第9回:内見で見る“人それぞれの部屋の選び方”
第9回:内見で見る“人それぞれの部屋の選び方”
内見に同行していると、同じ部屋でもお客様によって見ているポイントがまったく違うことに気づきます。
部屋選びは、性格や価値観、これからの暮らし方がそのまま表れる時間。
今日は、そんな内見の中で印象に残っている“人それぞれの選び方”を紹介します。
■ 日当たり重視さん——光で未来を想像する人
ある女性のお客様は、部屋に入るなりカーテンを開け、真っ先に窓辺へ向かいました。
そして、太陽の入り方をじっと確かめながら、ぽつりと言いました。
「朝、ここに光が入ってきたら気持ちよさそうですね」
その言葉に、部屋を選ぶ基準が“暮らしの心地よさ”なんだと感じました。
光を大切にする人は、きっと日々の小さな幸せを大切にできる人なのかもしれません。
■ 収納チェック派——生活のリアルを見据える人
別のお客様は、玄関を入る前からメジャーを片手にスタンバイ。
「ここに掃除機が置けるかな? 服はどれくらい入る?」と、収納を細かくチェックしていました。
店長が後で教えてくれました。
「収納を見る人は、暮らしの“続け方”まで想像できとる人や」
暮らしは、始めるより続けるほうが難しい。
その視点で選べる人は、きっと新生活も丁寧に育てていけるんだろうなと思いました。
■ “ここでの自分”を思い描く人
ある内見で印象的だったのは、部屋を見ながら未来の姿を語ってくれた男性。
「ソファ置くならここやな。
休みの日はコーヒー淹れて映画見たいな」
家具もまだない空っぽの部屋に、言葉だけで暮らしがふわっと広がっていきました。
**“空間を自分の色で満たせる人”**って素敵だなと思った瞬間です。
■ 条件どおりなのに「しっくりこない」部屋
希望条件にぴったりなのに、お客様がなかなか決められないこともあります。
そのとき店長が言った言葉が印象的でした。
「家は“正解”で選ばんでもええ。
心が落ち着くかどうか、それが一番大事や」
数字や条件では測れない“フィーリング”。
それが暮らしの幸福度を左右するのかもしれません。
■ 選び方に、その人らしさが映る
内見に同行するたび思うのは、
部屋選びは、単なる物件の比較ではなく、自分の生き方を選ぶ作業だということ。
・心地よさを求める人
・暮らしを整えたい人
・未来を描きたい人
その人らしさが、ふとした仕草やひと言に表れます。
そして僕は、案内しながらいつも心の中でそっと願っています。
**「この人にとって、一番やさしい部屋と出会えますように」**と。
今日の学び:
部屋選びは、自分の“これからの生き方”を選ぶこと。