海との時間が増えるほど、
海との時間が増えるほど、
気づくことがあります。
それは、
海は「見る場所」でもあり、
「気づかせてくれる場所」でもあるということ。
潜るたびに、
同じように見えていた景色の中に、
新しい発見があります。
前は通り過ぎていた場所で、
小さな生きものに出会えたり。
ただ青いと思っていた海に、
いくつもの色があることに気づいたり。
光の入り方ひとつで、
海の表情がまるで変わることもあります。
知れば知るほど、
まだ知らないことが増えていく。
それが海の魅力なのかもしれません。
そしてそれは、
海だけじゃなく、
毎日の暮らしにも少し似ている気がします。
忙しく過ぎていく日々の中にも、
立ち止まって見てみると、
きれいなものや、
やさしい瞬間がちゃんとある。
海に教えてもらった「気づく力」は、
海の外でもそっと生きている気がします。
空の色。
風のにおい。
木の揺れる音。
何気ない会話。
いつも通る道の景色。
以前より少しだけ、
そういうものを丁寧に感じられるようになった気がします。
海に潜ることで、
遠くへ行っているようでいて、
本当は、
自分の感覚の近くへ戻ってきているのかもしれません。
慌ただしい毎日のなかで忘れがちな、
呼吸の深さや、
心の静けさを思い出させてくれる場所。
それが、
私にとっての海です。
だからこれからも、
海へ行きます。
上手に潜れる日も、
そうじゃない日もあると思います。
でもそれでいい。
その日の海を、
その日の自分で感じられたら、
それだけで十分。
海はいつも、
そのままで迎えてくれるから。
そしてまた、
次の海で、
どんな景色に出会えるのか。
どんな気持ちになれるのか。
その楽しみを胸に、
今日もまた、
次の海を思っています。
— 海沼葵衣