【増汐真未】シャープペンの芯が折れた瞬間に学んだ、チーム戦略の本質
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日常の中で、ふとした出来事からビジネスに通じる大切な気づきを得ることがある。私にとってそのひとつが、ある日のシャープペンの芯が折れた瞬間だった。もちろん、ペンが壊れたこと自体は大きな出来事ではない。ただ、書きたいときに書けなくなるという小さなストレスが、なぜか頭の中でチームやプロジェクトの動きと重なったのだ。
マーケティングの現場では、戦略を立てて実行しても思わぬところでつまずくことがある。分析も仮説も準備万端だと思っていたのに、ちょっとした要素の欠落やミスが全体の流れを止めてしまう。そのとき感じる「どうして今」という感覚は、芯が折れた瞬間に味わった不意打ちに似ている。
ただ、ここで大事なのは「折れたこと」そのものではない。すぐに新しい芯を入れれば、また書き続けることができる。つまり重要なのは予備を持っているか、代替手段を考えているかだ。ビジネスにおいても、トラブルをゼロにするのは不可能だが、想定外に備える姿勢次第で前進を止めずにすむ。
この出来事をきっかけに、自分のプロジェクト運営にも意識的に「余白」を設けるようになった。広告予算の運用でも、SNSキャンペーンの設計でも、必ず何割かのリソースを柔軟に動かせるようにしておく。芯を一本しか持っていない状況を避けるように、選択肢を複数確保するのだ。
また、芯が折れる瞬間に感じた「カチッ」という手応えは、逆に切り替えの合図にもなった。止まってしまったからこそ、立ち止まり、次の一手を冷静に考える余裕が生まれる。トラブルを単なるマイナスと捉えるのではなく、新しい戦略や工夫を試すチャンスだと思うようになった。
チームで働くときも同じで、一人のつまずきが全体の流れを止めてしまうことがある。しかし、そのときに誰かが予備のアイデアを出したり、他の人がすぐにフォローに入れる体制を作っておけば、プロジェクトは再び動き出す。芯が折れても、書くことをやめないために必要なのは、一人だけの努力ではなく、全体で支え合える仕組みだ。
小さな日常のアクシデントが、こんなにも仕事の姿勢に直結するのかと気づいたとき、自分の中でマーケティングの仕事に対する見方が変わった。ただ成果を出すことだけではなく、成果が止まってしまった瞬間をどう再開させるか。その姿勢がチーム全体の成長を決めるのだと今は思っている。
シャープペンの芯が折れた瞬間を、もう単なる不便ではなく、学びの瞬間と捉えられるようになった今、日々の小さな出来事にももっと意識を向けていこうと思う。そこから見つけた発想が、次の大きな戦略を生むヒントになるかもしれないから。