかもしれません。 しかし、私にとってのデザインとは、自分の感性を表現して拍手をもらうための芸術ではなく、クライアントが抱えるビジネスの課題を解決するための強力な道具です。 ただ見た目が美しいだけのサイトは、座り心地の悪い高級な椅子のよう。 本当に価値があるのは、使う人がその存在すら忘れてしまうほど、滑らかで心地よい案内図が描かれているサイトなのです。
私が以前、ある会社の手がける採用特設サイトを新しくしたとき、真っ先に行ったのは綺麗な絵を描くことではありませんでした。 サイトを訪れた人が、どんな情報をどんな順番で読めば、その企業の本当の魅力がまっすぐに伝わるかを、徹底的に整理したのです。 まるで、暗い夜道を進む人の足元を、小さな手回し懐中電灯の明かりでそっと照らすように、迷わず進める一本の道を用意しました。 その結果、ページを訪れた人が次々と心を動かされ、最終的に応募してくれる人の数が前年の数倍にまで跳ね上がるという大きな成果を出すことができました。
ウェブサイトは、作って納品した瞬間がゴールではありません。むしろ、そこからが本当の始まりです。 私は、新しく公開したサイトを、土に植えたばかりの小さな苗木のように考えています。 実際に多くの人が訪れて使い始めることで、初めて見えてくる課題や風向きがあるからです。 だからこそ、公開後もデータの数字を注意深く見つめ、ボタンの位置を数ミリメートル動かしたり、文章の並びを調整したりしながら、水をやるように何度も手を加え続けていく必要があります。 その地味で泥臭いプロセスの先にこそ、ビジネスを大きく成長させる本当の楽しさが詰まっています。
誰の目にも留まらないような、文字の隙間の数ミリメートルのこだわりや、画面が表示される速度の改善。 その小さな工夫の積み重ねが、やがて大きな成果という果実を実らせます。 これからも、見た目の美しさを超えた先にある、使う人の心地よさとクライアントの成功を徹底的に追い求めるパートナーでありたいと思います。